ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下SIE)は、9月10日に発売するロボットトイ「toio(トイオ)」向けの新タイトル「おんがくであそぼう ピコトンズ」(以下、ピコトンズ)のメディア向けオンライン説明会を実施した。
「toio」は、白いロボット2体とデジタルとコントーローラーをプラットフォームに、様々な遊びを可能とする電子玩具。同社のPlayStationなどと同じように、本体とソフトという構成にわかれており、様々なソフトによって色々な遊びが可能となる。
開発を担当したSIEの中山氏は、「『toio』には開発当初から普遍のコンセプトがある」と語る。それが「つくって、あそんで、ひらめいて。」だ。これまで5本のタイトルがリリースされているが、どの製品の開発においても、このコンセプトに基づいて作られている。
今回の企画を開始するにあたり考えたのは、これまで踏み込めていなかった芸術の分野だった。中でも音楽は、”作る”、“ひらめく”というものとしても良い題材である。「toio」の創業メンバーの3名は、元々趣味で楽器をたしなんでいたということもあり、企画の検討が開始されたそうだ。
企画がスタートしたのは、昨年の5月頃だという。その当時に、映像作家でもあるキッチンの横田将士氏と河島知都氏を知人から紹介してもらった。また、キッチン経由で作曲家の烏田晴奈氏も合流。SIEの中山氏を含めた4名で企画検討を始めている。
写真左から、ディレクション・企画開発のキッチン 横田将士氏と河島知都氏、そして音楽監修を務めた烏田晴奈氏
クラシカルと電子的な演奏、そしてコンピューターならではの作曲手法を融合
「toio」のコンセプトである「つくって、あそんで、ひらめいて。」は、音楽に置き換えると「演奏」、「作曲」、「発表」になる。こうした体験を、子供たちに何度もループしてもらうとともに、大切にしたのが「どのような音楽の原体験を子供たちに与えることができるか?」であった。
今の子供たちが耳にするヒット曲の多くは、昔の人が聴いていた生楽器の演奏だけではない。DTMやDAWなどと呼ばれる、コンピューターを使った作曲やボーカロイドが歌っているような曲も、普通にヒットチャートにランクインしてきている。
そこで「ピコトンズ」では、クラシカルな弾けば鳴るといった楽器を主体とした演奏と、電子的な演奏、コンピューターならではの新しい作曲手法を取り入れたツールになることを目的にしている。
コンピューターで制御することの利点としては、あまり音楽が得意ではない、あるいは幼いためリズムも上手く叩くことができないといった子供たちでも、音楽が楽しめるように機能や仕組みが導入されているのだ。
キャラクターとゲームで遊びながら音楽の3大要素を学び、複数の楽器で直感的に演奏して本格的な作曲を体験。そして、曲を書き出せるようにすることで創作意欲を強めるという3つの要素が特徴となっている。
ピコトンズ」に同梱されているもの。ソフトウェアが入った「カートリッジ」は、これまでひとつしか付属していなかった。しかし、今回は「えんそう」マットで使用するものと、「プレイブック」で使うもので分けている。
キャラクターと一緒に「プレイブック」を読み進めながら音楽の基礎を学習
「ピコトンズ」の3大特徴のひとつ目は、キャラクターとゲームで遊びながら音楽の3大要素であるリズム、メロディー。ハーモニーを学ぶだ。こちらは、プレイブックがマンガ仕立てになっており、それをクリアしていくことで徐々に音に親しみを持つようになり、リズム、メロディー、ハーモニーを順番に学んでいけるようになっている。
プロデューサー役のキャラクターとなっている、赤い「Mr.コンソール」は、「プレイブック」のナビゲーター役も果たしている。それだけではなく、プレーヤーを励ましてくれたり説明してくれたりもして、飽きずに楽しめるようになっているのだ。
フィギュアのAくんとBくんは、プレーヤーと同じ音楽の初心者という設定である。この3人のキャラクターと一緒に、音楽の冒険をしていこうというストーリーになっているのである。
直感的に操作ができるのも「ピコトンズ」ならではの特徴だ。左側の赤いキャラクターが「Mr.コンソール」で、右側の2体のキャラクターがAくんとBくんである
この「プレイブック」を通して音楽を体験していくことで、飽きずにいつのまにか音楽の基礎が身につくように作られているのだ。たとえば、メロディーの項目の場合、ページ内の下部に鍵盤が表示されている。基本的には、こうした部分に直接キューブをタッチしたりスライドさせたりすることで音が鳴るようになっている。
また、ギターなどの場合はハーモニーやコードの演奏がタッチだけでできるといった感じだ。
2020-08-28 23:01:21