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インテル焦ってる?新型iPad Air自社製プロセッサの凄さと時代の変化

去る9月15日、「Apple Special Event」でAppleが2020新製品を発表。iPhoneファンが期待していた新製品の発表はなく、落胆の声も聞こえてきましたが、世界的エンジニアの中島聡さんは「とても良いイベントだった」と評価しています。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では、Appleが新型iPad Airに搭載した自社製プロセッサーが、業界の巨人Intel製を凌ぐものであることに注目。時代の変化の兆しを伝えています。

iPad Air

先週、Appleがイベントで新型Apple Watchと新型iPad Airを発表しました。新型iPhoneの発表が無かったことにがっかりした人も多いようですが、とても良いイベントだったと思います。

Apple Watchに関しては、目玉は血中の酸素量を測るセンサーの導入で、AppleがApple Watchを使った「健康モニタリング・ビジネス」に本気を出している事が良く分かります。これから、毎年のように「Apple Watchのおかげで健康でいられる」と感じる人が増えて行くだろうことを考えると、このビジネスのポテンシャルはとてつもなく大きいと思います。

少し前に、Apple Watchのビジネスの大きさが、スイスの時計業界全体を上回ったという記事を紹介しましたが(The Apple Watch outsold the entire Swiss watch industry in 2019)、伸び代はまだまだあるのです。

しかし、今回の発表でもっとも注目すべきなのは、iPad Airに搭載されたA14 Bionicチップです。5nmのプロセス(チップ上のトランジスタやそれらを繋ぐ線が5nmの精度で描かれているという意味です)で作られた強力なGPUと機械学習エンジンを搭載した6core CPUのプロセッサは、ノートパソコンのプロセッサとしても十分に通用するプロセッサです。

業界のリーダーであるはずのIntelが7nmへのシフトに手こずっている合間に(Intel’s 7nm is Broken,Company Announces Delay Until 2022, 2023)、ファブレス(自社工場を持たない)なAppleが5nmへのシフトで先に行ってしまうというのが、今の業界に起こりつつある変化を良く表しています。

Appleは、今年になって、MacのプロセッサーもIntel製のものから自社製のものに切り替えると発表しましたが、その理由はここにあります。Appleは自社製のプロセッサーに切り替えることにより、より速いスピードでMacを進化させる事が可能になるのです。

ここ数年のMacとiPhone/iPadの進化のスピードを見ると、違いが明らかです。iPhone/iPadは毎年のように30~40%性能を向上させて来ましたが、Macの変化はわずかです(私の開発マシンは、2016年に発売されたMacBook Proです)。Appleは自社製のプロセッサーに切り替えることにより、Macの性能向上のスピードを加速する事が可能になるのです。

つまり、「自社工場を持つ」というIntelの優位性は既に失われており、Apple、Tesla、Amazon、Googleなどのチップ屋さん(プロセッサーメーカー)の大手の顧客が、自らのニーズに合わせてプロセッサーを設計する時代に移行しつつあるのです。数年前までは、Intelの最大のライバルはAMDやQualcommだと考えられていましたが、「必要なプロセッサーはチップ屋さんから購入する」という前提そのものが崩れ始めているのです。

とは言え、自社製プロセッサを作れるほどの資金力・技術力・ビジネスの規模を持った会社は数えるほどしかいないので、チップ屋さんのビジネスが消滅するとは思いませんが、この手のカスタムチップの市場規模が無視できないところまで増えていることは、強く意識しておくべきです。

ちなみに、このイベントと同時に、iPhone向けのiOS14がリリースされたので、早速、指の動きを認識するAPIなどを試しています。Appleが機械学習に力を入れ始めたのは、わずか数年前ですが、そこからの進歩には本当に驚かされます。

巷では、エッジ・コンピューティング(サーバーではなく、端末側で画像認識・動画処理などの重い処理を行ってしまうこと)が話題ですが、iPhone/iPadが私たちの身の回りにあるもっとも強力なエッジ・コンピューティング・デバイスであることは明らかです。