近年、特に2020年以降は新型コロナウイルスの流行に伴うテレワークの導入もあり、注目度が上がっているモバイルディスプレイ。その主流はサイズが15.6型で、価格も2万円台~3万円程度の製品が人気だ。
そのような中で、今回紹介するASUS JAPANのモバイルディスプレイ「ROG Strix XG17AHPE」は17.3型と大型で、公式ストア価格で7万920円(税込)となかなか突き抜けた存在だ。その分、7800mAhという大容量のバッテリーを内蔵し、リフレッシュレートは240Hとゲーミング用途向けの映像表示機能を搭載していて、モバイルディスプレイでありながら、比較すべき対象は据え置き型のディスプレイになるだろう。
そこで気になったのが、「ゲーミングデバイスメーカーのモバイルディスプレイって、どれだけ快適にPCゲームを遊べるのだろうか」という点だ。高性能なノートPCを持っていても、ディスプレイのリフレッシュレートが低い(一般的な60Hz)とゲームの楽しみも減ってしまう。今回は実際の使い心地を確認しつつ、「VALORANT」や「DEATH STRANDING」といったゲームタイトルを遊び、その模様をスロー再生の映像とともに検証した。
なお、通常のモバイル液晶ディスプレイとしてのレビューについては、こちらの連載記事を参照してほしい。
17.3型と大型でハイスペックなディスプレイ
まずはその外観から見ていこう。フルHD(1920×1080ピクセル)表示に対応した17.3型のボディーは、ゲーミングノートPCのサイズから考えても大型だ。本体サイズは約399(幅)×250(奥行き)×10(厚さ)mmで重量も約1.06kgある。
持ってみると驚くほど重い/軽いわけではないが、いざ持ち運ぶとなると多少負担に感じる。付属するカバーも薄型(重量は約292g)のため、持ち歩くには専用のケースを別途用意したいところだ。
IPS方式ゆえ視野角は上下/左右ともに178度と広く、ディスプレイ表面はノングレアで写り込みも少ない。約8mmと峡額縁で、画面下部に1W+1Wのステレオスピーカーも内蔵する。
インタフェースやOSDメニューを操作するボタンは、左側面にまとまっている。映像出力端子としてmicro HDMIとUSB Type-Cがあり、給電用のUSB Type-Cも装備する。PCを始めとしてスマホやタブレットを接続する際はUSB Type-C、家庭用ゲーム機を接続する場合はmicro HDMIと使い分ければいいだろう。
OSDメニューは、ASUS製ディスプレイらしく大カテゴリ→小カテゴリ→詳細設定とすっきりとまとめられている。AMD FreeSync(VESAのAdaptive-Sync)に対応している他、暗い部分を明るく表示する「Shadow Boost」機能も備える。モバイルディスプレイであっても、競技に耐えられるような設計となっている。
OSDから細かい設定が行えるが、Shadow Boostは特に暗い場面の多いゲームで役立つ。VALORANTであれば屋外から見た屋内の部分が暗く描画されるが、Shadow Boostをオンにすれば暗い部分が見やすくなる。オフ状態とLevel 3では一目瞭然で、この機能があれば暗い場所の多いゲームでも有利に戦える。
2021-01-06 19:06:21