5GやXRを活用した国際間遠隔カンファレンス！医療分野で実証実験を実施

Holoeyes株式会社は、株式会社Dental Predictionとともに世界初の試みとなる、5Gネットワークを活用したVR空間上における国際間遠隔医療カンファレンスの実証実験を、日本とシンガポールの医師・歯科医師をつなぎ実施したことを発表しました。

本実証実験は、Holoeyes社が提供する医療用画像表示サービス「Holoeyes XR」及びオンライン遠隔共有カンファレンスサービス「Holoeyes VS」を活用して実施されています。

国際間遠隔医療カンファレンスの実証実験について

VR空間内で、宇野澤元春 歯科医師（日本側）とシンガポール側の歯科医師でインプラント症例の共有及びカンファレンス

VR空間内で、岡崎勝至 歯科医師（日本側）とシンガポールの歯科医師で歯内療法症例の共有及びカンファレンス

実施内容

今回の実証実験では、日本とシンガポールを5Gネットワークで繋ぎ、2回にわたり遠隔カンファレンスが行われています。

5Gネットワークに関しては、シンガポールの大手通信会社Singtelの5G実験施設「5G Garage」及びNTTドコモの「ドコモ5Gオープンラボ®Yotsuya」の利用及びNTT DOCOMO ASIAの現地サポートを受けています。

今回の1回目のカンファレンスでは、Holoees社 COO 兼 CMO兼 医師で、帝京大学冲永総合研究所 教授の杉本真樹医師が、シンガポールの消化器外科医2名に肝臓の腫瘍切除の模擬カンファレンスを、VR空間上で実施。

また2回目のカンファレンスでは、Dental Prediction社の宇野澤元春歯科医師とニューヨーク大学歯学部准教授の岡崎勝至歯科医師が、シンガポールの日本人歯科医師に歯列の3DモデルをVR空間上で操作しながら、インプラント治療や歯内療法・歯科器具に関する説明を実施しています。

参加した医師、歯科医師のコメント

5Gを使用してスムーズなデータ転送を行うことができ、ストレスなく遠隔カンファレンスの体験が出来ました。

UIも直観的で使いやすかったです。

Holoeyesサービスは、患者への説明・若い外科医への教育、手術計画など意思決定のためのツールとして使用できると考えています。

また、ネパールやブータン、バングラディッシュ等の途上国での教育にも有用です。

次のステップとしては、教育に取り入れる他、複雑で難易度の高い症例でVR空間でのディスカッションを行いたいです。

今後、使用したヘッドセット（Oculus Quest 2）にも実空間でも位置合わせができる機能があると更に良くなると思いました。

シンガポールの日本人歯科医 I先生

これまでにHoloeyesサービスを使ったことはありませんでしたが、非常にスムーズに利用することができて驚きました。

歯学部の学生に対する教育や、現役の歯科医師が技術力をアップするためのトレーニングに役立つと感じました。

私はシンガポール在住の日本人の診療に加え、パンデミック以前は日系歯科クリニックのない近隣国に住んでいる日本人向けに歯科の相談会を行っていました。

日本語で医療の相談ができることは外国で暮らす日本人にとって安心感につながりますが、新型コロナの影響でここ2年程実施できていません。

今後は、口腔内のCT撮影等を行ってくれる現地の歯科クリニックと提携し、VR相談会が開催できるとよいなと感じました。

今後の展開

本実証は、Holoeyes社と株式会社NTTデータ経営研究所が共同で実施している総務省事業「シンガポールにおけるARやMR等技術を活用した遠隔医療システムの展開に向けた調査研究」の成果の一部であり、Holoeyes社では、今回の実証実験の様子をNTTドコモの展示会イベント『docomo Open House’22』において紹介する予定となっています。

医療分野においては、”日本国内に限らず、国際間でもVR技術を用いたオンラインでの遠隔カンファレンスは今後も加速していくこと”が予想されており、今回の実証実験の結果を踏まえて、”教育支援サービスで医師のスキルアップを支援することにより、外科医をはじめ医療人材不足や医療の地域間格差解消へ貢献すること”を目指していくということです。

まとめ

医療ITベンチャー企業であるHoloeyes社は、NTTドコモの協力のもと、歯科医療ITベンチャー企業であるDental Prediction社とともに、日本とシンガポールを5Gネットワークで繋ぎVR空間上における国際間遠隔医療カンファレンスの実証実験を実施した事を発表しました。

技術の革新により、医療機関や国境を越えて症例を共有することができるようになる日も近いと感じさせてくれる、明るいニュースですね。