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ON/OFFの深さを1キー単位で設定できるゲーミングキーボード「Razer Huntsman V2 Analog」レビュー

今回紹介する「Razer Huntsman V2 Analog」はゲーマー向けのキーボードで、オプティカルスイッチを搭載したHuntsmanシリーズの最新モデルだ(希望小売価格は税抜2万9800円)。

オプティカルスイッチは、接点部分に光とセンサーを使用。一般的なメカニカルスイッチとは違い、金属端子の物理的な接触がないことから、チャタリング抑止、高耐久、長寿命などのメリットがある。

Razer Huntsman V2 Analogは、単なるオプティカルを超えた製品で、キーの押下距離を正確に把握することで、ON/OFFの位置設定はもちろん、押下具合で異なる機能を定義したり、WASDキーをアナログ・ジョイスティックにもできるなど、新世代の製品となっている。

「Razer Huntsman V2 Analog」はUS配列と日本語配列が用意されている・

1キー単位でON/OFFポイント設定が可能 アナログ感覚を実現するスイッチの秘密

現在キーボードに使われているオプティカルスイッチは一般的に3種類ある。1つはメカニカルスイッチのような押下感を加えた「クリッキーオプティカルスイッチ」だ。スタンダードなRazer Huntsmanなどで採用されており、メカニカルキーボードの感触を残しつつ、オプティカルスイッチならではの反応性と高耐久性が魅力となっている。

2つ目は、押し下げるほどに少しずつ重たくなっていく「リニアオプティカルスイッチ」で、クリック感はないものの、そのぶん抵抗も少なく音も小さくなるため、静かに、素早く入力できるというのがメリットだ。

そして最後が、Razer Huntsman V2 Analogに採用されている「アナログオプティカルスイッチ」である。基本的にはリニアオプティカルスイッチに近いのだが、キーを押した深さを感知できるというのが大きな違いとなる。

どのくらい押したのかが認識できる、特殊なキースイッチがアナログオプティカルスイッチ。本機はこのタイプのキースイッチを採用している

この特性を活かすことで、キーが反応するまでの深さ、つまり「アクチュエーションポイント」を固定ではなく、1.5~3.6㎜まで任意の深さに設定できる。しかも、キーボード全体で同じ深さというだけではなく、1つ1つのキーに設定できるというのが面白い。よく使う英数字キーは浅めにして軽いタッチにし、親指で押すスペースは深めにして意図しない誤入力を防ぐ、といった好みの設定が可能なわけだ。

ゲーム用としてはもちろん 通常のキーボードとしても使いやすい数々の機能を搭載

キーカスタマイズ方法は後ほど紹介するとして、まずはキーボードとしての基本的な部分から見ていこう。Razer Huntsman V2 Analogはゲーミングキーボードに分類されるだけあって、複数キーの同時入力を可能とするNキーロールオーバー、押していないキーが検出されてしまう誤認識を防ぐアンチゴースト、決められた操作を実行できるマクロ機能、RGB LEDバックライト機能といった定番機能をしっかりと装備している。

刻印には日本語が書かれていないが、一般的な日本語配列を採用している。英語配列のモデルもあるので、好みで選ぶことができる

キーが光ること以外は通常のキーボードとそう変わらないように見えるが、追加機能をいくつか搭載している。その1つが、プレーヤーソフトの操作が可能な「メディアキー」だ。キーボードの右上、テンキーの上に並んでいる、マルチファンクションダイヤルの中央部も含めた4つのキーで、早戻し、再生/一時停止、早送りなどの操作ができる。

さらにその右には、くるくると回転するマルチファンクションダイヤルを装備。スピーカー音量調整に使えるほか、マイク音量調整、上下のスクロール、拡大表示などに割り当てることが可能だ。

プレーヤーソフトの操作や音量調整に重宝するメディアキー。ブラウザーで開いた動画サイトでも、再生と一時停止が利用可能だった

パームレストは製品に同梱されており、好みで着脱可能。パームレストを取り付けるとキーボード手前のLEDが見えなくなってしまうが、その分パームレスト側のLEDが光ってくれるため、クールな見た目は保持される。こういった細かい部分まで考えられているのはさすがだ。

着脱可能なパームレストにもLEDを搭載。マグネットでしっかりとキーボードにくっつくので、打鍵中に外れてしまうこともない

PCとの接続は、キーボードとしては珍しいUSB Type-C。実はUSB機器は今でも従来通りのType-Aが多く、意外とType-Cの端子は背面パネルの中で余りがち。このType-Cを有効活用できるというのがうれしい。もちろん、従来のType-Aでも使えるよう変換アダプターも用意されている。

面白いのが、キーボードからType-Cだけでなく、Type-Aのケーブルも伸びていること。このType-Aのケーブルはキーボード左側面に用意されたUSBパススルー機能のためのもの。USB端子を1つ延長し、手元で使えるようにしてくれるのだ。

キーボードから直接生えているケーブルは、Type-CとType-Aの2本。キーボードはType-C、USBパススルー用がType-Aだ

キーボード左側面にあるUSB Type-Aの端子がパススルー用。PC本体から離れていても、USBメモリーなどを手元で手早く着脱できる

Type-AとType-Cの変換コネクターも1つ付属する

タワー型PCを使っている場合、机の下にPCを配置しているという人は多いだろう。この場合、USB機器を接続するには机の下をのぞき込んで、前面パネルまで手を伸ばして接続することになる。

PCを奥の方に配置している場合は薄暗くてよく見えず、手探りになりがち。上下の向きが分からずイライラし、結局うまく接続できずに諦めてLEDライトを持ってくる……というのはよくある話だ。

しかし、USBパススルー機能が使えれば机の下で格闘することなく、手元でUSB機器を接続できる。キーボードは必ず机の上、手の届く範囲にあるデバイスだけに、かなり便利に使えるだろう。

アクチュエーションポイントをカスタマイズして 自分好みのキーボードに!

キーボードとして使うだけならUSBで接続するだけでいいが、動作のカスタマイズを行ないたいなら専用ユーティリティ「Razer Synapse」のインストールが必要だ。

キーボードを接続するだけで自動でインストール画面が表示される。事前にダウンロードしておく必要がなく、簡単だ

インストール方法は簡単で、キーボードを接続した後に表示される画面で「インストール」というボタンを押すだけ。インターネットに接続していれば、自動でダウンロードからインストールまでしてくれる。なお、すでにマウスなどのRazer製品を使用し、Razer Synapseがインストール済みという人であれば、新たに入れなおす必要はない。

Razer Synapseで可能な設定項目は多いが、Razer Huntsman V2 Analogで重要なのは「キーボード」という項目になる。

キーの細かな設定をカスタマイズできる「キーボード」。上に並んでいるメニューから選択しよう

キー設定の変更は「カスタマイズ」でする。使い方は、設定を変更したいキーを画面上でクリック。すると詳細設定項目が開かれるので、ここから変更できる。

まず試してほしいのが、アクチュエーションポイントの変更だ。上の画面では1.5mmとなっているのだが、この部分を見ながら該当するキーを押してみると、アナログ的にバーが変動するのがわかるだろう。

押した深さによってバーが変動。どこまで押し下げたのかをアナログ的に検出できていることがわかる

では、アクチュエーションポイントをカスタマイズしてみよう。カスタマイズといっても難しいことはなく、丸いスライダーをドラッグして動かすだけだ。スライドさせてからキーを押し、スライダーの位置までどのくらいの深さで届くのかを確認してみよう。

「カスタムリリース」というのは、キーを離したとみなす深さのこと。通常であれば変更する必要はないが、押しっぱなしにするキーの場合は、このカスタムリリースを少し浅めに設定しておくといいだろう。こうしておくと、キーを押す力を緩めてキーが浮いてしまっても、キーの押下が続いていることになるからだ。

アクチュエーションポイントを3.0㎜に、カスタムリリースを2.5mmに変更した例。長時間押しっぱなしにするキーの場合は、カスタムリリースを設定するのがよさそうだ

アクチュエーションポイントはキー1つずつ別々の設定にできるが、すべて同じ設定にしたい場合は「アクチュエーション/リリースポイントをすべてのキーに同期」ボタンを押そう。これで、すべての設定を一括して変更できる。

WASDをアナログ・ゲーミングパッドに設定!! 2つの入力を1つのキーで代用も可能に

キーを押した深さを検知できるという特性を活かし、押した深さに応じて異なるキーを割り当てられるというのが、「二次機能の追加」だ。

たとえば、Ctrlはキーボードの角にあるため見なくても押しやすいが、AltキーはよくWindowsキーなどを押し間違えてしまうという人もいるだろう。こういった場合、Ctrlキーの二次機能の追加を使うことで、途中まで押している間はCtrlキー、一番下まで押し下げたときはAltキー、といったように1つのキーで2つの入力を代用させることができるのだ。

左Ctrlを押し込んだ場合に、Altキーとして動作するよう設定してみた例。

なお、この例のように別のキーを割り当てると操作に習熟が必要となり、下手をすると使いにくくなってしまう。別のキーの代用にするよりも、ゲームで銃を撃った後のリロードとか、武器を持ち替えた直後に攻撃する、といったコンビで使う機能を割り当てる方が向いている。ちなみに、二次機能の追加ができるのはキーボードの機能……つまり、単純なキー入力だけ。マクロ実行などを組み合わせることはできないので、その点だけは注意しよう。

これらのキー設定はプロファイルとして保存でき、ゲームによって切り替えて利用可能。通常のキー入力まですべて変更されてしまってキーボードとして役立たない、といったことはないので安心して欲しい。

各キーには文字だけでなく、ゲームコントローラーやジョイスティック、マウス、プログラムの起動など、特殊な機能も設定できる。マルチファンクションダイヤルの設定もこの画面から変更できるので、音量調整以外の機能にしたい場合は、ここでカスタマイズしよう。

キーボード画像の右上にあるマルチファンクションダイヤルをクリックすると、設定を変更可能。左右の回転を押下の3つの機能を設定できる

特殊な設定として紹介しておきたいのが、「ゲーミングモード」と「クイックリマッピング」だ。ゲーミングモードはゲーム中にWindowsキーやタスク切り替え(Alt+Tab)、強制終了(Alt+F4)を無効化できる機能だ。

ゲーム中にこれらのキーを押してしまうとフルスクリーン表示が解除されてしまったり、ゲームソフトが終了してしまう恐れがある。この操作ミスを防いでくれるわけだ。

キーボード設定を下の方までスクロールする、もしくは全画面表示すると見えるようになるのがゲーミングモードとクイックリマッピングの設定だ

クイックリマッピングは、WASDキーをゲームコントローラーのアナログスティックとして扱うようにする機能。キーを押した深さを検知できるアナログオプティカルスイッチだからこそできる機能だ。

この機能を使うには、「BIND」ボタンを押すだけ。試しにWindowsのゲームコントローラー設定を開き、テスト機能を使ってみよう。WASDキーで、X軸/Y軸がアナログスティックのように操作できることが確認できる。

ゲームコントローラーのテスト画面。キーボードなのに、アナログ入力できていることに驚く瞬間だ

なお、設定としてはWASDにゲームコントローラーのジョイスティック機能を割り当てたのと同じ。本格的にキーボードだけでゲームを操作したいというなら、他のA/B/X/Yボタンなども割り当てたプロファイルを作るのがオススメだ。

ライティングの設定も色だけではない! 複数レイヤーも定義可能

数多くのLEDを装備し、好みの色やパターンで装飾できるというのが、ゲーミングデバイスの魅力のひとつ。このライティング設定は大きく2つの方法があり、ひとつがデバイスのプロファイルに保存される「クイック効果」だ。これは対応するRazerのデバイスをまとめて設定できるもので、明るさや効果、色などをカスタマイズできる。

キーボードのライティング設定で行える「クイック効果」。明るさや効果などを選択するだけで、設定が完了する

さらにパターンにこだわりたいというのであれば、「高度な効果」となる「CHROMA STUDIO」を活用しよう。クイック効果と違って対応デバイスを並べて設定することが可能なほか、単一のパターンではなく、領域やキーごとに個別設定もできる点が大きな違いだ。

効果は複数レイヤーとして重ねることができるため、様々な効果を組み合わせることで、ユニークなパターンを作成できる。

CHROMA STUDIOの設定は、最上段のメニューにある「STUDIO」から変更可能だ

この設定例では、上2段を赤で固定し、下4段を緑と黄のウェーブ、そして周囲を音量によって色が変わるオーディオメーターとしてみた。このように、自分好みに細かくカスタマイズできるというのが、CHROMA STUDIOのメリットだ。

ゲームプレーで使用するキーを光るようにしたり、ソフトのショートカットキーでよく使うものは特別な色にする、といった風に使えば、実用性も高くなる。

キーボードとしての使い心地はトップクラス ゲーマーはもちろん、パソコン好きにも超おススメなのだ

Razer Huntsman V2 Analogは、基本的にはゲーミングキーボードなのだが、アクチュエーションポイントを好みにカスタマイズできたり、キーを自由に変更できたりするという機能は、一般ユーザーにとっても魅力的な部分である。CapsキーとCtrlを入れ替えられたり、あまり使わない無変換キーに別の機能を割り当てられる、というだけでもメリットがある。

ゲーミングキーボードとして見れば、アクチュエーションポイントを浅くできるというのはそれだけキー入力までの遅延を減らせるということ。わずかでも入力を高速に、そして確実にできるという点で、優れたキーボードなのである。

もちろん、これはゲームに限ったメリットではない。軽いタッチで入力するのに慣れれば、指への負担は少なくなり、書類作成、長文メールの入力でも活躍してくれるのは間違いない。また、キーごとに適切なアクチュエーションポイントを設定することで、力の弱い小指での押しそびれや、力の強い親指での誤押しといったミスも防げるようになるため、入力効率も向上する。

ゲーマーにとってはもちろんだが、ゲーミングキーボードだからといって購入対象として見ていなかった一般ユーザーにこそ、体験してもらいたいキーボードだと感じた。実売で3万円を超えるが、それだけの価値はある製品なのである。