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開幕迫る「WWDC」、大学の先生など“異業種”の人も熱視線

間もなく、毎年恒例のアプリ開発者向けイベント「WWDC21」(世界開発者会議)がオンラインで開幕します。iPhoneをはじめとするアップル製品の次期OSや新サービスの内容が公開されることから、すべてのiPhoneアプリ開発者が注目を寄せるイベントとなっています。そのようなWWDCですが、大学の医学部の先生や地方のWeb制作会社、大学でプログラミングを教える講師など、アプリ開発を本業としていない人からも熱い視線を集めていました。

「WWDC21」間もなく開幕、Appleの未来が見える基調講演の見どころは

○Apple Watchで個人の健康管理や医療の変革を目指す先生

慶應義塾大学医学部 循環器内科の木村雄弘先生もその1人。木村先生は、Apple Watchを活用して心臓にまつわる病気の早期発見につなげることを目指した「Heart Study AW」という臨床研究のためのアプリを2月にリリースしています。

このアプリは、装着していれば常に脈拍を測定するApple Watchの特徴を利用し、寝ている間に睡眠時の脈拍や睡眠時間を取得。さらに、起床時にユーザーに「今日はよく眠れたか」「昨晩はどれぐらい飲酒したか」といった簡単なアンケートを行い、不規則な心拍が見られたり身体にストレスがかかっていて不整脈の危険性が高いと判断した場合、「Apple Watchで心電図を取ってください!」と通知を出す機能を持ちます。病院に診察に行った際、Apple Watchで取得した心電図のデータを医師に見せ、診察の参考にしてもらう仕組みです。合わせて、取得したデータはビッグデータとして大学で今後の医療に生かされます。

木村先生は「これまで、心臓の具合が悪いとなったら、わざわざ病院に行って検査や診察を受ける必要がありました。しかし、Apple Watchが登場したことで、腕のApple Watchで心電図が取れるようになったんです。世の中の人の健康管理のために、Apple Watchをもっと活用したいと思っています」と語ります。

心電図は健康診断で取るのが一般的ですが、木村先生は1年に1度取る程度ではダメだと訴えます。「1枚の心電図があるだけで、その後の治療の方針が変わることもあるほど大事な存在です。ですが、心電図は心臓に問題がない時に取ってもあまり意味がありません。異常な症状が出た時点で速やかに記録することが重要なんです。異常を感じた際、病院に駆け込んで心電図を取りに行く必要がなく、自分の腕の中で30秒で手軽に心電図が取れるApple Watchの存在は大きいと感じます」と評価します。

木村先生は、脈拍計が搭載されたApple Watch Series 1から愛用しており、医療機器ではないのに質の高いヘルスケアデータが取得できる点に早くから着目。「データの質が高いだけでなく、同じデバイスでデータをとり続けられるので、個人のデータの変化が追えるのが大きいと感じます。健康への関心を高めるため、特に高齢者にApple Watchを使ってほしいですね」。

Apple Watchを個人の健康管理や医療の変革に役立てたい、と研究を続けている木村先生。「今度のWWDCで発表される新しい体験をいち早くアプリに実装して、多くの人に届けたいですね」と期待を寄せました。
○LiDARに惚れてARアプリを開発、未経験+地方のハンデはナシ

10人ほどの少数精鋭でWebサイトのデザインなどを手がけている群馬県高崎市のアフェクションも、WWDCの開幕を心待ちにしている会社の1つ。同社はデザインが本業ながら、新規事業の一環でアプリ開発を開始。iPhone 12 ProシリーズやiPad Proに搭載されたLiDARセンサーを利用し、室内などの空間をド派手に演出するユニークなアプリ「Effectron」をリリースして話題を呼びました。

アプリ制作のきっかけとなったのが、iPad ProにLiDARセンサーが搭載されたこと。それ以前からLiDARセンサーの存在は知っていましたが、当時は装置が大がかりなうえに高価で手が出せずにいました。それがiPad Proに標準で搭載されると知り、LiDARを用いたアプリを作りたいと思い立ったそうです。

建築関係者などを中心に注目を集めているLiDARセンサーは、周囲の構造物の形状をリアルタイムにスキャンしてキャプチャするアプリなど、実用的なものがほとんど。そのようなLiDARをエンターテイメントとして活用したい、LiDARセンサーで得たデータをビジュアルにして表現したい、と考えて開発したのがEffectronです。

Effectronは、LiDARセンサーを利用して室内をスキャンし、壁など物体の表面を宇宙空間やSFのようなエフェクトをかけるという楽しいアプリ。LiDARセンサーが物体までの距離を正確に検知することから、壁の前にいる人物にはまったく異なるエフェクトをかけてくれるうえ、iPhoneやiPadを動かしてもグラフィックスがずれることはなく、とてもリアルに仕上がっています。

Effectronはアプリ内課金のシステムを導入していますが、これ自体で大きな収益を上げているわけではありません。しかし、このアプリが会社にとって大きなビジネスチャンスをもたらしました。Effectronの完成度の高さが評価され、ほかのARアプリの開発や教育系アプリの開発などの依頼が寄せられているのです。

それまで、アプリ開発の経験はなかった同社ですが、アップルが用意しているさまざまなアプリのサンプルを参照したり、開発者向けサイトに用意されているフォーラムに寄せられた内容を見たりして、アプリ開発は比較的しやすかったと語ります。

たとえアプリ開発の経験がなくても、たとえ会社が渋谷や六本木などの都心ではなく地方にあっても、熱意とアイデア次第でオンリーワンの画期的なアプリが開発できるアップルのプラットフォーム。今年のWWDCも、さまざまな業種の人がいろいろな場所から参加してくれることでしょう。
○Swiftの楽しさを伝え、プログラミングを多くの人に広めたい

色鉛筆を使う感覚でお絵描きができるiPhone/iPad用のペイントソフト「彩えんぴつ」を開発した渡邉賢悟さんも、WWDCを心待ちにしている1人です。Apple Pencilにも対応して筆圧が操れる彩えんぴつ、実は最初のリリースは初代iPadがまだ登場していない2010年と、ハードウエアやOSに合わせて進化を続けてきた超ロングセラーアプリなのです。

そんな渡邉さんですが、実はプログラミングを教える東京工科大学の講師、という別の顔も持っています。さまざまなプログラミング言語を試してきた渡邉さんですが、現在はSwiftを用いています。渡邉さんは「これまでのプログラミング言語は、分厚い解説書を開いて全然面白くないことを延々とやらされ、自分のやりたい部分に到達した時には心が折れてしまう…ということになりかねませんでした。しかし、Swiftならば、いきなり楽しい部分から入れるよう工夫されているんです。Swiftを用いたプログラミングは本当に楽しい、と多くの人に感じてほしいと思っています」と思いを語ります。

Swiftに惚れ込んだ渡邉さんがSwiftのプログラミングを多くの人に広めるべく作成したのが、Swift Playgroundsのアプリで閲覧できるプログラミング解説の電子教材「Lily Playground Books」です。Swift Playgroundsは、Swiftのプログラミングが学べるアップル製の無料学習アプリで、Lily Playground Booksはおもにさまざまな図形を描画する方法を詳しく解説しています。とても実践的な内容で分かりやすくまとめられているにもかかわらず、Lily Playground Booksは無料で提供されており、誰でも自由に購読できます。

ちなみに、授業で教えるプログラミング言語をSwiftに移行した際、「また新しいものを覚えないといけないのか…」と拒否感を示す生徒もいたといいます。しかし、実際にSwiftを触っていくうちに生徒たちが率先してSwiftのことを勉強し、こんな部分がいいですねと先生にメモを残していくようになり、授業が活性化していったそうです。生徒がくれたメモは、Lily Playground Booksの作成にもしっかり生かされています。

そのような渡邉さんがWWDCに期待していることは、1つがアップルのデバイス間の連携がもっと増えるのかということ。「iPhoneとApple Watchがあればマスクをしていても迅速にロック解除ができるようになりましたが、そのようなデバイス間連携がもっと充実するといいですね」と語ります。もう1つが、Swift Playgroundsで3DグラフィックスやARまわりをもっと自在にコントロールできるようになることを期待しているそうです。

注目のWWDC21の基調講演は、日本時間6月8日午前2時から、アップルのWebサイトやYouTubeのアップル公式チャンネル、Apple TVアプリなどで視聴できます。日本では深夜となりますが、配信終了後はアーカイブでも視聴できますので、ぜひ楽しみにしていましょう!