アップル幹部らが先日の「Spring Loaded」にて発表された新型12.9インチiPad Proについて、設計思想などを深く掘り下げて米TechCrunchに対して語っています。
アップルの製品マーケティング担当副社長であるGreg Joswiak氏と、ハードウェアエンジニアリング担当副社長のJohn Ternus氏は、米TechCrunchのインタビューにて新型12.9インチiPad Proについて質疑応答しています。
まずスポットが当てられているのが、12.9インチモデルのみに搭載されたLiquid Retina XDRディスプレイです。これにつきTernus氏は「我々は常に最高のディスプレイを目指してきた」としつつ、クリエイティブなプロのワークフローに深く配慮したことを語っています。
これまでアップルの言うXDRことミニLEDバックライト付きディスプレイ、純正の32インチPro Display XDRに限られていましたが、Ternus氏いわく、新IPad Proによって「このディスプレイと機能をより多くの場所で利用できるようにする」との意図があったとのこと。これまでスタジオ内に限られていた超高品質なリファレンスモニター(映像の基準となる画面)を携帯できるようにすることがプロにとっては大きな意義になるから、との趣旨を語っています。
アップル側とプロの人々との対話では、色や画像を仕様に合わせて正確に管理できるフローのポイントが複数あることで、全体的な作業量が減ると感じたとのこと。そこにLiquid Retina XDRを(リファレンスモニターとしては)低価格で投入することで、生産ラインの過程で作業量が均等にならされるというわけです。
またMacと同じM1チップが搭載されたことで、「MacとiPadを融合させるのか?」という質問がまたしても寄せられています。
これにつきJoswiak氏は「iMacとMacが互いに争っている」と「いずれiPadとMacは一緒になって1つのプラットフォームに押し込められる」という2つの声に言及しつつ「どちらも思考スペクトラムの両極にあり、どちらも正解ではない」と否定。つづけて「私たちはそれぞれの分野で最高の製品を提供するために、本当に一生懸命働いていることに誇りを持っています」として融合するつもりはないと示唆しています。
このあたりは先日のThe Independentでの受け答えとほぼ同じであり、あまりに同じ質問ばかりされるのでテンプレート回答を用意しているとも憶測できます。
またJoswiak氏は「当社のMacのお客さまの大半がiPadをお持ちです。それはとても素晴らしいことです。彼らはMacを置き換えるためにiPadを買ったのではなく、適切な道具を適切なタイミングで使っているからです」ともコメント。要はどちらもお買い上げください、という趣旨とも受け取れそうです。
さらに興味深いのは「iPadがタブレット端末を上回っている」として、iPadをタブレット扱いされることを拒否している点でしょう。「iPadとタブレットがありますが、タブレットはあまり良いものではありません。 iPadは素晴らしいものです」とも述べており、アップルユーザーはiPadをタブレットと呼ばないよう配慮すべきかもしれません。
2021-04-25 21:31:45