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TikTokが教育的なハウツービデオの制作・視聴を増やす取り組みを展開

ハウツービデオはYouTube(ユーチューブ)で長年にわたって最も人気のコンテンツだ。そしていま、利用やユーザーを増やすために、新興ビデオアプリTikTok(ティックトック)も行動に出る。

今夏、TikTokはハウツービデオを制作するプレミアムクリエイター向けの専用ハッシュタグ「Learn On TikTok」を立ち上げたが、複数のユーザーとソーシャルメディアウォッチャー(Mattに感謝)が「Learn」という新たなメニューアイテムがあることをレポートしている。

ホームスクリーンのトップにある「For You」と「Following」の横に目立つように位置するLearnについて、TikTokは料理したりアートを制作したり科学のプロセスを説明したりするユーザーが投稿するハウツービデオとお役立ちビデオを見つけられる場所と形容している。

Learnのフィードはひと晩で消えたようだ。それから考えられるのは、まだテストされている段階ということだ。

とにかく、Learnタブの出現はTikTokが#LearnOnTikTokというハッシュタグを通じて教育内容のコンテンツを発見しやすくする新しいキャンペーンの立ち上げと時期を同じくするものだ(TikTokリリース)。

Learn On TikTokコンテンツに関するオリジナルの発表(TikTokリリース)の中で、TikTokは「プラットフォーム上で多く見られる教育的なコンテンツの充実ぶりを探索するもう1つの方法」と記した。ここには、「TikTok上で高品質のコンテンツをいかに制作するかについての知見やツール、ベストプラクティスを提供するクリエイター学習ポータルの構築」が含まれ、Learnタブはそれがどのように作動するかのテストだろう。

こうした取り組みは、教育分野におけるTikTokの最初で唯一の動きではない。

自分を映しながらのオーディエンスが制作した教育ビデオはさておき、TikTokダンスを習ったり、最新の楽曲のミームについて学んだり、コメディ的な災難を視聴したりするのにTikTokはうってつけのプラットフォームだ。同社はただふざけるだけでなく、よりまじめな事を学ぶのに頼れるプラットフォームとしてのイメージを育ててきた。

そして2020年は、そうした動きをこれまで以上に押し進めている。というのも、有害な影響を及ぼしているのではという行政当局の怒り、そして新型コロナウイルスパンデミックで多くの人がスクリーンに向かっているという事態にTikTokは直面しているからだ。

TikTokの取り組みには、さまざまな機関との提携や学生への教育的コンテンツ制作の推奨も含まれる。

また、教育的なビデオを推奨しようとクリエイター基金への5000万ドル(約52億円)の拠出、また国家安全保障の懸念による米国事業の閉鎖を免れるための教育基金50億ドル(約5170億円)の創設なども含まれる。

それから利用を拡充させる動きもあり、その一例としてTikTokを愛する生徒を引きつけようと教師がTikTokを活用している。

本質的には、教育面のさらなる強化はTikTokにとって自然な動きだ。YouTubeなどが示してきたように、ビデオは大きな学習ツールだ。またアプリの若年視聴者につながることができ、これこそが若年世代以外の人がTikTokを使いたがる理由となっている。しかしこれはいくぶん日和見主義的だ。

教育は面目も立つ。インドでの教育的な取り組みの推進はちょうど同社がコンテンツをめぐって批判を受け始めた頃に始まった(しかしそれは役立たず、インドでは現在TikTokは禁止されている)。

一方、米国のCreative Learning Fundと50億ドルの教育基金に関する報道は、TikTokの親会社で中国企業のByteDanceからTikTokが切り離されることも含め、国家安全保障の懸念のために米国ですぐに禁止されることがないようTikTokが策を模索する中で出てきた。

夏に正式に発表されたLearn On TikTokは、TikTokのユーザーが制作するコンテンツに頼っている。陶芸からメークアップのコツ、なんちゃってラテン語の学習、折り紙でのブタの作り方など、ビデオは多種多様だ。

と同時にTikTokは、多くのプレミアムコンテンツにハッシュタグを増やしている。SelfやWWDといったパブリッシャー、職業団体、非営利機関、影響力を持つ個人、科学分野ではBill Nye(ビル・ナイ)やNeil deGrasse Tyson(ニール・ドグラース・タイソン)、シェフのJosé Andrés(ホセ・アンドレ)、Lilly Singh(リリーシン)、Tyra Banks(タイラ・バンクス)と協業しつつ、TikTokは人々のマインドや経験を広げるためにTikTok向けに作られたコンテンツをキュレートし、育成している。

「TikTokと提携することに興奮しています」とナイ氏はディールが発表されたときに述べた。「小さなスクリーン、携帯電話にある本当に小さなスクリーンで科学をやることを楽しみにしています」。

TikTokは多くの機会があるというが、しかしおそらくTikTokや、教えたり学習したりするのにTikTokを使っている人にとって苦労も増えるだろう。