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グーグルが米電子カルテ大手と提携 医療IT「破壊」の起爆剤になるか

米グーグルは3月15日、米医療IT大手メディテック(MEDITECH)と臨床向け統合ソリューションの開発で提携すると発表した。医療部門「グーグル・ヘルス」が手がける医療データプラットフォーム「ケア・スタジオ(Care Studio)」の検索などの一部機能を、メディテックの電子医療記録(EHR)システムに導入する。グーグルのほこる高度な「情報整理力」で使い勝手のよくなったEHRが普及すれば、既存の医療IT業界全体の「破壊」にもつながるかもしれない。

グーグルの説明によると、ケア・スタジオは「グーグルの情報整理技術を活用して、臨床医が医療記録情報をより素早く見つけられるようにする」臨床向けソフトウェア。医師は調べたい事項を検索窓に入力するだけで具体的な情報や関連する項目をすぐに見つけられるほか、通院歴や治療の経過など患者の重要情報もまとめて一覧できる。直感的なインターフェースを採用し、医療データや傾向などを表やグラフのようなわかりやすい形式で視覚的に把握できるようにもしている。

グーグルは、現行の医療系ITシステムの多くが直面している障害に対処しようと、このプラットフォームを入念につくり上げた。現在、このシステムを通じた新たなパートナーシップの構築に動き始めており、メディテックとの提携もそのひとつだ。

発表文によると、グーグルとメディテックは、ケア・スタジオのデータ整合、検索、要約といった機能の一部をメディテックのウェブベースEHR「メディテック・エクスパンス」に取り入れ、「深く統合されたソリューション」を開発する。

具体的には、メディテックはケア・スタジオのツールを用いて、縦断的な医療データ層をつくり、さまざまなソースからのデータを標準フォーマットにまとめ、臨床医が患者記録を一覧できるようにする。ケア・スタジオの検索機能をメディテックのEHRに組み込むことで、臨床医は重要な情報をより素早く見つけ、フリクションレスの経験が可能になる。

このほか、ケア・スタジオのインテリジェントサマリー機能を用いて、エクスパンスのワークフロー上で重要な情報を直接強調できるようにもする。こうして「医療データの相互運用性を向上させ、もっとつながったエコシステムというメディテックのビジョンを実現する」ことを目指す。

今回の協業はグーグルのクラウド事業部門「グーグル・クラウド」とメディテックのパートナーシップを拡大するという位置づけで、新たに開発するサービスでもグーグル・クラウドのインフラを活用する予定だ。

メディテックとの提携はグーグルにとって、期待の膨らむ画期的な出来事だと言えるだろう。グーグルはすでにクラウドやデータサイエンスなど「垂直」方向で多くのヘルスケア企業と強い関係を築いているものの、EHRなどの分野では比較的若い企業だ。メディテックのような大手との提携は、グーグルのこの分野の製品が成熟し、そのプラットフォームを新たなフロンティアに拡大する用意が整ったことを示している。

メディテックのEHRシステムは広く利用されており、世界の大手医療機関にも採用されている。グーグルの参入により、この分野の可能性は無限に広がる。同じくEHRを手がけ、この10年ほどで一気に存在感を高めた新興医療IT企業の米エピックなども、グーグルなどと組む機は熟している。

グーグルがケア・スタジオを将来、他社のシステムと競合する独立したEHRプラットフォームとして売り出す計画なのか、それとも今のように既存のプレイヤーとの提携を続けていくつもりなのかは現時点では判然としない。とはいえ、グーグルがほかの分野でいくどとなく示してきたように、医療ITの分野にも破壊(ディスラプション)が迫っているのは間違いない。

医療ITは変革のときを迎えており、そこでグーグルが非常に重要な役割を果たすことになるのも確実だろう。