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Apple、電源管理IC不足でiPhone12が十分に生産できなくなる?

iPhone12シリーズでは、深度カメラ搭載や5G対応などで電源管理IC(PMIC)の重要性がさらに高まっていますが、AppleはPMIC不足に直面しており、今年のホリデーシーズンに向けた新型iPhone出荷に影響が出る可能性がある、とBloombergが報じています。

COVID-19の影響と中国企業によるパーツの買い溜めでパーツ不足に

iPhone12シリーズが発売となる2020年第4四半期(10月〜12月)に、PMIC不足がどれほどiPhone生産に影響を与えるかは今のところ定かでありませんが、「Appleは他社よりもパーツの優先供給を受けるはずだ」と匿名の情報提供者らはコメントしています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による貿易制限とサプライチェーンの混乱がPMIC不足の主な原因であるとのことです。また、米国のHuaweiへの制裁を垣間見た中国企業が余分に部品を溜め込んでいるのもパーツ不足に拍車をかけているようです。

今年始めの各国のロックダウン政策、輸送ルートの遮断、工場での人員削減の影響は、次の2四半期は続く見通しです。

iPhone12においてより重要な位置を占める電源管理IC

追加のカメラ機能や5G対応により、PMICはiPhone12シリーズにおいてこれまでよりも重要な位置を占めており、Appleのパーツ需要もそれに応じて高まっています。

デバイス分解で知られるiFixitがiPhone12 Proの分解を試みたところ、同モデルにはTexas Instrument製のカメラシステムの電源管理IC、STMicroelectronics製の同様のチップ、5GモデムのためのQualcomm製チップが搭載されているのが判明しています。

また、Apple製のPMICも見かけられました。Appleは2018年にPMICの内製化のためDialogと600億ドル規模の交渉を行ったと報じられていました。

PMIC不足により、各国のiPhone12供給にどのような影響が出るかは不明ですが、中国で重要な時期にチャンスを逃してしまうかもしれない、と危惧する声が投資家たちから聞かれています。

米国では、公式オンラインストアでのiPhone12 Proの注文は11月終わり〜12月始めまで到着しないと示されていますが、今のところ標準モデルであるiPhone12の出荷に遅れはないようです。