スマホ界の重戦車! OUKITELの5Gスマホ「WP10」レビュー
アクティブ系端末を得意とするOUKITELから5Gスマートフォン「WP10」が登場した。巨大なバッテリーを搭載し、アウトドアや現場でも安心して使えるタフなスマートフォンだ。
OUKITELはオンライン販売を主体とする海外のスマートフォンメーカー。防水防塵や耐衝撃に対応したスマートフォンを多数展開している。2020年12月に発売になった「WP10」は同社初の5Gスマートフォンだ。しかも重量は300gを越える「重戦車」とも呼べる強固なボディーを搭載している。タフネス関連の仕様はIP68の防水防塵、IP69Kの耐高温・耐高水圧、MIL-STD-810Gにも対応。過酷な環境にも耐えうるボディー構造となっている。
スペックはチップセットがMediaTekのDimensity 800、メモリー8GB、ストレージ128GB。ディスプレーは6.67型(2400x1080ドット、20:9)。カメラは4800万画素+1300万画素(超広角)+200万画素(マクロ)+200万画素(深度測定)、フロントカメラはディスプレー上部中央に埋め込まれたパンチホール型の1600万画素。バッテリーは8000mAhで18Wの急速充電に対応する。
背面にはNFCを内蔵し、モバイルペイメントにも対応。背面カバーには9×2=18個のピンが並んでいる。WP10の製品紹介ページを見ると「Support Multi-Modules」と記載されており、さまざまなアタッチメント式のモジュールが提供される予定のようだ。モジュールの一つとして「Ultra Flashlight Module」が記載されている。
本体右側面はボタンが並ぶ部分を金属プレートで保護しており、側面からの衝撃にも耐えられるようになっている。音量調節ボタン、電源ボタン、そして指紋認証用のセンサーが並んでいる。一番下側にはSIMカードスロットを搭載している。
SIMカードスロットはピンを使わず爪先で抜き差しできるのが便利だ。SIMカードトレイは表裏それぞれにnanoSIMカードを取り付け可能。なおmicroSDカードは利用できない。WP10はストレージ128GBモデルしか用意されていないため、外部拡張はできない点は要注意だ。
本体左側面にはSOSボタンとPTTボタンを備える。SOSボタンは登録した電話番号へワンタッチで発信することができる。PTTはPush-to-Talkでトランシーバー的な利用が可能だが、キャリア側のサポートが必要だ。こちらの側面も金属プレートで守られている。本体下部のUSB Type-C端子はキャップ方式。充電時にキャップを外すのが面倒だが、8000mAhの内蔵バッテリーを持つため、普段使いしている分には充電の頻度は2-3日に1回程度で済む。高水圧がかかる環境でも安心して使えそうだ。Type-C端子と背面下部の18ピン端子の間には太いストラップを取り付けることのできるストラップホールがあるので、しっかりと本体を固定できる。なお本体上部には端子類はない。
本体サイズは約83.4×178×17.6mm、重量は380g。2cm近い厚みと、400gに迫る重量はスマートフォンとしては未知の世界だ。片手で持つとずっしりとした重さは迫力も感じられる。コンシューマー向けの製品ではあるが、本格的な登山やアウトドアスポーツなど、プロユースにも十分耐えられる製品だと感じられる。またバイクや自転車に取り付けてナビ用に使うのもよさそうだ。
今回レビューをしながらWP10を何度か自宅の床に落としてしまったが、破損することなくそのまま利用できている。なお、ディスプレー表面はゴリラガラス(バージョン非公開)でおおわれている。
スペックはミドルハイなので タフネス以外にも日常に、ゲームに活躍する
サイズの大きいGalaxy Note20 Ultraとサイズを比較してみたが、WP10はさらに一回り大きい。Galaxy Note20 Ultraには「Rugged Protective Cover」も販売されているが、カバーをつければサイズは大きくなるし、それでもWP10ほどのタフな強度と巨大なバッテリーサイズは得られない。WP10は工事現場などでも使えるほどのタフな製品なのである。WP10の価格は定価が699.99ドル(約7万2000円)。販売直後からキャンペーンを行っており、2021年1月時点では399.99ドル(約4万1000円で販売されていることもある。詳細はOUKITELのウェブページを参照してほしい(公式サイト)。
OSはAndroid 10を搭載。プリインストールアプリはほぼAndorid標準のものになっている。クイック設定パネルからは5GのON/OFF、水中モード、画面キャプチャを行なう「S-Capture」を呼び出せる。
クイック設定パネル(左)。S-Caputureを呼び出せる(中)。画面キャプチャや録画が可能だ(右)
AnTuTuのスコアは294370。Dimensity 800搭載モデルとしては一般的だろう。5G NRのスピードテストではn78接続で410Mpbs。ほかのチップセットを搭載したスマートフォンもほぼ同じ速度を出しており、同一ネットワーク環境下では十分な速度を出していると言える。
カメラは4眼を搭載。広角カメラは4800万画素だが、超広角カメラが800万画素ではなく1300万画素なのはがんばっていると思う。背面の左上に配置する最近主流のデザインだが、本体サイズが大きいだけにカメラ部分はもう少し目立つようなデザインにしてもよかったかもしれない。
カメラのUIはモードの切り替えが「動画」-「写真」-「FaceCute(ステッカー)」-「ぼかし」-「Macro Lenz」-「夜景」の6つ。右上「田」アイコンをタップしてパノラマ、透かし(日付時刻)、GIFアニメ、タイプラプス、記録内容の美化、QRコードが選べる。最近の中国系スマートフォンによくある最大画質の切り替えは各種モードからは行えない。そして写真モード時は画面中央上部の「AI」アイコンをタップすると、15種類のシーンを自動判別して最適な写真を撮影してくれる。
カメラの設定はやや特殊な構造となっている。画面表示上部の歯車アイコンをタップすると、クイック設定メニューが現れる。ここからは「タイマー」「画面タッチでシャッター」「写真サイズ(4:3、19:1、18:1)」「グリッド」「HDR」「スマイルシャッター」「設定」をON/OFFまたは開くことができる。そして「設定」の歯車アイコンをタップすると、カメラの解像度やロゴマークのON/OFFなどが設定できる。カメラの解像度は4800万画素、2400万画素、1200万画素で、それぞれに対して4:3、16:9、18:9を選ぶことができる。
カメラを使っていてやや気になったのは、撮影モードによっては画質が固定されるということだ。AI撮影するときは1200万画素、ぼかし撮影も1200万画素、美肌撮影は800万画素、夜景撮影は4800万画素になる。1200/2400/4800万画素を自分で設定できるのは「写真」「動画」モードの時だけなのだ。またデフォルトの画質は4800万画素になるようになっている。ストレージ容量を気にして設定で1200万画素にしていても、AI撮影をONにしたのちOFFにすると、写真画質は4800万画素になってしまう。クイック設定メニューから画質も変更できるようにしてほしいと感じた。
以下はWP10で撮影した作例だ。オリジナルのファイルサイズも記載しておく。
2021-01-11 20:45:42