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OPPO初の完全ワイヤレスイヤホン「Enco」レビュー - ノイキャン搭載で1万円台、実力も上々

コスパに優れたスマートフォンを立て続けに発表しているOPPOが、完全ワイヤレスイヤホンのシリーズ展開を開始しました。その名は「Enco(アンコー)」、第1弾はアクティブノイズキャンセリング機能搭載の「W51」と、カナルタイプの「W11」という2モデルです。果たしてその実力やいかに?

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○Encoの2モデル、ココが同じでココが違う

OPPOはスマートフォンで知られたメーカー。直近では、auから「Find X2 Pro」、ソフトバンクから「Reno3 5G」という5G対応スマートフォンを発売しましたが、同じタイミングで完全ワイヤレスイヤホン(2モデル)を投入してきました。対応コーデックは両者ともAACとSBCで、税込価格はW51が15,800円、W11が5,800円です。機能差はありつつも共通項がある兄弟機といえる関係ですが、価格以外に決定的な違いが3つあります。

1つは、ノイズ低減機能の有無。W51には、片側3基の小型マイクとデュアルコアチップによる演算で得た逆位相の音波によって、ノイズを減衰させる「アクティブノイズキャンセリング(ANC)」機能が搭載されています。最大35デシベルもの雑音を減らせるとのことですから、期待できそうです。

もう1つは、イヤホンのデザイン。W51は軸(ステム)が外に突き出るタイプで、W11は一般的などんぐり型です。ドライバ径はW51が7mmでW11は8mm、ステムはW51が楕円でW11は真円と、音に関わる部分の設計もだいぶ異なります。カラーバリエーションも、W51はフローラルホワイトとスターリーブラックの2色展開ですが、W11はホワイトのみです。

充電ケースのデザインはW51が四角、W11が楕円と大きく異なります。W51の充電ケースはQi方式のワイヤレス充電にも対応しますが(充電パッドは別売)、W11はUSB Type-Cケーブルによる充電のみです。

一方、完全ワイヤレスイヤホンの根幹部分ともいえる音声信号の伝送については、両モデルとも「左右同時伝送」をサポートします。一般的に完全ワイヤレスイヤホンでは、左右どちらかにLR両チャンネルの信号をまとめて送信し、そこから片チャンネル分をもう一方へ伝送するリレー型式でステレオ再生を実現しますが、W51とW11はLR両チャンネルを左右で同時に受信できます。これにより音途切れが減るだけでなく、左右間のバッテリー消費量の偏りもなくなるため、再生時間が延びるというメリットも得られます。

○シンプルでムダがない、誰でも似合う完全ワイヤレス

Enco W51とW11には、OPPO製スマートフォンと組み合わせたときだけに利用できる機能があります。タッチセンサーのアサイン(たとえば左イヤホンを2回タップでアクティブノイズキャンセルをオンオフ)などのカスタマイズが可能になりますが、ここでは一般的なスマートフォンとの組み合わせで検証してみます。W51・W11を接続するのはiPhone 11、音源にはストリーミングサービスのAmazon Music HDを利用しました。

まずは装着感から。W51・W11ともカナル型ですが、ドライバ径の違い(W51はφ7mm、W11はφ8mm)が影響しているのか、W11に比べW51のハウジングは一回り小さく耳穴に収まりやすい印象です。W11はイヤーピースを耳穴に軽くひねるようにして挿し込み安定させますが、耳が小さい人にはキツいかも(男性の筆者でギリギリ)……というサイズ。挿し込みが足りないと低音がスカスカになるだけでなく、落下・紛失にもつながりますから、W11の価格帯であれば、もっと万人受けするサイズと耳にフィットする形状のほうが好ましく思えます。

全体の質感は上々。ケース・イヤホン本体ともに表面は光沢仕上げのため、特にW51のフローラルホワイトは某A社の完全ワイヤレスイヤホンを連想してしまいますが、ロゴなどの装飾はなくシンプルでムダがありません。ハウジングのフェイスプレート部分には鏡面仕上げのシールが貼られており、それが上質感を醸し出します。W11も性別や服を選ばないシンプルなデザインで使い勝手はいいものの、W51に感じる「少しラグジュアリー」なところはありません。
○音の途切れは少なく、音質も上々

接続性・音途切れの少なさはかなりのレベル。装着後に耳全体を手で覆っても、そう簡単には音楽が途切れません。屋外へ持ち出してみても、駅の改札やホームなど人の往来が多い場所でもプツプツ切れることはなく(コロナ前のような混み具合ではありませんが)、安定して音楽が再生され続けます。この点は、左右同時伝送を採用したメリットといえるでしょう。

音質についても好印象。振動板はW51がグラフェンコーティング、W11がチタンコーティングと、W51のほうが硬度は上ですが(グラフェンはダイヤモンド以上の硬度とされます)、W51はφ8mmと完全ワイヤレスイヤホンにしては大きめなところもあり、低域のドライブ感・量感をしっかり表現できています。音のキレもよく、スネアアタックは自然に収束し、ギターのアルペジオも適度にほぐれます。

おそらく共通のBluetooth SoC(通信機能+DAC+アンプ)を採用しているからか、W51のサウンドキャラクターもW11と同じ傾向ですが、グラフェンコートが影響してか、音像がより明瞭に、緻密に感じられます。ハウジングが小さく適切に装着しやすいこともあり、聴き比べればW51に軍配を上げる人が多いのではないでしょうか。

W51だけに用意されるアクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)機能は、なかなかの効果です。デフォルトで有効にされているため、装着するやいなや、部屋のエアコン送風音が、近くを走る自動車のロードノイズが、すっと姿を消します。人間の話し声が消えることはないものの、現実より数メートル遠くから聞こえるような印象に変わります。ANCは左イヤホンのダブルタップでオンオフできるため(ただしアナウンスは英語)、状況に応じて気軽に使い分けられるところもポイントです。

全体の印象ですが、W11・W51ともに質感がよく、イヤホン本体・充電ケースはもちろん、パッケージまでしっかりデザインされていることに改めて感じ入りました。しっかりというよりはむしろ寸分の隙も感じられないほどで、これぞ深センのモノづくりの最先端、という印象です。

イヤホンそのものについていえば、細部まで合理的な判断をしていると感じました。どのBluetooth SoCを採用したかは公表されていませんが、対応するオーディオコーデックは少ないものの、左右同時伝送型のチップを選んだことは、音途切れ防止と連続再生時間向上を意識してのことと考えられます。W51に4サイズのイヤーピースを同梱したことは、ノイズキャンセリングで重要なパッシブ性能を考慮してのことでしょうし、ワイヤレス充電のサポートも忘れていません。

とはいえ、W51に外音取り込み機能が用意されなかったことは惜しまれます。基本的にはOPPOスマートフォンユーザ向けの製品だとしても、Android OS・iOSユーザ向けにノイズキャンセリングのレベル調整や音質調整(EQ機能)を備えたアプリを提供してもいいのでは、という気もします。

タッチセンサーの反応がやや過敏なところも気になりました。W51・W11とも、装着位置を調整しようと少し触れただけで音楽が止まってしまう、Siriなどの音声アシスタントが反応してしまう、といった現象が度々発生するのはストレスです。

そしてやはり、インパクトが大きかったのはプライシング。特にW51の場合、アクティブ・ノイズキャンセリング搭載で1万円台半ばですから、コストパフォーマンスという点ではかなりの水準。ノイキャン完全ワイヤレスが欲しいけれど予算が……という向きにはいい選択肢となるはずです。