新品互換用パソコン バッテリー、ACアダプタ、ご安心購入!
ノートpcバッテリーの専門店



人気の検索: ADP-18TB | TPC-BA50| FR463

容量 電圧 製品一覧

スペシャル

Appleの「iPhoneの写真やメッセージをスキャンする施策」が世界各国の監視&検閲の強化につながるとの指摘

Appleは「児童の性的搾取に関連するデータ(CSAM)」の拡散を防ぐためにiPhoneの写真やメッセージをスキャンする施策を2021年8月5日に発表しました。Appleは同施策が「ユーザーのセキュリティを損なうものではない」とアピールするFAQを公開していますが、電子フロンティア財団は「Appleの施策は、世界各国でCSAM以外のデータの検閲強化につながる可能性がある」と指摘しています。

Appleは、2021年8月5日に、「メッセージアプリ」「iCloud写真」「Siriと検索機能」といったサービスでコンテンツの検閲や、ユーザーの検索ワードの監視を行い、CSAMの拡散防止に取り組むことを発表しました。Appleは、同施策がユーザーのプライバシーを侵害することはないと強調していますが、多くのユーザーや団体から「プライバシーが損なわれる可能性がある」「システムにバックドアを仕込むようなものだ」といった批判が集まっています。

AppleがiPhoneの写真やメッセージをスキャンして児童の性的搾取を防ぐと発表、電子フロンティア財団などから「ユーザーのセキュリティとプライバシーを損なう」という抗議の声も - GIGAZINE

その後、Appleは同施策がセキュリティやプライバシーを侵害するものではないことを強調するべく、「メッセージの中身を見るわけではない」「iCloudに保存された写真のハッシュ値をスキャンするのみで、端末に保存された他の種類のデータをスキャンするわけではない」といった内容を記したFAQを公開しました。実際のFAQの内容は、以下の記事で確認できます。

Appleが「児童性的虐待資料検出はプライバシーを損なうものではない」とFAQを発表 - GIGAZINE

上記のFAQの中で、Appleは「我々はこれまでも、ユーザーのプライバシーを侵害するような政府主導の変更の導入・構築の要求に直面し、それらを断固として拒否してきました。今後も、要求は拒み続けます」「この技術は『iCloud写真に保存されたCSAMの検出』に限定されたものであり、対象を拡大しようとする政府の要求には応じません」と述べ、政府の要求によってユーザーのプライバシーを侵害するようなことはあり得ないと主張しています。

しかし、電子フロンティア財団は中国で広く利用されているメッセージアプリ「WeChat」がメッセージを検閲して実質的な政治的監視を行っていることを例に挙げて、「WeChatの事例は、CSAMの検出専用に構築されたAppleのスキャンシステムが、検閲と政治的迫害のため使われる可能性を示しています」と述べ、中国がAppleに対して圧力をかけた場合、Appleの検出システムがCASMを検出する以外の用途に使われる可能性があると指摘しています。

電子フロンティア財団は、中国以外の国でも同様の事態に発展する可能性を指摘しています。アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドの5カ国の諜報機関からなる機密情報共有枠組み「ファイブ・アイズ」は、2018年に「企業が暗号化されたデータへのアクセスを提供しなかった場合、技術的・司法的な措置を遂行する」とする声明を発表しました。電子フロンティア財団はファイブ・アイズがテロ対策などを理由にAppleに対してデータの検閲を求める可能性があると主張しています。

また、インドでは、企業に対してインドの法律で禁止されているコンテンツをブロックすることを求める規則が2021年に制定されました。さらにインドネシアでも法律で禁止されているコンテンツがサービスに含まれないことを保証するように求める規則が制定されています。電子フロンティア財団は、インドやインドネシアは、新たな規則を根拠にAppleにデータ検閲の強化を求める可能性があると指摘しています。

記事作成時点では、Appleの施策はCSAMのみを対象としています。しかし、電子フロンティア財団は「例えば、同性愛が非合法とされている国は、Appleに対して同性愛関連コンテンツを検出対象にするように求める可能性があります」と述べ、Appleが新施策を実施する場合は、ユーザーのプライバシーを保護するために世界各国からの検閲要求に抵抗する必要があると主張しています。