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視覚障がい者のためのAI視覚をテーマとするSight Tech Globalカンファレンス開催

テクノロジーに関わる者にとって視覚にハンディキャップがある人々を助けるツールの開発に挑戦することはこの上ない喜びだ。シリコンバレーの伝説的なビジョナリーであるRay Kurzweil(レイ・カーツワイル)は1976年にテキスト読み上げデバイスを発表している。この種の製品として商業的に初の試みだった。視覚障害者団体、NFB(National Federation of the Blind)のプレスカンファレンスで卓上に置く複写機のような箱型の機械であるカーツワイル・リーディン・マシンが披露された。 当時の価格で5万ドルだった。

カーツワイルの製品をはじめとするこうしたパイオニア的なデバイスはテクノロジーにもビジネスにも非常に大きな影響を与えていった。現在、リーディングマシンの後継にあたるのはMicrosoft(マイクロソフト)のSeeing AIアプリだ。これはAIを利用した機械視覚でカーツワイルの時代には想像もできなかったような正確さでテキストを認識し、読み取ることができる。しかもスマートフォンさえ持っていれば誰でも無料で使えるのだ。

こうした急速なテクノロジーの進歩がSight Tech Globalカンファレンスを可能にした。2020年12月2日と3日に開催されるこのバーチャルイベントには世界中からこの分野の最新のテクノロジーが結集し、専門家がAI視覚的によるアクセシビリティーを助けるテクノロジーの驚くべき進展が今後世界をどのように支えていくか討論する。

Microsoft Seeing AIは、自動運転車や人間と混じって安全に作業ができるロボットを可能にしたのと同じテクノロジーに基づいている。その昔シリコンバレーのトップエンジニアにとってさえ難問だった人に代わってコンピュータに対象を認識させるという課題だ。

視覚を失った人々の立場からすると、現在のテクノロジーは驚くべきものだ。 わずか10年前に予想もできなかったほどのレベルに達している。コンピュータースクリーンを読み上げてくれるJAWSやSeeing AIのような専用アプリは素晴らしいツールだ。同時にこれを可能にしているモバイルネットワークやスマートフォンやマートデバイス、マップやナビアプリなどはハンディキャップの有無に関わらず人々の生活を一変させた。しかしながら、こうした豊富なテクノロジーは十分にその可能性を活かされておらず、危険の種類、アクセシビリティに関する公的基準によっても異なるが、視覚的ハンディキャップのある人々のバリアを十分に取り除くには至っていない。視覚障害者は未だに杖や盲導犬あるいは目の見える人の介助に頼らざるを得ず、ウェブサイトを使おうとしても大きな困難に直面するし、大勢の人々が集まる席でも見えないことによって孤立を感じている。

今や高速道路ならコンピューターは人手を借りずに時速110kmで安全に車を走らせることができる。ところが歩道で目の見えない人を安全に時速4kmで歩かせることができるデバイスは手に入らない。

ソーシャルメディアサービスは瞬時に数十億人のユーザーから一定の基準で対象を選び出すことができる。しかし目の見えない人は自分の前に立っている人物が誰でどんな様子であるか簡単に知ることができない。現代の優れたテクノロジーの多くは AIを活用しているが、簡単に手に入り、生活を明るいものにし、現実に役立つような次世代ツールとして現実化されていない。なるほどマイクロソフトやApple(アップル)のような大企業、有名大学からスタートアップまでさまざまな研究、開発が進められている。しかしこうした研究が困難であり歩みも遅いことは否定できない。視覚的なハンディキャップを持つ人々はかつて SF作家のWilliam Gibson(ウィリアム・ギブソン)が述べたように、「未来はすでにそこに来ている。ただし公平に分配されていないだけだ」という世界に生きている。

こうした状況がSight Tech Globalカンファレンスにインスピレーションを与えた。カンファレンスに参加するのはこの分野のトップに加えて人間とコンピューターの相互作用の専門家、プロダクトデザイナー、ベンチャー起業家、ビジョナリーなどの多様なエキスパートだ。参加者は介助テクノロジーの未来と同時にアクセシビリティのあるべき姿を検討する。これらのエキスパートの多くは自分自身も視覚に障害を持つ人々だ。イベントの主催者はどんな議論であれプロダクトの開発であれ、視覚障害を持った人々のコミュニティが直接関わるのでなければ役に立つものになることはできないと固く信じている。シリコンバレーには優れたテクノロジーがあるが、こうしたコミュニティを直接に持っているわけではない。

2日間のプログラムは、すべてオンライン上で展開される。バーチャルのメインステージは世界に公開されライブあるいは録画でストリーミングされる。視聴は無料だ。一方、25ドル(約2660円)で販売されるプロパスは新製品の紹介、講演者などとのQ&A、バーチャルネットワーキングなどのスペシャルセッションへの参加が可能となる。カンファレンスへの参加申し込みは近く開始されるが、TechCrunchはこのスレッドで新しい情報をアップデートする。

現在、アクセシビリティの増進のために様々なイベントが世界中で開催されており、 そうしたイベントの主催者、スポンサー、関係者に深く敬意を表するものだ。Sight Tech Globalはこうした既存のイベントを補完するものであり、高度なテクノロジーとそれを利用するプロダクトやサービスが将来どのような現実の体験の変化をもたらしていくのかという困難な質問に答えることを目的としている。もちろん開発にあたっては障害を持つ人々のコミュニティと手を携えなければならないし、使い勝手やメンテナンス、販路と価格などのプロダクト的、社会的要素もとても大きなものとなる。

いろいろな意味でSight Tech Global カンファレンスはTechCrunchがこの4年間、マサチューセッツ工科大学やカリフォルニア大学バークレー校と提携しAIやロボティクスをテーマに開催してきたカンファレンス(未訳記事)のフォーマットに大きなヒントを得ている。こうしたカンファレンスではTechCrunchの編集者、ライターがトップエクスパートに厳しい質問をぶつけるという形をとってきた。 質問はオートメーションの将来から機械の自律化、職が奪われるという副作用のリスク、AIモデル作成にあたっての人間のバイアスなど広く分野のすべてに及んだ。TechCrunchの編集者、ライターは他のエキスパートと並んで今回のカンファレンスでもモデレーターを務める。

Sight Tech Globalのファウンダーとして私、Ned Desmond(ネッド・デズモモンド)はTechCrunchで8年間にわたってカンファレンスを組織してきた経験を生かしていく。TechCrunchと親会社のVerizon Mediaは多くの面で重要な援助を与えてくれた。私が視覚障がい者コミュニティとの関連を深めたのは妻であるJoan Desmond(ジョーン・デズモンド)が法的に視覚障害者であることに大きく負っている。

スポンサーからの協賛金およびチケットの売り上げはシリコンバレーで75年前から視覚障がい者のために活動してきたNPOであるVista Center for the Blind and Visually Impairedの収入となる。Vista CenterはSight Tech Globaイベントの主催者であると同時に同団体の執行理事長であるKarae Lisle(カレー・ライル)氏がイベントの実行委員長を務める。我々はプログラムの企画と運営にあたって経験豊富なボランティアチームを編成しており12月の2日と3日は濃密な意義ある時間となるはずだ。

我々は様々な形でのスポンサーを歓迎しており、ブランドサポートからコンテンツ提案に至るまで様々な協賛のオプションがある。関心がある場合は次のアドレスにメールされたい。

sponsor@sighttechglobal.com

カンファレンスは現在企画の途中であり、ここ数週間のうちに講演者、セッションがさらに具体化される予定だ。プログラミング委員会にはBenetech / TechMattersのJim Fruchterman(ジム・フルクターマン)氏、Verizon MediaのLarry Goldberg(ラリー・ゴールドバーグ)氏、FacebookのMatt King(マット・キング)、UC Santa CruzのRoberto Manduchi(ロバート・マンドゥキ教授)が加わっている。提案、意見などあれば、info@sighttechglobal.comまで。

質問やプロモーションへの協力のアイディアについても info@sighttechglobal.comへのメールをお願いしている。

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