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新iPad Pro 12.9インチはどこが変わった? 楽しむには「ここを見ろ」(西田宗千佳)

そろそろ購入した方(ただし速攻でクリックした人から順番にだけれど)の手元にも、2021年モデルの「iPad Pro 12.9インチ」が届き始めている頃だろう。

iPad Pro 12.9インチモデル・シルバー。シルバーには同時発売の「Magic Keyboard・ホワイト」がよく似合う。

本体のみで。見た目は旧モデルとほとんど変わりない。

2021年モデルはミニLEDを使った液晶ディスプレイになったこと、プロセッサーが「M1」になって動作が速くなったことなど、内部的な進化点が多い。

というわけで、新iPad Proの進化を楽しむなら「ここを見るといい」という点を、ひと足先に試した人間の視点でご紹介したいと思う。

性能の劇的進化は「誰にでもすぐ体感できる」ものだ

まずはプロセッサーの進化から。

以下の「GeekBench 5」での結果を見ていただこう。まあ、これはあくまで「数値」。ベンチマークを見て一喜一憂できるのはよく訓練されたマニア(もちろん私も含む)だけなので、そのあたりの注意は必要だ。

GeekBench 5でのCPUベンチマーク。白が2021年モデルで、黒が2020年モデル。

ポイントは2つある。CPU速度が「素直に4割速くなっている」こと。ベンチマーク以外の処理をしても、確かにだいたい4割速くなっている。

Adobeのビデオ編集ソフト「Premiere Rush」で、2分30秒に編集した4K動画を書き出すまでの時間を比較してみよう。2020年モデルでは「約180秒」。それに対して2021年モデルでは「約113秒」となった。

同様に、「Lightroom」で144枚のRAW形式写真をJPEGで書き出すまでにかかる時間は、2020年モデルだと「約152秒」だったものが、2021年モデルでは「約96秒」に短縮されている。

どちらも計算上、37〜38%の時間短縮となる。シンプルにこれだけ時間が短くなるのはありがたいことだ。数値をわかりやすくするため、それなりに長い処理を例に出したが、短時間で終わる処理でも、要は「数%でなく数十%の単位で速くなっている」わけで、動作のキビキビさを確認できる。

さすがに、文字入力やらウェブの表示だともともと快適なのでわかりにくいが、「ファイルをZipで固める」とか「動画のいらない部分をカットして他人に送る」などのレベルでも、速度の違いは十分に体感できるだろう。

なお、メインメモリーの量が6GBから8GBもしくは16GB(ストレージ1TB以上のモデル)に増えた結果、アプリ切り替えをした際の挙動がより快適になっている。このあたりも「動作のキビキビさ」に関係してくるだろう。

さらにもう一つ。GPU周りの処理も速くなっている。こちらも「GeekBench 5」の値だが、CPU以上に差が大きい。

同じく「GeekBench 5」でのコンピューテーション(主にGPU)性能ベンチマーク。白が2021年版で、黒が2020年版。

「3D CG以外だと、GPUの処理ってどう効いているのかわからない」という人は多いと思う。実際わかりにくい。だが、写真を撮るときやARアプリを使うときなどには利用していることが増えてきた。その関係上、iPadも(実際にはiPhoneもだが)、ちょっとした処理で発熱しやすくなっている。ビデオ会議でバーチャル背景を使う場合など、意外と負荷は大きいものだ。

そうした際、短時間の試用で感じているのは「発熱が少し抑えられているのではないか」という点である。ファンのないiPad Proでは、プロセッサーの負荷を落とすことが発熱軽減に効いてくる。

今後、向上した処理を縦横に活かすアプリが出てくるかもしれないが、それはもう少し未来の話。今は「かなり速くなった」「ちょっと発熱が少なくなった」という快適さがポイントなのだ。割と、この変化はわかりやすいものかと思う。

ミニLEDのコントラスト向上で映像の「立体感」「没入感」が増す

さて、今回の進化の真打は、やっぱり「ミニLED」だろう。

画質変化はかなり大きく、実際に見れば誰にでもわかる……と筆者は思うのだが、一方で、画質とか音質の違いというのは、いわゆる「アハ体験」に近いところがある。わかる人にはこれ以上ないくらい自明で、悪い方に戻すのが苦痛だったりするのだが、気がついていないと「これでいいのでは?」と思ったりもする。

特に、旧モデルの画質も全体水準で言えば良好なので、ミニLEDモデルを見ていない人から「別にいいんじゃないの?」と思われそうではある。

というわけで、比較写真を示し、「ここを見て」という部分を解説していきたいと思う。どちらも左側がミニLED搭載の2021年モデル、右が2020年モデルだ。

まずは東京駅前のこちらの写真。見て欲しいのは「建物の照明」と「路面」だ。