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着々と開発が進む、アップルの空間オーディオとSR技術

先週アップルの新製品イベントが、オンラインで開催された。

新型iPadなどが発表されるとともに、翌日からiOS 14のダウンロード提供も開始した。また、AirPods/AirPods Proのファームウェアアップデートも実施され、多くの人がアップルの空間オーディオ(Spatial Audio)を楽しんでいることだろう。

これに関連して、先週は海外メディアのApple InsiderとPatently Appleがアップルが空間オーディオ向けのファイルフォーマットに関する特許出願を行ったと報じた。これらの記事からそれがどういうものかをレポートしたいと思う。

両方ともに同じ特許について述べているのだが、それは米国特許20200288258号(FILE FORMAT FOR SPATIAL AUDIO)である。

3Dオーディオ用のファイルフォーマットをアップルが開発?

要約するとSRアプリケーションのための3Dオーディオ情報をメタデータとして加えたファイルフォーマットに関する特許ということになる。ここでSRという言葉が出てきているが、これはアップルの用語でVR/AR/MRを総称したSR(模擬現実 - Simulated Reality)を意味する言葉で、たまに日本のメディアにも登場するSR(代替現実 - Substituted Reality)ではない。

ここでアップルはそのフォーマットはどのようにオーディオデータがエンコードされたかだけではなく、SR環境のリスナーがどのように体験するかについても情報付加されていると強調している。

ここでもうひとつ明確にしておくと、アップルの空間オーディオはいまのところ特別なファイルフォーマットを必要とはしていない。標準的なドルビーアトモスなどのサラウンド音源から、アップル独自のデジタル処理/センサー情報によって、2chのスピーカーやイヤホンで再現可能な立体感を加えた音像を作るものだ。

ポータブル環境では体も機器の位置も動く

それでは、既存の課題とは何だろうか? 従来フォーマットは映画館など、スピーカー位置が固定した場所を前提としているということのようだ。アップルは、従来フォーマットでは、様々な種類の音源を動的なSR環境に組み込む統一された方法がないことが難点だと指摘している。

WWDC 2020で触れられたが、アップルの空間オーディオは、スピーカー(イヤホン)およびリスナーの両方の移動を考慮している点がポイントだ。となると、新しいフォーマットがないと、SRアプリの開発者もリスナーが動いた時にどう聞こえるかをシミュレートする方法がないことになる(どちらかというとこれが一番のポイントになるように思える)。

おそらくアップルは、その標準化を狙っていると推測されている。

ファイルフォーマットなので、最終的にはMP3やMP4といったファイルフォーマットに落とし込まれると思うが、特許の話なので実際の製品にどう生かされるか以前に、そもそも製品に適用されるか自体がわからない。

製品への応用例のひとつには、発売が噂されている「Apple Glass」が考えられる。もちろんAirPods Proなどでも、SRアプリを使って流行りのASMRコンテンツを再生するといった応用方法があるかもしれない。こうした特許から先の製品について思いを巡らせるのもまた興味深いことだ。