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高機能マスク、アジア各国で登場 8か国語翻訳やバイタル測定も

日本の新興企業ドーナッツロボティクスが開発したマスク「C-FACE」で、発言内容を相手のスマートフォンに転送する機能を実演する、同社の小野泰助社長(奥、2020年9月29日撮影)。

【AFP=時事】新型コロナウイルスの流行でマスク着用の習慣が広まる中、血圧や心拍数の測定から空気清浄、さらには会話の翻訳まで、さまざまな高機能が搭載されたマスクが登場している。

中でも特に目を引くのは、日本の新興企業ドーナッツロボティクスが開発したマスク「C-FACE」だ。ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を支援するコミュニケーション装置であり、翻訳機としても機能する。

C-FACEを装着するとアプリを通じて、発言内容を相手のスマートフォンに転送できる。直線距離で最大10メートル離れた状態で会話ができる。例えば医師と患者など、距離を保って会話をしたい人たちにすぐに役立つだろうと同社は説明する。

さらにC-FACEは、発言内容を英語や韓国語など8か国語に翻訳が可能だ。ただし、新型ウイルスそのものに対する防御機能はなく、市販のマスクの上から装着するデザインで、来年2月に約4000円で発売を予定している。

■バイタルサイン測定はマスクで

シンガポールでは、医療従事者を新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者から保護することを目的としたマスク型装置が開発されている。患者の体温、心拍数、血圧、血中酸素濃度を監視するセンサーが搭載され、データはブルートゥース経由でスマートフォンに転送できる。

開発チームの科学者の一人、ロ・シャン・ジュン氏は、「最前線の医療従事者の多くは、バイタルサイン(生命兆候)を測定する際に患者と接触し、健康リスクにさらされる。そうしたリスクを減らしたいと考えた」と語った。近々、実証実験を経て販売される予定だ。

シンガポールでは今回、移民労働者が密集して住む宿舎で多数の集団感染が発生した。この装置はそうした労働者らのバイタルサイン測定にも使用できると開発者らは期待する。

■空気清浄機能付きマスク

一方、韓国のLGエレクトロニクスは、スモッグが充満する都市で大気汚染と闘う人たち向けに、空気清浄機能付きマスクを開発した。口、鼻、顎をぴたりと覆う未来的な白い装置で、両側にフィルターと、空気の取り込みを助けるファンが備わっている。

フィルターは同社の家庭用空気清浄機で使用されているものに近く、有害な粒子を99.95%遮断できるという。LGエレクトロニクスによると、すでに数千個が医療従事者に配布され、将来的には一般販売も予定している。