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ID確認ソフトウェアのBerbixが9億円調達、新型コロナで需要増

Airbnb Trust and Safetyの前メンバーが創業したID確認のスタートアップであるBerbix(バービックス)は8月27日、MayfieldがリードしたシリーズAラウンドで900万ドル(約9億円)を調達したと発表した。Initialized Capital、 Y Combinator、Fika Venturesといった既存投資家も本ラウンドに参加した。

2018年創業のBerbixは企業のユーザーID確認をサポートしている。特に大麻産業を相手としているが、もちろんこの産業だけに限定しているわけではない。オンラインサービスがIDをスキャンして認証できるようにするBerbixのサービス統合はいくつかのラインズ・オブ・コードで済む。そうした点においては、たとえばStripe(ストライプ)のような決済サービスと大した違いはない。価格設定は月99ドル(約1万円)からで、100件のIDチェックができる。デベロッパーはスタンダードのIDチェック(基本件数を超えるとチェック1件あたり0.99ドル=約100円)、追加でセルフィーやライブネスチェックを選べる。ライブネスチェックは写真を表示してシステムを騙そうとしていないことを確かめるためにユーザーに感情を表すよう、あるいは頭を動かすように尋ねるものだ。

新型コロナウイルスに感染拡大とID確認はあまり関係がないと思うかもしれないが、Berbixのソリューションに対する需要は実際には増大している。というのも、対面でのID確認が難しいものになっているからだ。BerbixのCEOで共同創業者のSteve Kirkham(スティーブ・カークハム)氏は、同社が1年前まで1カ月でこなしていたID確認の件数を今では1日で処理していると話す。

「従来型のIDチェックが対面で行えなくなり、組織は無数のチェックを行うためにオンラインに移行せざるをえなくなった」と声明文で述べた。「1つの例が貧困から脱却する家族の取り組みに資金を提供する非営利団体のFamily Independence Initiative(ファミリー・インディペンス・イニシアチブ)だ。当社のソフトウェアで同団体は詐欺目的の申し込みを排除し、新型コロナで経済的影響を被っている家族にフォーカスできている」

もう1人の共同創業者Eric Levine(エリック・レヴィン)氏は、同社が新たに調達した資金をチームの拡充、特にプロダクトとセールス部門の人員の増加に使うと話した。同氏はまた、ローカリゼーションとサービスのテック基盤に重点的に投資しているとも述べた。加えて、新たなタイプの詐欺を検知する技術にも投資している。結局のところ、詐欺がなくなることはない。