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どこでもサイエンス 第193回 電子メール、Web、SNS、いつからあった?

ネットのいろいろなサービスいつからあったのか、手元にあった本、ウォルター・アイザックソン著「イノベーターズII」(講談社)に詳しくあったのを、日本の事情も加えてまとめてみたパート2でございます。登場から普及まで時間がかかったもの、逆に一瞬で広まったものなどいろいろでございますよ。

メールのオリジナル開発者が描くメールの未来とは - AsiaBSDCon 2009

みなさんこんにちは東明六郎です。前回ご紹介したとおり1971年にはじまった電子メールのスパムの嵐にまみれながら、なかなかSlackやTeamsになじめず使い続けている化石です。電子メールはネットのキラーサービスだったのがよくわかりますな。

ということで、引き続き、ウォルター・アイザックソン著「イノベーターズII」(講談社)におもしろく書いてあるネットサービスを整理して、日本の事情もチョイとくわえてのご紹介の続きでございますよ。前回の分は、表題だけ紹介すると

1969年10月:インターネットの前身ARPANETはじまる
1971年:電子メール登場
1975年:大規模なメーリングリスト登場
1975-1977年:PC登場
1975年・1982年:電話回線へのPCの接続利用
1978年・1979年:BBS(電子掲示板)・ニュースグループ
1981年・1984年:インターネットの元祖CSNET発足。日本ではjunet発足
1982年・1983年 映画「TRON」「ウォー・ゲーム」

でした。ようやく1980年初頭、先はながいなー。
1983年:任天堂ファミコン登場

テレビゲーム機の代名詞といえるファミコンは1983年7月15日に登場しています。据え置き型のテレビゲーム機としては「第三世代」なのだそうで、1977年に登場していた米国のアタリ2600の方が先輩です。じゃあ、なんでここで出したかと言うとですね。ファミコンはネットにつなぐことができたのでございます。1988年に登場した通信アダプタを使って株取引や、後に馬券を買えるようになったんですね。ネットコマースができたわけでございます。ファミコンは、6000万台も売れた(海外ふくむ)ゲーム機ですが、それをベースとしていろんなサービスが立ち上がっていたんですな。
1984年:オンラインコミュニティーサービスWELL登場

上の通り、BBS(電子掲示板)はすでに登場していたわけですし、ニュースグループもあったわけで、同好の士が集まる舞台はできていました。これらを統合し、多様なジャンルごとの情報交流の場、オンラインコミュニティーサービスがこの年に登場しています。ただ、WELLといっても、たぶん古手のネットユーザーもあまりなじみがありませんね。まだしも、その前後に登場したThe Source 1979-1989年)やCompuServeのフォーラムでしょうか。

日本の「パソコン通信」でのアスキーネット(1985-1997年)、PC-VAN(1986-2001年)、ニフティサーブ(1987-2006年)、日経MIX(1987-1997年)、ASCIINETなどのようなジャンルといえば、ある程度の歳の人はわかるかなというところです。これらは大規模なBBSであり、オンラインで新聞記事やデータベースサービスが利用できるものでしたが、人と人が会話するコミュニティーサービスとして隆盛を極めています。その中には、掲示板の他にチャットサービスも登場しています。
1984年・1987年:Apple社のマッキントッシュ登場・HyperCard登場

GUIを全面的にとりいれた一般むけのPC、Apple社のマッキントッシュ、通称Mac(1988年-)この原稿もMacで作成しているんですが、いいたいのはMacがいいとかではなく、このPCの上で作動したHyperCardというソフトです。HyperCardは、いまや空気のようにおなじみの「リンク」でつながるハイパーテキストを具現化した初めてのアプリケーションで、バージョン1は無料でMacに添付されました。ただネットサービスではないですよ。
1985年:マルチプレイヤーのオンラインゲーム登場

オンラインゲームはオンラインコミュニティーサービスの一環として開発されていますね。複数のユーザーがネットの上で同じゲームフィールドを共有して行うゲームということだと、たとえばネット将棋とかネットトランプなどがあります。チャットさえあればゲームは可能でございますな(たとえば、しりとり)。

そこを本格的なものにしたのがIsland of Kesmaiという1985年に登場したオンラインゲームです。米国バージニア大学のジョン・テイラーとケルトン・フリンが開発したもので、これはCompuServeのサービスとしてはじまっています。また、よく年にルーカスアーツのHabitatが登場していますな。こちらはQuantam Linkというパソコン通信サービスの上で動くサービスでした。調べるとホスト負荷が高すぎて(つまり人気だった)2年でサービス終了。なぜか1990年に日本で復活しますが、こちらは不人気で終了しています。
1987年:日本で携帯電話サービスはじまる

項目のみでございます。最初は肩掛け鞄みたいな電話でした。
1991年:ウェブの誕生

物理学の実験を行うスイスのCERNで、ティム・バーナーズ・リーが開発していたオンラインのハイパーテキストシステム、WWWが発表されます。最初はNeXTSTEPの上でしか見られなかったのですが、さまざまなWebブラウザが開発されていき、1993年にはそれまで50台だったWebサーバーが一気に5000台に増えています。日本では、1992年に高エネルギー加速器機構(KEK)の森田洋平博士がWebサーバーを立ち上げています。
1991年:Linuxリリース

UNIX系のオープンソースのオペレーションシステムのLinuxがリリースされます。よくネットサービスを行うサーバーとしてLAMP環境(Linux、Apache、MySQL、PHP)なんて言い方もされるとおり、ネットサービスが劇的に普及する起爆剤となったのは、まちがいなくLinuxのおかげです。もちろん、WebのベースになったNeXTSTEPやネットサーバーとして初期に多用されたSunOS(後にSolaris)なども重要ではありますが、今のネット世界の基盤は、ネットエンジニアをたくさん育てたことも含めLinuxということでよいんじゃないか? と私は思っております。また、スマホOSのAndroidもLinuxベースです。
1993年:グラフィカルなWebブラウザMosaic発表

米国のNCSAに除属したマーク・アンドリーセンが画像も表示できるWebブラウザMosaicを開発、発表します。これがまさにインターネットのキラーアプリになり、Webがインターネットの代名詞となりますな。Mosaicの商用バージョンはNetscape Navigatorとなりこれは、Windows 3.1の上で動作しました。後にこれはMozilla Firefoxへと継承され、現在に至りますな。
1993年:インターネットの商用利用許可、AOLと接続、日本でも接続

それまで研究の世界で接続されていたインターネットですが、商用利用が許可されます。そしてパソコン通信のAOL(アメリカオンライン)がインターネットに接続、インターネットにごく普通の人たちが雪崩れ込むことになります。日本でも日経MIXやニフティサーブなどが次々に接続し、1992年には先行してメールのやりとり、ネットニュースのやりとりから、すぐにウェブ、すなわちホームページの利用へと移行していきます。

一方で日本でも同年にIIJがインターネットの商用接続サービスをはじめ、インターネットが誰でも使えるものにと一気に変化していきます。
1993年:PDF形式発表

そんなに古かったかなあ。
1994年:ポータルサイトYAHOO登場

急速に増えるWeb、そしてネット人口にあわせ、ネットの電話帳が登場します。YAHOOはスタンフォード大学の学生であった楊致遠(ジェリー・ヤン)とデビッド・ファイロが「ネットサーフィン(リンクをたどりながらWebをどんどん見ていくこと)」をしながら探って行ったWebサイトのリストをWebで公開したのが始まりです。あっという間に人気になります。
1995年:ネットオークションeBAY登場

人間は思いつく限りのことをやるわけで、もうネットオークションがはじまっています。米国のプログラマのピエール・オミダイアが趣味ではじめたAuctionWeb(1997年からeBAY)は、急成長し、現在にいたります。
1995年:マイナビの前身、就職情報サービス Career Space誕生

ちなみにライバルのリクナビは、RECRUIT BOOK on the Netというので1996年からサービスイン。なんとリクナビより、マイナビの方が古かったんか! 知らなんだ。
1995年:マイクロソフトWindows 95リリース

PCがネットに繋がる起爆剤となったOSです。なにしろこれさえあればネットにつなげられ、さらにWebブラウザのインターネットエクスプローラもほぼ付属されていたのです。日本では11月23日にリリースされましたが、米国では8月にリリースされ大人気になっていました。日本でも期待も高く、初日はOSを買うのに秋葉原に行列ができたのです。多くの人々がPCに夢をみました。いまはスマホにとって変わられていますけどねー。

1995年:Wiki開発される

誰もがオンラインで編集できるWebサービスWikiが開発されます。米国エンジニアのウォード・カニンガムです。ただ、なかなか日の目をあびませんでした。
1995年:Amazonサービス開始

書籍、CD、ビデオ、PCソフトとハードのみを扱っていましたが、いまや超世界企業ですなー。米国のジェフ・ベゾスが起業。2001年までは利益がでなかったそうです。それも戦略とのこと。
1996年:インターネットアーカイブ archive.org開始

これはなにか昔からあるなーと、ただ、これ以前のWebは収集できてないということになりますな。
1998年:Google発足

スタンフォード大学の学生だったラリー・ペイジとセルゲイ・プリンが開発。ネットの情報を集め、ランク付をするアルゴリズムを利用した検索エンジンGoogleが誕生。後にGAFAの一角になるわけですが、あっという間にYAHOOを駆逐していったのはいまでも記憶に残っています。
1998年:PayPal設立

ネット上でお金のやりとりがスムーズにできるようになる走りですね。
1999年:ブログサービス はじまる

Webに日記をつけるブログはかなり初期から行われていましたが、これをフォームに入力するだけで簡単にできるシステムは1999年にエブ・ウィリアムズがはじめています。無料ではじめたためにいったんは経営破綻しそうになったのですが、ファンが資金を出して生きながらえます。
2001年:Wikipedia はじまる

くわしくはWikipediaでごらんください。
2003年:LinkedIN はじまる

いうならば電子名刺のLinkedINはこのころですか
2004年:Facebook登場、日本でもmixi登場

この辺からは、「イノベーターズII」にはありません。まあSNSなどは、原型はとっくにできているわけで、あとはその応用ってことですな。FacebookもGAFAの一角ですね。世界最大のSNSで、ハーバード大学のマーク・ザッカーバーグが開発したシステムです。当初は学生限定でしたが、2006年に一般に開放、現在に至りますな。

日本のSNSの雄mixiも同じ年に登場しています。当初は招待制でした。友達がいない私はだれからも招待されなかったのを覚えています。くすん。
2005年・2006年:Youtube・Twitter登場

なにもいいますまい。
2007年・2008年:iPhoneリリース・Android端末リリース

化石な私にとっては「え? iPhoneってそんな最近!」なのですが、まあ、普通は10年以上前からあるのかーでしょうね。いまやiPhone 12ですからね。iPhone登場の前からブラックベリー(米国オバマ元大統領が愛用で有名)やSymbianOSを使ったノキアのスマホはあったわけですが、iPhoneは間違いなく歴史を変えた製品です。日本では2008年から発売されました。

ちなみに2008年にはAndroid端末のT-Mobile G1も登場しています。日本のAndroid端末はSONYのXperiaが嚆矢ですが、こちらは2010年、iPhoneと長らく人気を二分している韓国サムソン社のGALAXYは2009年に登場しています。

iPhoneとAndroidそしてTwitter、LINE、TikTokなどのSNSの組み合わせは間違いなく世界を変えています。というかもはや「空気」となっていますな。
2008年:GitHubはじまる

コンピュータプログラムのプロジェクト管理や複数人での開発を支援するサイトですが、料理のレシピのシェアとか小説のバージョン管理にも使えますな。
2009年:ビットコイン登場

紙幣や貨幣や国や素材(金など)が価値(信用)を与えないとなりたたないものです。が、これをネット上のブロック・チェーンという仕組みで、なりたたせてしまったのがビットコインですな。世界中の人と人との取引をリアルタイムで共有し、それを相互に保証することで、通貨と同じことができてしまう。いまだによくわかっていないのですが、革命的なことかと思います。これも10年以上前なんですねー。
2011年:LINE登場

わりと最近なのね。

このあと、TikTokやらInstagramやらやら百花繚乱になっていくわけですな。また、ムーブメントとしては、クリエィティブコモンズとか、GPL、オープンソースなども重要と思いますけれど、まあおいておきます。

また、新型コロナウィルスで脚光をあびている、UberEats(2014年)や日本だと出前館(2000年サービスイン)。タクシー配車や、サービスを個人手配するサービス、Googleマップにストリートビュー、関連してGPSの一般化、民泊をつくったAirbnb(2008年)、ネット会議システムのZoom(2011年)やら網羅したら大変でございますな。メルカリも忘れてはいけませんな。

また、ビットコインをあげましたが、フィンテック関係もいろいろで、とてもおいかけられない。インターネットでの株取引も当たり前になりましたしな。ファミコンでやれていたというのがびっくりでございますが。

ところで、インターネットのサービスで何がいま一番使われているかというのを示すサイトがあります。テレビの視聴率調査などをするニールセンがやっているものです。みなさんは何を使ってますか? 今日もまたネットでは新たなサービスが誕生し数年後には常識になるのは、まぁまちがいないです。楽しみでもあり、不安でもあり…ですなー。

著者プロフィール
東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。