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NFCラベルを金属的な見た目に加工、通信性能は据え置き 凸版印刷が新技術

凸版印刷は6月18日、通信性能を維持したまま、NFC(近距離無線通信)ラベルに金属調の加飾を施せる技術を開発したと発表した。パッケージに高いデザイン性が求められる高級酒や化粧品などでNFCラベルの活用を見込む。

凸版印刷によればNFCは金属との相性が悪く、これまではラベルを金属調に加工すると必要な性能が維持できなかったという。そこでNFCラベルのアンテナの設計を見直したり、独自の印刷手法を活用したりすることで、通信性能を保持したままラベルを加工できるようにした。

加工方法は「金属調装飾タイプ」と「金属調鏡面タイプ」の2種類。金属調装飾タイプは金属箔をデジタル印刷と同社独自の印刷技術を組み合わせてラベルに転写する手法で、版元が必要ないため比較的低コスト・短納期での制作が可能という。

金属調鏡面タイプはラベルに金属を蒸着させることで、鏡面のように仕上げる手法。ラベルを金色や銀色などに加工でき、マット(艶や光沢を出さない)な見た目にもできるとしている。

 凸版印刷によれば、これまでラベル型NFCは製品やパッケージに貼り付けて必要な通信性能を付与する目的で使われており、ラベルそのものを装飾したり、目立つ場所に貼ったりすることは少なかったという。

 しかし、昨今はNFCに対応するスマートフォンが普及したことなどから、ラベルを装飾したり、目立つ位置に貼っても違和感のない見た目にしたいというニーズが増加。こういった動向を受けて今回の技術を開発した。

 凸版印刷は今回の技術により、見た目の重要度が高い商品にもラベル型のNFCを貼り付けやすくなるとしている。ただし製品化やサービス化は未定という。