NEC、AIで光ファイバーの異常検知や損傷予防を行う製品販売

NECは6月30日、光ファイバーから検知した振動をAI(人工知能)で分析してファイバーの異常検知や損傷予防を行うソリューション「NEC Intelligent Optical Fiber Sensing Solution」を販売開始した。価格は3300万円。販売目標は2025年までに30社以上、売上100億円以上。

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新ソリューションは、敷設済みの通信用光ファイバーからのセンシングを行う、同社の光ファイバーセンシング技術を用いたもの。光ファイバーの片端に取り付けるセンシング装置に加えて、ファイバーに異常を加える可能性がある振動や外部環境を検知する機能や、ファイバの緯度経度などの位置情報を元に地図上に正確に表示するマッピング機能などを持つソフトウェアで構成する。

現在、5G(第5世代移動通信システム)通信の普及が進む中でファイバーの敷設が増えているが、ファイバーの損傷などによる通信障害が与える影響度が増加しており、通信事業者や光ファイバー所有者はファイバの保全・管理業務の効率化を支援する仕組みを求めているという。

同ソリューションは、通常とは異なる振動から異常を検知することで、工事や経年劣化などによるファイバー損傷の予兆検知ができるとともに、ファイバの位置情報の正確なマッピングにより、損傷個所の迅速な特定と修繕が可能としている。

同社はこれまで光ファイバーセンシング技術を使用して、電柱のひび割れの検知や米Verizonと道路の交通状況把握などの交通モニタリングの共同実証を実施し、有効性を確認しているという。同ソリューションについても、ベライゾンのフィールドで実証を実施して有効性を確認しているとのこと。

今後は同ソリューションの適用範囲を広げ、既存ファイバーを使用した広域モニタリングにより取得した情報をスマートシティに応用するなど、多様な領域における価値創造を目指していく方針だ。