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Appleのメールの新プライバシー機能はニュースレターの脅威となるか?

Appleは年次の開発者会議「WWDC21」でiOS15を発表し、新たなプライバシー機能の数々を紹介しました。その中にメールが開封されたかどうかを送信者に知られないようにする「メールプライバシー保護」が含まれていますが、この機能が現在ブームを迎えているとされるニュースレタービジネスに脅威をもたらす可能性がある、と指摘されています。

ほとんどユーザーが“保護する”を選択する可能性

iOS15で「メール」アプリを開くと、「メールプライバシー保護」のプロンプトが表示されるようになっており、“メールアクティビティを保護する”か“メールアクティビティを保護しない”かの選択肢を迫られるようになっています。

この2つのオプションを見たとき、ほとんどのユーザーは“保護する”を選択すると予測されており、これがニュースレタービジネスを脅かすとされています。

Appleは機能について、Newsroomで下記のように説明しています。

「メールプライバシー保護」は、メールが開封されたかどうかを送信者に知られないようにします。IPアドレスを隠し、送信者がIPアドレスを使って、ユーザーの位置情報を把握したりプロファイルを作成したりできないようにします。

ピクセルトラッキングができなくなる?

iOS15で新たに導入される「メールプライバシー保護」は、送信者が目に見えないピクセルを使ってユーザーの情報を収集する“ピクセルトラッキング”と呼ばれる手法を阻止するものです。

ピクセルトラッキングにより、どのくらいの確率でメールが読まれているのかなどがわかるようになり、送信者は自身のアクティビティの効率性を把握するための情報を得ることができます。

現在のところ、多くのユーザーはピクセルトラッキングの存在を認知していないといわれていますが、もしこれが周知されるようになれば、大体的に“ノー”が突きつけられる可能性も十分にあります。

しかしながら、昨今のニュースレターをもとにしたジャーナリズムの盛り上がりを考慮すると、一方的にトラッキングを阻止するAppleのやり方には疑問点が残る、との意見もあります。

メールクライアントデバイスでHTMLメールの表示確認ができるオンラインサービスLimusによれば、2021年5月時点でスマホで開封される93.5%のメールは、iPhoneまたはiPad上の「メール」アプリを介して届くことがわかっています。デスクトップ環境でも、Mac版「メール」アプリで全体のメールの58.4%が開かれているとのことです。