Appleが2020年に発表したiPhone 12シリーズやApple Watchの最新モデルには、「環境に配慮した」との理由からUSB電源アダプタが付属していません。Samsungの公式Facebookアカウントはこの決定をからかう内容の投稿をしていましたが、12月になってひっそりとこの投稿を削除したと指摘されています。
Appleは2020年9月に行われた新製品発表イベントで、最新のApple Watchに電源アダプタを同梱しない方針を明かしました。その後2020年11月に発売されたiPhone 12シリーズでも、電源アダプタは付属しませんでした。
最新のApple Watchには「USB電源アダプタ」が付属しないことが判明、iPhone 12も同様の可能性 - GIGAZINE
製品に電源アダプタを同梱しなくなった理由についてAppleは、「電源アダプタの同梱をやめることでパッケージサイズが小さくなり、一度に運搬できる台数が増え、結果的にカーボンフットプリントの削減につながる」と主張。環境に配慮した結果、電源アダプタの付属をやめることになったと述べています。
こうしたAppleの主張に対し、テクノロジー系メディアのThe Vergeは「本当に環境問題を考えるならまずLigthingを諦めてiPhoneをUSB Type-Cに対応させるべきだ」と指摘しました。また、The Vergeはこれに加え、Appleが電源アダプタの同梱をやめた理由の一つとして挙げた「すでに20億個の電源アダプタが世界に存在している」という点にも反論。iPhone 12シリーズに同梱されるケーブルはUSB-C - Lightningケーブルですが、AppleがUSB Type-C電源アダプタを同梱したのはiPhone 11からです。これ以前のiPhoneに同梱されていたのはUSB-A電源アダプタであるため、多くの電源アダプタはUSB-C - Lightningケーブルに接続できないと主張しています。
「Appleは環境のためにLightningを諦めてiPhoneをUSB Type-Cに対応させろ」という主張 - GIGAZINE
電源アダプタの同梱をやめたAppleの決定に対して、競合するSamsungは2020年10月、「Galaxyはあなたが欲しいものを与えます。充電器として最も基本的なもの(電源アダプタ)・最高のカメラ・バッテリー・パフォーマンス・メモリ・120Hzのスクリーンです」とAppleをからかう内容をFacebookに投稿しました。
しかしそれからわずか2カ月後の12月、Samsungはこっそり投稿を削除していたことが判明しました。Samsungが電源アダプタの非同梱をからかう投稿を削除したのは、Samsungも新たなスマートフォンに充電アダプタを同梱しないからだと指摘されています。
ブラジルのANATEL(国家電気通信庁)にSamsungが提出した書類から、2021年1月から新たに発売されるGalaxy S21、Galaxy S21+、およびGalaxy S21 Ultraには電源アダプタやイヤホンが含まれていないことがわかっているとのこと。Appleの慣行を笑った後にSamsungが同様のことをするのは今回が初めてではありません。Appleは2016年に登場したiPhone 7からイヤホンジャックを廃止していますが、Samsungはこれをからかう「iPhone信者だった僕がGalaxyに乗り換えるまで」ムービーを公開していました。しかし、2019年にはGalaxy Note 10で同じようにイヤホンジャックを廃止したため、このムービーも記事作成時点では削除されています。The Vergeは、必ずしもSamsungがAppleと同じことをするのが悪いわけではないものの、わずか数カ月前に公式アカウントがからかった内容と同じ決定をするのは見栄えが悪いと指摘しました。
2020-12-24 00:21:51