ソフトバンクが、老舗カメラメーカー「Leica(ライカ)」のスマートフォン「Leitz Phone 1」を発売しました。ベースはシャープのAQUOS R6ながら、筐体デザインからライカが手掛けたとのことで、よくある単なるコラボモデルとは一線を画した端末に仕上がっています。もちろん、ライカだけにカメラに力を入れており、ある意味ではコンデジにスマートフォン機能が付いているとも言えるかもしれません。
とはいえ、そんなカメラ機能についてはすでにレビューが上がっていますし、そもそも筆者自身、カメラに詳しいわけでもありません。なので、カメラフォンではあるものの、ひとまずカメラについて置いておいて、それ以外のスマートフォン部分に注目してレビューしてみたいと思います。
「Leitz Phone 1」と「AQUOS R6」はどこが違う? ライカ初スマホをじっくり検証
想像以上にがっつりライカ。Leitz Phone 1 開発裏話(石川温)
基本仕様はAQUOS R6と同等
Leitz Phone 1はAQUOS R6がベースとなっているだけあり、基本的な仕様はAQUOS R6と共通です。
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左右が湾曲した6.6インチのPro IGZO OLEDを搭載するのもAQUOS R6と同じですが、上下がフラットになっており、見た目の印象は大きく違います。おそらくはカメラを意識したデザインになっているのだと思いますが、このデザインを見た時、どことなく、往年のNokia Limiaシリーズを思い出したのは筆者だけではないかもしれません。
ちなみに、一部界隈では「自立する端末は設計がいい端末だ」という話も聞きますが、Leitz Phone 1はちゃんと自立します。
本体左右には、ライカのカメラでおなじみ(らしい)のローレット加工(細かいスリット状の加工)が施されています。単なるデザインではなく、ホールド感がアップするという効果もあります。右側面にあるのは上からボリュームとGoogleアシスタントキー、電源ボタン。
SIMスロットは上部に配置。micro SDも利用可能です。なお、デュアルSIMではありませんが、SIMフリーとのこと。
底面には3.5mmジャックにUSB。右端にあるのはスピーカーです。
背面はLeitz Phone 1のもっとも特徴的な部分かもしれません。上部中央には大きな円形のカメラバンプがあり、四角い形状だったAQUOS R6とは大きく印象が異なっています。また右上にLeicaのロゴはあるものの、シャープの文字や機種名を示すものは配置されておらず、非常にシンプル。また、背面はシルキータッチのラバー塗装となっており、端末の質感を高めています。この手の仕上げは、数年後の加水分解が心配でもありますが、そこは問題ないと信じたいところです。
ちなみによく見ると、メインカメラが中央にはなく左端に寄っています。これは基板設計がAQUOS R6と同じため、その配置に引きずられているのでしょう。
▲カメラは2020万画素の1眼。右上にあるのはToFセンサー
カメラには専用のキャップも付属。ライカによれば「キャップを外し、構えて撮る。ライカであることのよろこびを増幅させてくれるアクセサリー」とのことです。キャップはマグネットの着脱式。簡単に外れてしまわない程度の磁力はありますが、左右に回転させると磁力の反発で浮き上がる仕様になっており、容易に着脱できます。
カメラバンプが中心にあるおかげで、背面を下にして置いてもガタツキは気になりません。キャップを付けるとさすがに浮き上がりますが、この状態でもグラグラすることなく、むしろ程よく角度が付いて画面が見やすい気すらします。
▲レンズキャップなし(上)とあり(下)時の背面の浮き上がり方の違い
このほか、シリコン製のケースも付属。このケースを装着時にもレンズキャップは利用可能です。
最大240Hz駆動に対応するPro IGZO OLED
ディスプレイには、AQUOS R6と同じWUXGA+(1260x2730)のPro IGZO OLEDを搭載。1~120Hzの可変リフレッシュレートに対応しており、別途ゲーミング登録したアプリについては、途中に黒画面を挿し込むことで、疑似的に240Hz駆動に対応します。
ゲーム目的にLeitz Phone 1を購入する人は少ないと思いますが、ゲーミングフォンとしても活躍しそうなスペックです。
AQUOS色はかなり薄め
こうしたコラボスマートフォンの場合、外観にはオリジナリティを出すものの、中身についてはベース機のまま、ということも少なくありませんが、Leitz Phone 1はそのあたりも徹底しています。
たとえば、AQUOSシリーズの便利機能をまとめた「AQUOSトリック」については、そのまま「便利機能」という名称に。これぐらい変えなくてもと思いますが、それぐらいAQUOS色は薄めです。ただ、AQUOS端末に搭載されているエモパーは利用可能。こちらはアプリのプリインストールなので、見逃してもらえたのでしょう。
このほか、ライカのLFIギャラリーを表示できるオリジナルの「LFIウィジェット」も搭載。LFIギャラリーはライカが発信している写真キュレーションサイトで、投稿された写真をプロカメラマンが評価し公開しています。これをホーム画面上に配置することで、いつでもライカな世界を担当できます。なお、壁紙にもライカのオリジナル壁紙を収録しています。
▲ホーム画面上部に配置されているのがLFIウィジェット(左)。プリセット壁紙もライカオリジナル仕様(右)
シャッター音もライカ仕様
カメラのUIについては、基本的にAQUOS R6を踏襲しつつ、ライカ仕様も加わっています。たとえば、プレビュー画面内に表示される四角い枠。これはライカのカメラに表示されるものを模しているようです。
ライカならではのモノクロ撮影を行える「Leitz Looks」モードも搭載。また、シャッター音が「ライカM」の音を再現した「カシッ」といういかにもシャッターを切った機械的な音になっています。
▲白いフレーム右下の数字は焦点距離(?)。1倍では24、2倍では48になります。なお。0.7倍ではフレーム自体が表示されません
以下、素人写真ですが作例を何枚か載せておきます。何も気にせず構えて撮影しただけですが、被写体によってシャープだったり、淡いボケ感だったりというのが他のスマートフォンよりも綺麗に出る印象です。