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広がる「ノーコード」 プログラマーが不要に?

マサチューセッツ工科大学(MIT)とインテルの共同研究チームが、アルゴリズムを生成する能力を備えたアルゴリズムの開発に成功した。ただ、これが「スカイネット」が支配するような終末的ディストピアにつながるかもしれないという空想を広げるのは尚早だ。

今回実現したのは、機械によるプログラミングの自動化だ。これによりプログラマーは、退屈で反復の多いさまざまなタスクを自動化できる。そしてこれを限界まできわめれば、動作させたいタスクを記述するだけで誰でもプログラミングが可能になる。

研究チームが開発した「機械推論コード類似性(MISIM)」と呼ばれるシステムは、あるソフトウエアについて、似通った動作をする別のコードとのシンタックスの違いを分析したり、コードの構造を調査したりすることで、どのように動作するのかを学び取る。

自然言語による指示を読み取って自動でプログラミングできるコンピューターというアイデアは以前から存在しており、いわゆる「ノーコード」運動の下でつくられたいくつかのノーコード開発プラットフォーム(NCDP)で既に実践されている。

サードパーティーの作成したコード、あるいはレポジトリやプラットフォームから取得したコードをベースにシステムを構築する企業は、ゼロからシステムを設計する能力を有するスタートアップ企業を筆頭に増えている。新型コロナウイルスの流行と分散ワークの普及が、こうしたタイプのプラットフォームやツール導入を促進したと指摘する声もある。

アマゾン・ドット・コムは今年6月、用意されたモジュールを組み合わせることでアプリケーションの設計・構築を可能にするサービス「ハニーコード」を立ち上げた。同様に、セールスフォース・ドットコムは「Lightning アプリケーションビルダー」、グーグルは「App Maker」、マイクロソフトは「フロー」や「パワー」といったサービスを提供している。さらに、ホームページ構築ツールの「WordPress(ワードプレス)」や、シンプルなタスク自動化ツールの「IFTTT」などもこの類に含められる。

「ローコード」や「ノーコード」は今後主流になるのだろうか? 実は、こうしたプラットフォームはかなり前から存在していた。私も多くの人と同様に、初めてのホームページはプログラミングの知識が不要な「FrontPage(フロントページ)」や「Dreamweaver(ドリームウィーバー)」といったビジュアルツールで作成した。こうしたツールは、ウェブページの仕組みや特定の機能を実現するためのコマンド類を理解する役にも立った。

生成されたコードを見直す知識のないユーザーがこの手のツールを使用すると、メンテナンスや拡張、更新がしにくいフランケンシュタイン的なシステムができてしまうとの批判もある。また、知識不足によって起きるセキュリティーの問題や、プラットフォームそのものに簡単に悪用できる脆弱性がある可能性もある。

一方で、環境がますます複雑化し、一人の人物が習得するのには難しくなっている中、こうしたツールがシステムの開発やメンテナンス作業において開発者を支援でき、将来的にはプログラマーの役割と責任が監督者としてのものに限定されるだろうとする意見もある。

いずれにしても、より多くの人がシステムの設計・構築をできるようにすれば、そこには破壊のポテンシャルが生まれる。テクノロジーの進歩により、自然言語や図の形で実現したい機能を機械に読み込ませて必要なコードを生成させられるようになるのも時間の問題とみられる。つまり、メニューをクリックするだけで誰でも簡単に複雑なシステムを構築できるようになれば、従来のプログラマーは仕事を失う。ただ筆者の私見では、このような飛躍は当面起きないだろう。