モトローラ・モビリティ・ジャパンの「moto g100」は、ミドルクラスの「moto g」シリーズという位置付けながら、ハイエンド向けのチップセットを採用し非常に高い性能を誇るのに加え、ディスプレーに接続して大画面で仕事やゲームに活用できる「Ready For」を搭載するなど、非常に個性が際立ったモデルとなっている。実際に使ってみてその詳細を確認してみよう。
厚さと重さが目立つボディー
まずは本体から確認していくと、moto g100はソニーのXperiaシリーズ以外では珍しく、21:9と縦長比率の6.7型を搭載。後述する価格との兼ね合いもあってかディスプレー素材は有機ELではなく液晶だが、映画の視聴がしやすいのに加え、縦長ディスプレーを生かした2画面表示を活用しやすいのもポイントだ。
「moto g100」の前面。Xperiaシリーズ以外では珍しい、21:9比率のディスプレーを備えている
ディスプレーが縦に長いことから2画面分割も有効活用できる
そして本体サイズを確認すると、約73.97×168.38×9.69(最薄部)mm、重量は215gとなっており、手にすると厚さと重さを感じるというのが正直な所だ。低コスト化やバッテリー大容量化の影響といえそうだが、薄型・軽量のスマートフォンになじんでいる手にすると、結構な重量を感じてしまうかもしれない。
左側面から見たところ。カーブがかかっているとはいえ、1cm近い厚さは気になる所
ただ本体の厚さがある分、カメラ部分の出っ張りはかなり抑えられている。最近のスマートフォンはカメラの出っ張りを許容して薄さを追及する傾向にあるが、この辺りは設計思想の違いも影響しているといえそうだ。
背面は、カラーが入りディセントスカイの1色のみというのは残念な所だが、ざらつきのある加工が施されており、指紋が付きにくくなっているのはうれしい。
背面から見たところ。写真では分かりづらいが中央からやや上の位置にモトローラロゴがある
ちなみに指紋センサーは、モトローラ製スマートフォンでは一般的な背面のロゴ部分ではなく、側面の電源キーに搭載される形となっている。指紋センサーが目立たない上にロック解除もしやすいことからメリットは大きいといえるだろう。
指紋センサーは右側面の電源キーと一体で用意されている
なお側面部分のインターフェースを確認すると、右側面に電源キーと音量キー、左側面にGoogleアシスタントキー、本体下部にUSB Type-C端子と3.5mmのイヤホン端子が備わっている。
本体側面下部にはUSB端子に加え、3.5mmのイヤホン端子も用意されている
光るマクロカメラと2眼のフロントカメラが特徴的
moto g100はカメラも特徴的な要素が多い。背面のメインカメラは6400万画素/F値1.7の広角カメラと、1600万画素/F値2.2の超広角カメラ、200万画素/F値2.4の深度センサーとオートフォーカス用のToFセンサーを備えており、4眼構成ではあるが実際の撮影に用いるのは2つのみとなる。
このうち特徴的な機能を備えているのが超広角カメラで、117度の超広角撮影に加え、マクロ撮影用のカメラとしても活用できるのだ。しかもこのカメラにはカメラのリング部分にライトが搭載されており、マクロ撮影時にライトをつけて明るく撮影することが可能。暗い場所で活用すると効果はてきめんだ。
マウスとキーボードによる操作に対応していた「War Robots」をReady Forでプレイ。ゲームによってはマウス操作時にゲームタイムのツールキット(画面左)が表示され、プレイを邪魔してしまうのでMotoアプリからオフにしておいた方がよい
こうした課題は必ずしもReady Forに限ったものではないのだが、スマートフォンをパソコンのように大画面で活用するにはやや工夫と努力が必要なことは覚えておきたい。
【まとめ】重さと厚さはデメリットだが特徴が際立つ面白いモデル
moto g100はハイエンドモデルに匹敵する性能を備えながらも、液晶ディスプレーの採用など随所でコストを落とすことで、公式オンラインストアのMOTO STOREでの価格は5万8800円と非常に低価格に抑えられていることから、ゲームや動画などを安価で快適に楽しむ上ではオトク感が非常に高い。Ready Forはやや利用シーンを選ぶ印象もあるが、フェイストラッキングなどは活用の仕方次第で化ける可能性もあるだろう。
もちろんスマートフォン単体で利用することを考えると、本体の厚さと重さが気になるというのは正直な所。だが非常に際立つ特徴を多く備えているだけに、ハマる人にはかなりハマるモデルとなりそうだ。
2021-05-22 00:18:55