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アップルが「5G」を頑張るとキャリアが儲かる理由──iPhone 12で全モデル対応(石川温)

毎度のこと、事前のネット情報通りだったアップルのスペシャルイベント 。しかし、オンライン開催になったことで、見やすく、リアル開催に匹敵するほどのワクワクする内容だったような気がする。

個人的にはアップル社内には50もの電波暗室があり、世界トップレベルの電波暗室からのプレゼンがとても印象的で胸熱であった。

今回のイベントはアップルがやたらと5G推しでプレゼンをしていたように感じた。

アップルではiPhoneを5Gに対応させるにあたり、ハードウェアにおいては5Gアンテナと無線部分をカスタムに設計してシステム全体で最適に機能するようにした。1つの携帯電話としては最多の5G周波数帯に対応しているという。さらにアプリケーションからファームウェアまでソフトウェアスタック全体の分析を行い、5Gの速度を最大限に活かすようにしているという。

アップルの強みはシリコンからハードウェア、ソフトウェアまで、ほとんどの部分を自社開発し、垂直統合モデルでiPhoneを開発できる点にある。

さらに今回、アップルでは世界100以上のキャリアと5Gのテストを完了したアピール。キャリアと二人三脚でユーザーに対して最高の5G体験を提供しようという意気込みが感じられた。

アップルとしてはキャリアとネットワークのテストを行うことで、Androidスマホよりも安定かつ高速で5Gネットワークを使えるようにすることができるはずだ。

Androidスマホと戦っていく中で「5Gネットワークで最も速度が出るスマホはiPhone」という評価を勝ち取ることも不可能ではない。

プレゼンでは世界にあるキャリアのロゴが披露されたのだが、15社のうちなんと、3社が日本のキャリア(もちろん、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)だった。残念ながら楽天モバイルは影も形もなかった。

「日本の5Gは世界から大きく遅れている」と指摘されているのだが、アップルにとってみれば、この3社は5G展開における重要なパートナーなのだろう。

キャリア代表としてはアメリカのキャリアであるベライゾンのハンス・ヴェストバーグCEOが登壇し、「多くの人が様子見だった5Gが、iPhoneによって現実のものになる」と宣言。すでにミリ波で展開しているエリアを倍増させるだけでなく、年内には新たに60の都市にもミリ波を広げる。さらに全米1800以上の都市に拡大し、2億人以上が5Gを使えるようにするという。ハンスCEOは「アメリカが待ち望んだ5Gに、ようやくiPhoneが対応した。これで5Gのピースが全て揃った」とまで言い切った。

ベライゾンは2019年4月に5Gサービスをスタートさせているが、やはり本命であるiPhoneが5Gに対応したことで、一気にエリア展開を拡大していくのだろう。端末とエリアという両輪が回らないことには5Gユーザーは増えることはない。

おそらく、日本のキャリアも同じことを考えているのではないか。

ソフトバンクの宮内謙社長は8月の決算会見で「秋から5G祭りが始まる」と宣言し、KDDIの高橋誠社長は5Gスマホの発表会で「みんなの5Gスマホ」と銘打ち、もはや5Gは当たり前の存在にしようとしている。

日本のスマホユーザーの約半分はiPhoneユーザーだ。5Gに興味はなくても、iPhone 12シリーズに機種変更すれば、おまけのように5Gがついてくる。

iPhoneが5Gに対応したことで、対応端末が一気に街中に普及するだろうし、キャリアとしても、5Gのネットワーク競争に本腰を入れてくるはずだ。

まさにアップルとキャリアは持ちつ持たれつの関係だ。キャリアはiPhoneを大量に売ってくれるパートナーであるし、キャリアにとってみればiPhoneユーザーはデータを大量に消費してくれる優良顧客といえる。

iPhoneがキャリアの5Gネットワークにしっかりとチューニングされていれば、これまで以上にユーザーは大量にデータを消費してくれることだろう。使い放題のプラン契約者が増えれば、それだけキャリアは儲かるようになる。

これまでも蜜月関係であったが、5G時代はさらにキャリアとアップルの持ちつ持たれつの関係が深まっていくのかも知れない。