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「大人向け!?」の漆黒マザーボード MSI「MEG B550 UNIFY」

MSIのマザーボードラインナップの中でも、もっとも売れていると言う「UNIFY」。UNIFYシリーズは昨今のトレンドを逆手に取り、とくに国内における“光らなくてよい派”のハートを捉えている。そのUNIFYシリーズから今回はMEG B550 UNIFYを取り上げたい。MEG B550 UNIFYのスペックに関しては別記事で触れているので、ここではそこで紹介しきれなかったところに触れていこう。

今だからこそ光らないマザー

MEG B550 UNIFYの特徴はまず光らないところだ。昨今の“ゲーミング”マザーボードはLEDを搭載し、ハデな演出を備えるものが多い。欧米におけるゲーミングのイメージがこれのためだ。PCゲーム実況ではゲーム画面の隅にワイプで映し出される配信者とその背景に置かれたハデに光るPCがセットで捉えられている。PCをどのように彩るのかはその配信者の個性と呼べるわけである。このようにして、LEDを搭載してハデに光るゲーミングマザーボードというカテゴリが生まれた。

LEDを搭載するゲーミングマザーボードも、ユーティリティやBIOSセットアップからLEDをOFFにすることも可能だ。ただ、何かしらの理由でユーティリティを導入したくない方、それを手間と感じる方などもおり、搭載していること自体があまり好ましくないと感じる方もいるだろう。UNIFYはそんなニーズから生まれたと想像する。そしてUNIFYはLED非搭載というだけでなく、全体的にメインカラーをブラックとし、青や赤といったアクセントカラーを排し、シンプルなデザインを追求している。

シンプルデザインへのこだわり

ただし、こうしたデザインは完全漆黒を目指す方にとってはメリットでも、先のレビューも同様、写真映りとしては少々地味になる。LED搭載モデルであれば通電したイルミネーション時のカットを追加することでインパクトを出せるが、MEG B550 UNIFYはその1カット分損をしている。また、正面からのカットなどではフラットに映ってしまいがちだ。とはいえ、MEG B550 UNIFYは細部までデザインにこだわった製品だ。特定の角度から光を当ててやれば浮き上がってくる。そこを見ていこう。

まずはVRMヒートシンク。とくにCPUソケット左側のそれはI/Oパネルのカバー部分までが一体のアルミで出来ている。このカバー部分はVRMヒートシンクとは別体の、プラスチック樹脂製とするのが普通で、成型しやすいプラスチックだからこそインパクトのあるデザインにでき、製品のイメージに大きく影響する。一方、MEG B550 UNIFYのそれはアルミ製なのでそこまで複雑な造形ではない。とはいえ、大きな面積のフラット部分にはエンボスのドラゴンエンブレムを設けている。

また、チップセット&M.2ヒートシンクにはUNIFYのロゴを置いている。正確にはM.2スロット#4用のヒートシンクに彫り込まれており、たとえば2.5スロット厚のビデオカードを装着してもUNIFYロゴが見えるように考えられた位置だ。

ヒートシンクへの造形に見られるように、シンプルでありながらそこに少しスパイスを効かせたのがMEG B550 UNIFYのデザインだ。ただし、もうひとつコンセプトがある。ヒートシンクとしての機能だ。

ハイエンドならではの機能美

デザインはこのとおり。では性能はどうだろうか。ヒートシンクは大きさ=冷却性能だ。マザーボードで一般的にVRMと呼ばれる回路は+12VからCPUそのほか各部が必要な電圧・電流を供給している。消費電力が大きい昨今のハイエンドCPUではVRMが発する熱量も大きくなりがちだ。

MEG B550 UNIFYは一般的なVRMヒートシンクよりも大型だ。フィンタイプのものよりは放熱効率が小さいと思われるが、ソリッドタイプのものとしては最大級と言ってよい。しかもCPUソケット左側と上側の2つをヒートパイプで結んでひとつの超大型ヒートシンクとして利用している。

実際、CINEBENCH R23のようなCPU負荷が高いベンチマークを10分間実行しても、室温21℃、バラック時で表面温度は29℃までしか上昇しなかった。そして、左側、上側ともほぼ同じ温度で差は1℃程度。ヒートパイプによる熱の分散も機能しているようだ。

また、M.2ヒートシンクも一般的な製品とは異なる。通常、M.2ヒートシンクはアルミ製で、裏に熱伝導パッドが貼られてM.2 SSDの表面から熱を吸い上げる。MEG B550 UNIFYではM.2 SSDの表面は当然、裏面にもヒートシンクと熱伝導パッドを用意しており両面から放熱を行なえる。PCI Express Gen4対応のM.2 SSDはコントローラチップ、NANDチップともに発熱が大きいが、両面から冷やすことでサーマルスロットリングの発生を抑え、性能を引き出すことが可能だ。

こちらもCrystalDiskMarkの9回ループで検証してみたが、ヒートシンク表面は最大で31.5℃(室温は先と同じ)に収まっていた(Optane SSD 800p使用時)。

デザインで特徴に挙げたヒートシンクはともに、冷却性能でもハイエンドらしい優れた性能を示している。つまり「機能美」を実現していると言えるだろう。

ハイエンドである意義

つづいて、MEG B550 UNIFYがハイエンドであることの意義にも触れておこう。たとえばLED非搭載を目的とするならばスタンダードマザーボードでもよい。ただし、クリアサイドパネルのケースと組み合わせるならば見た目にもこだわりたい。MEG B550 UNIFYのようなひとつの色に統一したような見た目は、スタンダードマザーボードでは望めない。

また、ゲームを目的としたりするならばそれなりの電源設計が必要だ。スタンダードマザーボードは、ごく一般的なPCの使い方、事務用途や家庭用途を想定した設計だ。一般的な負荷の範囲で用いる分には問題なく、もちろん高負荷にも耐えられる。しかし、半導体の寿命は使用環境の温度に左右される。ゲームのように常に高い負荷が長時間続く場合、スタンダードマザーボードの設計では劣化が急速に進むことが考えられる。

ハイエンドはミドルレンジよりも、ミドルレンジはスタンダードよりも、フェーズ数が多い。1フェーズあたりの負荷を下げて劣化の進行を抑えている。また、同様にハイエンドほど高耐久・高効率の部品を用いている。元の耐久性が高ければマージンが大きく、効率が高い分発熱が小さく劣化の進行を遅くしてくれる。

MEG B550 UNIFYは質実剛健だから様々なプランで使える

MEG B550 UNIFYがどのようなPC構成に向いているのかまとめよう。UNIFYはハイエンドであるが、AMD B550チップセットは上にAMD X570チップセットを持つメインストリーム向けチップセットだ。つまり、AMD Socket AM4プラットフォームとしては真のハイエンドにMEG X570 UNIFYがある。MEG B550 UNIFYはハイエンドでありながら、MEG X570 UNIFYよりも少し身近な存在と言える。

MEG B550 UNIFYは、昔ながらの光らないPC、ケースを閉じても光が漏れないPC向けには最適だ。一方で、クリアサイドパネルばかりの昨今のケースで魅せるPCを組むベースとしてもよい。LED用ヘッダーは搭載しているので、ヒートシンクの造形などをLEDストリップなどで照らし出すのも映える。とくにLEDを間接光とし、単色とすればハデさを抑えながらMEG B550 UNIFYの造形を活かしたPCが組める。そしてそれはハイエンドゲーミングPCになるだろう。ブラックの漆黒マザーボードだからこそ、ほかのパーツを主役として引き立てることもできる。そうした意味で、主演にも助演にもなれるマザーボードと言えるかもしれない。