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高セキュリティのメッセージングアプリ「Signal」開発者が助言を行った仮想通貨「MobileCoin」がベンチャー資金調達

プライベートメッセージングアプリ「Signal」を開発したMoxie Marlinspike(モクシー・マーリンスパイク)氏から技術指導を受けた仮想通貨「MobileCoin」が、Future VenturesとGeneral Catalystから2ラウンドにわたって1135万ドル(約12億3000万円)の新たなベンチャー資金を調達した。

同社をよく知る関係者によれば、このラウンドにより、現在は利用できないSignalのプラットフォーム上でMobileCoinが利用できるようになる可能性が高まったのではないかという。

マーリンスパイク氏とは連絡が取れなかったが、彼の役割をよく知る人物によると、彼はほぼ完全に自身の事業に集中しているようだ。MobileCoinの創設者であり、LinkedInでMobileCoinの「門番」であると自称しているJoshua Goldbard(ジョシュア・ゴールドバード)氏には米国時間3月9日の午後Signalで連絡が取れたものの、質問への回答は拒否された。投資家らにMobileCoinが他の仮想通貨関連企業と比べてどうなのかという質問をしても、回答を得ることはできなかった。

WiredがMobileCoinを初めて紹介したのは2017年のことで、仮想通貨の大小さまざまな課題を克服する必要があると説明されている。多くの人や商売にとって複雑すぎて使えない、十分な拡張性がない、取引に時間がかかりすぎるなどの課題である。

例えば、CryptoKittiesやNBA Top Shotなどの事業を展開するDapper Labsは、Ethereumのスケーラビリティの問題があったことや、より「消費者志向」のプラットフォームの開発に興味を持ったことから、2020年に独自のブロックチェーンと「Flow」トークンを開発した。

当時Wiredは「世界はもうこれ以上多くの仮想通貨を必要としていないのではないか」としながらも(現在オンライン上では4000以上の仮想通貨が発行されている)「Signal」でのマーリンスパイク氏の実績を考えると「注目に値するプロジェクトである」と述べている。

MobileCoinのウェブサイトによると、同社は携帯電話での「ほぼ瞬時的な取引」による支払いに、確実なプライバシー保護を提供することを目指しているという。しかし、携帯電話に仮想通貨を保存する際のリスクとして、携帯電話のロックが解除されたまま放置されたり、携帯電話の無線がハッキングされたり、または例えばiOS自体がハッキングされたりすることもあり、こういった場合このプライバシー保護の価値が失われる可能性がある(iOSには、特定のサービスや情報へのアクセスをアプリに許可する際に強固な許可システムが採用されているが、それでもこのようなことは起こる)。

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同サイトによると、携帯電話を紛失した際には財布を「安全に復元」できるというのがMobileCoinの特徴だという。ただしこれは秘密鍵を託すプロバイダーを信用しないことには成り立たない(MobileCoinはその必要はないという)。これについては、近日中に詳細が発表されると思われる。

ゴールドバード氏とマーリンスパイク氏は、MobileCoinをSignalやWhatsAppなどのチャットアプリに組み込むことを想定しているとWiredに語っているが、もしMobileCoinがSignalでの事実上の取引方法の1つとなれば、その影響力は絶大なものになる可能性がある。

Signalはプラットフォームのユーザー数を公表していないが、現在、推定4000万人が同社の暗号化されたメッセージングアプリを利用しており、2021年初めのトランプ大統領の任期が終わりつつある時期にダウンロード数が急増した。モバイルアプリの分析を提供するSensor Towerによると、Signalの1日あたりのダウンロード数は通常5万件のところ、1月5日の週には1780万件のダウンロードがあったという。

Signalでの大量使用がMobileCoinの価値向上につながるのであれば、2020年12月初旬に仮想通貨取引所のFTXで購入できるようになったこの通貨は、上昇気流に乗っているように見える。

マーリンスパイク氏の早期段階からの関与は間違いなくプラスではあるものの、仮想通貨とメッセージングアプリの相性は、規制当局の影響もありこれまであまり良いものではなかった。2009年にウォータールー大学の学生グループによって設立されたモバイルメッセージングアプリのKik Messengerは、ユーザーがプラットフォーム内で使用できるKinというデジタル通貨を作成した。このプロジェクトは最終的に米国証券取引委員会との数年に及ぶ争いに発展し、同社はほぼ壊滅状態に陥ったが、現在は復帰を果たそうとしている。

(MobileCoinの擁護のためにいうと、ベンチャーキャピタルを頼ったMobileCoinとは対照的に、Kikはイニシャル・コイン・オファリング、ICOという、当時はまだ実績がなく規制もない資金調達方法でKinから資金を集めようとしていた)

Signalよりもはるかに大規模なメッセージングアプリであるTelegram(2020年4月時点でのユーザー数は推定4億人)も、SECと何年も争った後、スマートフォンを持っている人に独自の分散型仮想通貨を提供する計画を放棄した。Kikと同様、Telegramの一連の出来事の一部は、ICOによるトークンの早期販売に起因している。

Facebookでさえ、新しい仮想通貨に関する野心的な計画を縮小し、代わりにドルに裏づけられた単一のデジタルコインを発行することを決意したにもかかわらず、まだ何も公開していない(間もなく発表されると見込まれるが)。

もしかすると、MobileCoinは単に米国外での活動を計画しているのかもしれない。実際、2020年12月にMediumに掲載された公開記事によると、MobileCoin Foundationは、このプロジェクトを米国のユーザーや「他の禁止された管轄区域の人や団体」は利用できないと記している。

いずれにせよ、今回の新ラウンドはMobileCoinにとって初めての外部調達ラウンドではない。2018年5月には、投資家から2970万ドル(約32億2500万円)を調達したことをSEC提出書類で明らかにしている。報道によれば、仮想通貨取引所大手のBinanceのベンチャー部門であるBinance Labsがその資金調達を主導したという。