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「文房具のように」フル活用 全学校に配布のタブレットPC 「質や有効性」試行錯誤続く学校現場

タブレットを使い、学習活動ソフトで「共同編集」にチャレンジする西小学校4年生=2021年3月18日午前10時54分、兵庫県丹波市氷上町上新庄で

兵庫県丹波市内の小中学校で、1人1台のタブレットパソコンが配布されて2―3カ月。ほぼ毎日のように使用しており、学び方の環境が大きく変化した。一方、新型コロナウイルスの影響で、国のGIGAスクール構想が前倒しされて導入が一気に進んだため、学校現場では試行錯誤しながら有効な使い方を模索している。

「投手どう攻略する?」データで分析も

理科の授業で、教師が写す化石の標本をタブレットで見て学ぶ春日中学校の生徒ら

市は昨年12月から今年1月末にかけて、全小中学校29校に約5100台のタブレットパソコンを配布した。1台約4万5000円。レノボ社製で、取り外せるキーボードが付いている。高速大容量の通信ネットワークも整備し、個人アカウントで学習ソフトやインターネットに自由に接続できる環境が整った。

全校に使用の頻度を尋ねたところ、小学校で「1、2年生の使用は週2、3回」という学校があったが、高学年以上は「ほぼ毎日」使用していた。「鉛筆やノートと同じく、文房具の1つになるように」という言葉が何度も聞かれた。

調べたいことを検索するのはもちろん、写真や動画を撮影したり、それぞれがタブレットに書き込んだ考えや答えを電子黒板で一斉表示したり、グーグルのアンケートサービスで意見を聞いたりするなどの使い方が広がっている。

春日中学校では、数学でグーグルの表計算ソフトを使い、データを分析する授業を行った。ある投手の400球分の球速データを生徒に渡し、グラフ化して、「この投手から打てるようになるには、どんな練習をすればいいか」を考えさせた。データを活用すれば身近な課題が解決できるという例だった。

黒井小学校では、6年生の理科の発表資料をタブレットで作り、スライドで発表した。鉛筆で書くのが苦手な子も進んで取り組めたといい、内田順子校長は「これまでは『模造紙に書く』という作業に何時間もかかっていた。調べて考えをまとめ、人に伝えるには、タブレットは最高の道具」と便利さを感じている。

タブレットやインターネットは、教科を問わずに使用。児童・生徒会や委員会、部活に至るまで、授業以外でも活用が試みられている。

「今はとにかく触って慣れる時期」と、休み時間も自由に触らせている学校がほとんどだ。多くの子が喜んで使っているといい、タイピングやプログラミングのソフトで遊んでいる姿もみられる。動画サイトを見ていることもあるが、教師側がルールを決めることはあえてしていない。

家庭学習にも活用を

子どもたちのタブレットを夜間充電している保管棚。朝、取り出して日中は各自の机に入れている

同市教委は、情報活用能力の育成に向けた3カ年の到達目標を立てている。「日常のふだん使いの中で情報活用能力を身に付ける」(2020、21年度)、「教科の学びにつなげ、授業の中での有効活用」(22年度)、主体的に自らの問題解決にICTを活用(23年度)―の3段階だ。

すでに授業での活用段階に入っている学校も多いように見えるが、コロナ禍の中、教員は研修や日々の情報交換を通して手探りで進めている面がある。

氷上中学校の足立幸広校長はさまざまな可能性を挙げながら、「できることが多過ぎて、何が効果的で、何のためにするのかを考えることが追い付かない」とも。「今は『どれだけ使うか』という量に力点を置いていて、質や有効性を考えるのはこれから」とした。

昨年のコロナ休校の経験を踏まえ、タブレットは家での使用も視野に入れている。各校とも1度は持ち帰らせ、接続を確認したほか、すでに複数回持ち帰らせている学校もある。

ICT活用を先導する県の「HYOGOスクールエバンジェリスト」の一人で、西小学校の池田悟教諭は、「使えることが生活の基盤になる。使えないことで、子どもたちが不利益をこうむらないようにしてやりたい」と話す。担任する4年生の授業で児童たちに「これからは丹波市に住みながら、いろんな人と一緒に仕事ができるようになります」と伝えた。

コロナを機に、学校は一気に新しい学び方の時代に入った。岸田隆博市教育長は、新しく始めた市教委の「ユーチューブ」チャンネルで、GIGAスクール構想やタブレット配布の意義を解説。「これから子どもたちが生きていく時代は、情報を活用しなければ、学ぶことも仕事をすることもできなくなっている」とし、保護者に対しても「家でのルールを決め、一緒に使ったり、子どもから教えてもらったりするようなことができれば。子どもたちの未来のために、学校の挑戦を応援してほしい」と協力を呼びかけている。