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マキタvs.ハイコーキ バッテリーで選ぶならどっちだ マキタ編

魅力はなんと言ってもデザイン。特に巨匠ジョルジェット・ジウジアーロの手による「Makita」ロゴ。あれが付いただけで何でも強そうに見えるからすごい。

が、デザインの強さで言えばハイコーキも負けていない。日立工機時代から円谷プロ出身者が関わっているとの噂が絶えない。例えばニッケル水素バッテリー時代のインパクトドライバー「WH12DM2」。ご興味があれば検索していただくか、2020年10月版のカタログ16Pをよーくご覧になっていただきたいが、あの曲線や色使いはまるで初代ウルトラマンではないか。

余談が長くなった。

話を戻すとマキタの魅力はデザイン、そしてラインナップの豊富さだ。工具以外にもコーヒーメーカー、スピーカー、ラジオ、ロボット掃除機など、家電としても魅力的なものが多い。「どこで誰が何の目的で使うのか」が明確なデザインで、強そうに見えるだけでなく、実際に強い。

最初に充電式工具を買うならマキタ。これは正しい選択に違いないが、36Vへの移行期にあってもそれでいいのか。

■マルチボルトのような互換路線は採用せず

マキタの18Vシリーズは、2020年10月のカタログでアイテム数295点。気がつけば我が家にもラジオから芝刈り機まで12点。ガレージ用品目線でも必要なものは18Vシリーズですべてまかなえる。

ホイール着脱用のインパクトレンチ、タイヤの空気入れ、エンジンルームや下廻りを照らすワークライト。洗車用品としては高圧洗浄機、ブロアー、ポリッシャー、集塵機やハンディクリーナー。レジャー用に保冷機まで。メーカーとしてもこれらを捨てて36Vには移行できない。

ところがマキタはハイコーキのマルチボルトのような互換路線を採らなかった。必要な特許を相手におさえられているという話もあるが、それは別にしてもマキタの36V対応は複雑だ。なにしろ現行製品で5つの36Vラインが存在する。

36Vシリーズ、18Vバッテリーを連装する「18V×2=36V」シリーズ、そして「40Vmax」シリーズと、その連装型の「80Vmax」シリーズ。これにコネクター接続式の背負型バッテリーまで。なぜこんな展開になったのか。

■捲土重来の「40Vmax」シリーズ

工具通販大手ビルディのカテゴリー検索「マキタ 36-40Vリチウム充電工具」でも「36V」「18V+18V」「40V」の3シリーズが混在する

マキタ初の36Vモデルが登場したのは2009年。エンジン工具との置き換えを狙って登場したが、すでに製品の更新は休止しているようで「旧・36Vシリーズ」と呼ぶのが適当かも知れない。

この旧36Vシリーズは18Vバッテリーと互換性がない上に、同じ36Vでありながら充電器に互換性のない2種類のバッテリーが存在する。ラインナップもチェーンソーや芝刈り機のような園芸工具主体の展開で、DIYユーザーには縁遠いシリーズだった。

それでもさすがマキタと感じるのは、まだカタログ落ちしていないこと。18Vバッテリー2本を使って36Vを供給するバッテリーコンバーターや、背負い式バッテリーも用意されている。この先もまだまだ使い続けられる。

現在の新・36Vシリーズとも言うべき「40Vmax」が登場したのは、それから10年経った2019年。18Vシリーズはもとより旧・36Vシリーズとの互換性もなく、工具や充電器すべて入れ替えとなる。

ただラインナップを見ると10年前とは様子が違う。園芸工具向けだった旧・36Vシリーズに対し、40Vmaxにはインパクトレンチやインパクトドライバーのような手持ち工具がラインナップされている。ガレージ用品目線からも「使えそう」なシリーズになっている。

引っかかるのは40Vmaxというネーミング。40Vとは言ってもセルは同じリチウムイオンで定格電圧は36V。40Vmaxバッテリーを連装する80Vmaxシリーズも、実際には72Vだ。

充電直後は40V以上で放電するから嘘ではないという理屈だが、それは中国製工具が18Vを「20V」「21V」と表記しているのと同じ。旧・36Vシリーズとの差別化の意味もあるのかも知れないが、マキタともあろう者が他に言い様はなかったのか。

ちなみにハイコーキは、この40Vmax登場後のカタログに「充電直後の電圧は、MAX41V!!」と大書している。そういうことならウチは1ボルト高く言っておきましょうということで笑ってしまった。

■マキタの必殺技「バッテリー連装」連発

ハイコーキの36V互換戦略がマルチボルトなら、マキタの互換戦略は18Vバッテリー2連装の「18V×2=36V」シリーズだろう。

普及済みの18Vバッテリーと充電器が使える上に、容量も倍になる。バッテリーのマウントが余計に必要だから、インパクトドライバーのような片手で操作する工具には使いにくいが、チェーンソーや草刈機なら問題はない。

そして小型の工具は40Vmaxに任せて、旧・36Vでラインナップしていた園芸工具は、この18V×2=36Vシリーズとして補完する作戦のようだ。

エンジン工具を置き換える園芸工具向けのバッテリーとしては、昨年登場した背負い式バッテリー「PDC1200」もすごい。6Ah18Vバッテリー換算で約11個分の1200Whという大パワー。コネクター接続の専用機の他に、アダプターを介して18V×2=36Vや40Vmaxモデルにも接続できる。しかし市場価格は15万円前後。重量は10kgで、フル充電に6時間。完全にプロ用だ。

 

amazon.co.jpより

同様の背負い式のバッテリーはハイコーキにもあるが、マキタで面白いのは18Vバッテリーを4連装する「PDC01」の存在。こちらは40Vmaxに対応しないが、18V×2=36V、そして18Vバッテリー1個の通常モデルにも対応する。市場価格は4万円前後。重量7kgはきついが、バッテリーをバラで充電できるので、充電時間は充電器の台数次第だ。

■36V移行の鍵を握るキラーツールは?

コロンブスの卵のようなハイコーキのマルチボルトも面白いが、こうして見るとマキタの対策も抜かりはない。小型工具向けに40Vmaxシリーズを新設。あとはバッテリーの連装で18V資産を生かしながら、工具側のハイパワー化を進めておこう。そんな陣形だ。

その36V時代におけるDIYユーザーの選択肢は3つ。マキタの「18V」と「40Vmax」、そしてハイコーキの「マルチボルト」だ。

このうち盤石な18Vに対して、40Vmaxは発売からまだ2年。工具のスペックは高いが、今のところアイテム数は限られ、これからどの程度普及するのかは分からない。それに今から36Vにシフトするなら、ハイコーキのマルチボルトの方が選べる工具の幅は広い。

私はマキタの18Vユーザーだが、36Vについては40Vmaxではなくマルチボルトを選んだ。マキタの18Vシリーズに不満はないし、マルチボルトが加わることで、マキタにはないタイプの高圧洗浄機、Bluetooth対応インパクトや、36Vのハイパワーなハンディクリーナーが使える。工具の選択肢を広げられるのがいい。

では最初に買う工具として、ハイコーキのマルチボルトはどうなのかと言えば、マキタの18Vシリーズにはあるポリッシャーと空気入れがない。そうしたラインナップの差を見極めて問題なければ、マルチボルトでいいのではないか。

結局、ラインナップに魅力的な工具があるかどうか。それがバッテリーシステム選択の決め手だが、いまの私は先月発表された40Vmaxのハンディクリーナー「CL001G」が気になって仕方ない。125Wのパワーは155Wのハイコーキ「R36DA」に劣るが、静粛性で差別化したのは賢明だ。もっといいのはカラバリにオリーブがあること。これ、カッコいいではないか。

Bildy.jpより

1970年代にニッカドバッテリーの充電工具が登場して以降、マキタのバッテリーも1997年にニッケル水素、2005年にリチウムイオンと進化してきた。近い将来、エネルギー密度とコストでリチウムイオンより有利な電池が現れたら、そこでまたゲームチェンジが起きるかもしれない。

なのにバッテリーシステムを3つも揃えてどうするんだとも思うが、うっかり買ってしまったら、ここでまたご報告したい。