ウィンドウズ11がもうすぐ登場する。6月24日、マイクロソフトは今年後半に次期ウィンドウズをリリースすると発表した。ウィンドウズ10は2015年に登場し、最後のウィンドウズになると打ち上げた。機能追加は年2回の大きなアップデートで行われており、もう数年おきにOSを買うというサイクルからは開放されたと言っていいだろう。ここで、また元に戻ってしまうのだろうか?
マイクロソフトからウィンドウズ11が発表された
ご安心を。6年ぶりの大幅刷新で、ナンバリングも11になるが、サービスとして提供されることには変わりがない。ウィンドウズ11が動作するウィンドウズ10搭載PCであれば、タダでアップグレードできる。
実は、マイクロソフトの発表に先駆け、ウィンドウズ11のディスクイメージファイルがネットに漏洩した。多数のユーザーが早速インストールし、様々な情報が飛び交っている状態だ。色々と使い勝手が良くなっているようで、正式登場が楽しみ。ウィンドウズ11のプレビュービルドは今週にも公開される予定だ。
ちなみに、英語で検索すれば、ウィンドウズ11の漏洩したISOファイルを見つけることができるが、ITに詳しくないならインストールしない方がよい。元々、違法に公開されているものだし、ウィルスを仕込んで再配布している輩もいるためだ。無料で正式公開されるのだから、そちらを利用したほうがいい。
◆見た目はガラッと変わった
ウィンドウズ11の見た目は色々と変化した。まず今まで一貫して左下にあったスタートボタンが中央揃いに並ぶようになった。違和感はあるが、意外と操作性は悪くないだろう。今は、アイコンをフォルダーにまとめたりサイズを変更することはできないが、追って対応することだろう。スタートメニューのライブタイルはなくなっている。
InternetExplorer 11やコルタナ、タイムラインがなくなり、数式入力パネルやニュースと関心事項、ロック画面の簡易ステータスといった機能は削除された。スカイプやペイント3Dなども標準インストールからははずされている。
ニュースと関心事項の代わりに、キュレーションできるウィジェットが搭載された。マイクロソフトはこれまでにもウィジェットのような機能を追加しては廃止するということを繰り返してきたが、今回はどんな感じに仕上がっているのか楽しみだ。
ユーザーが興味のあるコンテンツを手軽に見られるウィジェットが用意された
マイクロソフトのビデオ会議機能を搭載するコラボレーションツール「Teams」がウィンドウズ11に組み込まれるのもポイント。ビジネスユースには大きい影響を与えるだろう。ビジネスチャットサービスの「Slack」などは文句を言いそうだ。すでに昨年、「Teams」を「Office 365」にバンドルしているのは独禁法違反だとEUに提訴しているほど。この場外乱闘も見逃せない。
大きなトピックとしては、Microsoft Storeで販売するアプリの開発者は独自のコマースプラットフォームを利用できるようになった。必ずしもマイクロソフトに上納金を支払わなくてもアプリを販売できるのだ。アップルとグーグルは高い手数料を強制しており、批判に晒されている。アプリ開発で後れを取っているマイクロソフトとしては、この機会にアプリ開発者を囲い込む狙いがあるのだろう。こちらは嬉しい競争と言える。
また、Microsoft StoreからAndroidアプリをインストールできるようになるという。すぐにGoogle Playのように使えるわけではないようだが、とても面白くなりそうな機能だ。
◆アップグレード可能か診断する方法
使っているPCがウィンドウズ11に対応しているなら、来年まで無料でアップグレードできる。ぜひ、見逃さずにゲットしておきたい。まずは、PCがウィンドウズ11に対応しているか確認しておこう。マイクロソフトのサイトを開き「互換性の確認」の「アプリをダウンロード」をクリックすると、互換性チェックアプリをダウンロードできる。アプリを開き、「今すぐチェック」をクリックすれば、ウィンドウズ11への対応を確認できる。「このPCでWindows 11を実行できます」と表示されればOKだ。
システムの最小要件は1GHz以上2コア以上の64ビット互換プロセッサ、4GB以上のメモリ、64GB以上のストレージ、DirectX12互換のグラフィックスとなる。
問題になりそうなのが、「TPM2.0」と「セキュアブート」だ。「TPM2.0」は暗号化機能を利用するためのモジュールで、ストレージを暗号化する「BitLocker」に使われている。「セキュアブート」はPCを起動する時に不正アプリを実行しないように検証する機能で、UEFI(BIOS)の機能として提供されている。どちらも、ウィンドウズ11を安全に利用するためのセキュリティ機能だ。
ここ4年くらいに購入したPCであれば「TPM2.0」を搭載している可能性が高く、オフになっている可能性もある。もし、実行できないと表示された場合は、UEFIの設定をチェックしてみよう。
本当に非対応であれば残念ながらウィンドウズ11は利用できない。タイミングを見て、買い換えが必要になるだろう。