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コンパクトになっただけじゃない 「iOS 14のSiri」の進化を検証してみた

iOS 14では、Siriに関するアップデートも多い。UI(ユーザーインタフェース)がコンパクトになっただけでないので、あらためてSiriの進化点をチェックしていきたい。

UIがコンパクトになった
まず、象徴的な変化をおさらいしておくと、SiriのUIがコンパクトになった。従来はSiriが音になると、画面全体がSiriの表示に切り替わってしまったが、iOS 14では、画面下部にアイコンが表示されるだけで、大部分の画面表示を維持したままSiriを利用できる。検索結果などが表示される部分も、バナー状の通知と同じように、画面上部に枠で表示される。

ちなみに、全画面表示ではなくなったことで、従来「例えばこのように訪ねてください:~」と表示されたチュートリアルは現れなくなっている。既にiOSに慣れている人ならば問題ないが、初心者は戸惑うかもしれないので注意したい。

オーディオメッセージの送信が可能に
「メッセージ」アプリ経由での、オーディオメッセージ送信がSiriから行えるようになった。「~(連絡先に登録してある人の名前)にオーディオメッセージを送る」のように指示しよう。「はい、録音します…」とSiriが反応したら、音声を録音する。録音が終了すると、音声データのプレビューとともに「送信」か「キャンセル」を選択できる画面が表示される。オーディオメッセージの利用になじみがない人も多いだろうが、テキスト入力が面倒な場面では、こうした機能は便利だ。

ちなみに、SiriKitを通じて、サードパーティー製アプリでも、Siri経由でオーディオメッセージの送信に対応できるようになるとのこと。試しに「LINE」(ver.10.16.1)で試してみたが、こちらはまだ対応していなかった。

一部翻訳言語に追加対応とあるが、今のところ大きな変化なし
iOS 14の機能を紹介する公式ページには、Siriの翻訳対応言語が増えたとある。日本語の翻訳に対応する言語としては、英語、北京語、韓国語の3言語が記載されている。日英の変換はiOS 12で対応していたし、iOS 13でも中国語(北京語)は対応していた。新たに追加されるのは、恐らく韓国語だろう。

しかし、執筆時点で検証したところ、日本語から韓国語へSiri経由で翻訳しようとしたら「その言語にはまだ翻訳できません」と表示されてしまった。恐らく今後のバージョンアップで対応するのだろう。

 もちろん、既に対応している英語や北京語への翻訳機能は相変わらず便利だ。Siriの翻訳機能は、翻訳アプリのそれと違い、オンライン環境でないと使えない制限はあるが、インターナショナルなコミュニケーションの際には心強い存在となると思うので、ぜひ覚えておきたい。

自転車での経路検索は日本では未対応
Siriを使って自転車での経路検索もできるようになった。しかし、マップアプリの自転車での経路検索は、日本ではまだ対応しているエリアがないため、残念ながら日本では同機能をSiriから利用することはできない。今後に期待だ。

新しい声に対応とあるが判断つかず
Appleは2019年のWWDCで「Neural TTS(ニューラルテキスト読み上げ)」とよぶ音声エンジン技術の開発を発表し、iOS 13の段階で米国英語から対応していた。実際に、翻訳した文章を英語で読み上げさせると、既に違和感のない音声で再生されるのが分かる。

これがiOS 14では、より多くの言語に対応するとある。一応日本語も含まれているのだが、現時点で筆者がiOS 13搭載のデバイスと比較した限りでは、さほど差があるとは認識できていない。iOS 13で既にNeural TTSに日本語が対応していたか、あるいはiOS 14でこれから対応するという可能性も考えられるが、公式ページに公開された情報では確認できなかった。

到着経路の共有が可能
マップのナビゲーションを利用している際に、連絡先に登録している相手に到着予定時刻を共有できる機能がSiri経由で使えるようになった。なお、共有相手には、自身のApple IDのユーザー名とメールアドレスも共有されることを理解しておこう。

Webの検索機能の進化具合は不明
なお、新機能として紹介されている項目には、「Siriの知識が大幅に増え、3年前と比べて20倍になった」「Siriがインターネットのあらゆる部分から情報を引き出し、さらに幅広い質問に答える」というものもある。しかし、検証してみたかったものの、筆者が試した範囲では、具体的にどんな差があるのかは分からなかった。