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極小スマホ Rakuten Mini実機レビュー。小容量プランと相性抜群(石野純也):2020ガジェットレビュー

そろそろ2020年も終盤戦。今年もたくさんのガジェットが発表され、弊誌にてレビュー記事が掲載されました。そんな記事のなかでも、著者や編集部がイチオシと考える製品をピックアップしてもう一度お届け致します。これは2020年1月30日に掲載された記事の再掲載です。記事中に登場する価格や機能、画像などは当時のもので、現在は異なる可能性があります。

Rakuten Miniを手に取ったとき、思わずつぶやいてしまったのは「軽っ」という感想。3.6インチとサイズがコンパクトなのは見た目で分かりますが、それ以上に軽さが印象に残りました。普段、Galaxy Note10+を利用しているためもあってか、あまりのコンパクトさに戸惑ってしまったほど。

試しにポケットに入れてみましたが、サイズ感と重さが相まって、存在感がほとんどありません。どこにしまったのか忘れ、「紛失してしまったのでは」とヒヤヒヤする場面もありました。

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▲Galaxy Note10+と並べると、まるで親子のようなサイズ差

コンパクトで、価格も2万円以下に抑えられてはいますが、見た目はあまり安っぽくありません。フレームは金属のようで、剛性も十分。ベゼルが狭額縁ではないため、最新モデルと比べると正面のデザインには野暮ったさも残っていますが、一般的なスマホをギュッと縮めたような"凝縮感"はモノとして魅力があります。

Rakuten Miniは製造をWikoの親会社であるTinno Mobileが行っているようで、スマホの開発に慣れたメーカーがしっかり作っているだけに、初の楽天モバイル自社端末とは言え、クオリティは低くありません。

▲端末の仕上げは上質で、安っぽさはあまり感じられない

とは言え、この画面サイズですから、やはり文字は打ちにくい。12キーをフリックできる日本語はまだいいとしても、1つ1つのキーが小さくなるQWERTY入力は、かなり厳しいものがありました。

ゆっくり、狙いを定めながら打てば誤入力なく打てますが、なかなかスピーディには打てません。これでLINEやメッセンジャーなどが届いたら、ちょっと返信が面倒になりそう......ということで、既読スルーが増えてしまいそうです。

▲当然ながら、画面サイズに合わせてキーボードも小さくなる

当然ながら、ディスプレイも小さく、1画面に収まる情報量も少なくなります。Galaxy Note10+のスクリーンショットと比較していただければ、それがよく分かるのではないでしょうか。筆者のほぼ画像だけのツイートが、合計で2ツイートぶんしか見えません。これに対し、Galaxy Note10+は3ツイート目までしっかり確認でき、文字も大きいので読みやすいと言えます。Engadgetのようなニュースサイトも、正直文字が小さいので、画面をかなり顔に近づけたくなります。

▲Galaxy Note10+の方が文字が大きく、表示している領域も広い

ただし、これらは実機を見ればすぐに分かりそうな欠点。この端末に、文字の打ちやすさや画面の見やすさを期待する人は、ほとんどいないはずで、上記のインプレッションは、難点を挙げたというより、実際に使ってみたらそうだったという確認作業のようなもの。

むしろ、このサイズできちんとFeliCaを搭載し、eSIMにまで対応したことを評価すべきでしょう。おサイフケータイは設定さえしてしまえば、基本的に、あとは決済端末にタッチするだけでOKなので、コンパクトなサイズが生きてきます。

▲このサイズ感でおサイフケータイに対応しているのはうれしい

タッチパネルの感度が悪く、画面をタップしても反応しないことがあるのは少々残念ですが、基本的には動作もキビキビとしています。AnTuTu Benchmarkでのスコアは9万点台後半。チップセットにSnapdragon 439を搭載していることが効いています。もちろん、パフォーマンスが要求されるゲームなどを動かすのには力不足ですが、この画面サイズでグラフィックスに凝ったアプリを使おうと思う人は少ないでしょう。

▲AnTuTu Benchmarkのスコアは9万点台後半

ユーザーインターフェイスも画面サイズに合わせてカスタマイズされているため、使い勝手は悪くありません。ストレージが32GBと少ないにもかかわらず、楽天関連のプリインストールアプリが多いのは気になるところですが、不要なものはアンインストールも可能。

▲UIは、画面サイズに合わせてカスタマイズされている

以前、短期間だけPalm Phoneを使ったことがあるからか、サイズの割にはバッテリーの持ちはいいという印象です。さすがにテザリングを連続して使っていたら、グイグイとバッテリーは減っていきましたが、待受け状態でメールなどの通知を受けているだけであれば、バッテリーは丸1日ぐらいは持ちます。

以下のスクショは通知を受けつつ、ほぼほぼ待受け状態のまま使い、最後にベンチマークを取ったあとのバッテリー残量ですが、それでもまだ半分以上、バッテリーは残っています。

▲バッテリーは意外と持ちがいい

ちなみに、今回の端末は借り物のため、楽天モバイルのeSIMプロファイルをダウンロードしたり、楽天Linkを使ったりすることはできませんでした。eSIMは、本人確認の関係もあって、まだ店舗でしか設定できませんが、eKYCでOKとなれば楽天モバイルの強い武器になりそうです。

eSIMは物理的なSIMカードがないため、気軽に契約できますが、反面、ユーザーが流出しやすいため、既存のキャリアは導入を嫌がる傾向があります。逆に言えば、元々がゼロベースの新規参入キャリアにとっては、またとないチャンスになるというわけです。▲eSIMは、オンラインでの発行ができるようになれば、楽天モバイルの武器になりそうだ

端末は関係ない話ですが、エリアも前回Engadgetでレポートした時より、広がっている印象を受けました。首都圏では、東京23区を出るとさすがにauローミングになる場所だらけですが、前回使ったときより、山手線の駅構内などで電波が入りやすくなっているように感じました。基地局数も順調に増えているようで、少なくとも23区の屋外では、それなりにつながるようになっています。ただし、この部分は、料金次第で印象がいかようにも変わるので、現時点では評価が難しいところです。

気になったのは、Rakuten Miniと無料サポータープログラムや楽天モバイルとの相性。と言うのも、楽天モバイルの無料サポーターは、無料であるのをいいことに(笑)、データ通信を使いまくっているからです。楽天モバイル側が公開した12月の平均値は15GB。他の3キャリアの人が聞いたら、度肝を抜かれるトラフィックだと思います。

一方で、自社ブランドを冠したRakuten Miniは、先ほど申し上げたように、"待ち"が基本の端末。積極的にデータ通信を使う層と、あまり相性がよくありません。

▲無料サポータープログラムのユーザーは、12月平均で15GBもデータを利用したという

2台目スマホとしてはよさそうですが、新規参入のしょっぱなからそれでは、ちょっと志が低いような気がします。考えられる狙いは、他社のフィーチャーフォンユーザーです。これなら、多少画面が小さくても、そこまで困らなそうですし、電話としてなら、むしろこのサイズ感がいいと考える人もいるでしょう。2万1800円という価格も意味深で、仮に電気通信事業法の制限いっぱいまで割り引けば、800円で売ることができます。

大容量プランはほかのスマホに任せるとして、有料サービス開始後は、この層にRakuten Miniをぶつけてくる可能性もありそうです。そのためには、魅力的な小容量プランが必要になりますが、小容量であれば、比較的高額なauへのローミング費用を抑えられるため、アグレッシブな金額を打ち出しやすくなります。

Rkuaten Miniは、そんな小容量プランと組み合わせるための武器になるのでは......という気がしてなりません。


2020-11-27 18:46:02



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