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iPhone12とHomePod miniの「超広帯域無線」で何ができるのか

AppleはiPhone11に続いてiPhone12も超広帯域無線(UBW)に対応させました。さらにHomePod mini、Apple Watch Series 6でも超広帯域無線に対応していると発表されており、これらを組み合わせて何ができるようになるのでしょうか。

空間認識、距離判別

超広帯域無線(UWB)はごく近距離のデバイス間で高周波の電波を用いて通信する技術です(主にデバイス間の距離測定に使われています)。通常あまり使わない周波数帯域の電波を利用するため、広い帯域を占有して使用できるメリットがあります。帯域の使用は極めて短時間に限られており、通信が干渉する心配もないとされます。

この超広帯域無線がiPhone11に続いてiPhone12シリーズ、HomePod mini、Apple Watch Series 6にも搭載されます。AppleはiPhone11でこの技術が使えるようになった時、発表イベントでAirDopでファイルを転送する相手の優先順位決定に使われるとだけ説明していましたが、HomePodやApple Watchでも使えるようになったことで利用シーンはさらに広がりそうです。

スマートホーム、スポーツ、探し物

HomePod miniに搭載された超広帯域無線で、ユーザー(の持っているiPhoneやApple Watch)とHomePod mini間の距離を正確にリアルタイムで測定できます。これによってユーザーがどの部屋にいるかが判別でき、「照明をつけて」とSiriに指示するだけで、ユーザーのいる部屋の照明をつけるといったことが可能になります。

またApple Watchで超広帯域無線を使えば、加速度センサーと組み合わせてより高度な動作解析が可能になるでしょう。ゴルフのスイングや野球などの投球フォーム、テニスのサーブなどのフォームを正確に分析できれば、競技技術の向上にも役に立ちそうです。

そしてまもなく発表されると噂されている紛失防止タグ「AirTag」でも超広帯域無線が使えるようになるとされます。そうなれば正確に紛失物の位置を特定でき、AR上に紛失物の位置を正確に表示することも可能になるでしょう。

iPhoneやHomePod、Apple Watchでの超広帯域無線利用は現時点でまだまだ発展途上ですが、今後の用途拡大には大いに期待できると思われます。