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なぜ、iPhoneだけが世界を変える製品になりえたのか?

・2013年頃からのAIと「ディープラーニング」 ・Raspberry Pi やマイコン技術の復活 ・ブロードバンドや2005年にはじまったYouTube ・FacebookやTwitterなどSNS ・クラウドコンピューティング

このあとにも、ミラーワールド(あるいはデジタルツイン)や量子コンピューティングなどを加えることになるのかもしれない。

しかし、1つの製品が、我々の生活や社会まで変えたとなると2007年のiPhoneの発売しかないと思う。もちろん、手に持って使うようなコンピューター端末は、iPhoneよりも前から存在していた。PalmやTreo、Blackberryもあった。モバイルでインターネットもとっくに使えていた。それでは、iPhoneは何が違ったのか?

スティーブ・ジョブズという人は、レオナルド・ダ・ヴィンチのような天才発明家ではないし、ましてや魔法使いでもない。誰かが作ったものを見て「自分ならもっと上手くやれる」というタイプの人と言ったほうが近いと思う。私は、「スティーブ・ジョブズはどこにでもいる」という原稿を書いたことがある。

YouTubeシリーズ「ブロックdeガジェット by 遠藤諭」の#9は、まさにそのiPhoneだ。ただし、2007年の初代iPhoneの1年後の2008年に日本でも発売されたiPhone 3Gである。動作性能を一気に2倍にして、3Gに対応、サードパーティ製アプリを使えるようにしたiPhone 3Gが、いまのiPhoneの原型だといえる。

この番組の中で、私は、その製品について喋りながらブロックを組み立てているのだが、やっぱり最後に問いたかったのは、

「なぜ、iPhoneだけが世界を変える製品になりえたのか?」

ということだ。

それに対する答えのヒントは、iPhoneのロック画面の宇宙からみた地球の写真である。当時、これをみて「なぜ地球なの?」と思われた人も多かったと思う。この地球、『Whole Earth Catalog』という1968年に創刊されて、ジョブズが強く影響を受けたとされるヒッピーカルチャーの雑誌の表紙モチーフなのだ。

『Whole Earth Catalog』、コンピューター系の人たちというよりも、とくに日本では私のようなサブカル系の人間にとって伝説的な存在だった。1980年代に『東京おとなクラブ』というミニコミを作っていたが、神保町の源喜堂で買った『Whole Earth』や『WET』などの米国の自由な雑誌に刺激されていた。創刊から間もない頃の『宝島』などに、その匂いがプンプンとしていた時代である。

『宝島』の前身といわれる『Wonder Land』(1973年、晶文社)を引っ張りだしてみた。植草甚一氏の編集と銘打っているから都市や音楽や小説を語る内容で、Whole Earthでもないのだが。

そして、『Whole Earth Catalog』といえば、2005年に、ジョブズがスタンフォード大学で行った講演のしめくくりは、その最終号に書かれていた「Stay hungry, Stay foolish」という言葉だったことはよく知られている。

hungry=ハングリー、貪欲と訳される

foolish=愚か者であれと訳されている

なにげなく聞き流すとなんの驚きもないのだが、ジョフズに限らず、新しい何かを生み出す人たちは、みんなこうなのだと思う。見た目が、背広を着たサラリーマンであろうが、スタートアップのTシャツのお兄ちゃんであろうが、オシャレでかっこいいAppleという大会社を経営していようがだ。

いまのままでよいという怠惰な考えをやめ、常識から一歩踏み出すことが大切なのだと思う。日本のエンジニアもそうだったし自分たちもそうありたいと思う。そんなことを思いながら小さなブロックでiPhone 3Gを組み立てたので、ぜひご覧いただきたい。