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ソフトバンクが持ち株を手放す自動運転「クルーズ」の強み

GMは、同社が出資する自動運転テクノロジー企業クルーズに対する支配力を強化するため、ソフトバンクのビジョンファンドが保有する同社の株式を取得し、追加で13億5000万ドル(約1600億円)を注入する計画だ。クルーズは、自動運転による乗車サービスの開始に近づいている。

デトロイトを拠点とするGMは3月18日、ソフトバンクに21億ドルを支払ってクルーズの株式を取得する計画を発表した。クルーズにはホンダも出資しており、GMのロボタクシーとデリバリーサービスの中核モデルとなるEV(電気自動車)のオリジン・バンの開発を支援している。

「GMはバランスシートの強みを生かしてクルーズへの出資を増やし、自動運転車両の開発戦略を統合的に進めていく。今回の投資は、我々とクルーズが自動運転技術の商業化とポテンシャルを最大限に引き出す上で、最も価値あるフレキシビリティをもたらす」と、GMのCEOで会長のメアリー・バーラは声明で述べた。

クルーズのCEOは、昨年12月まではダン・アマンが務めていたが、アマンの辞職を受けてこれまでCTOを務めていた創業者のカイル・ヴォグト(Kyle Vogt)がCEOに就任した。同社は2月に、サンフランシスコでロボタクシーサービスを開始するとアナウンスした。

また、米国運輸省が自動運転車の安全基準をアップデートしたことを受けて、クルーズはEVからハンドルやペダルなどの機器を取り除くという目標を発表した。

2013年創業のクルーズは、今回のGMの追加投資を含めると累計100億ドル以上を調達している。ただし、クルーズは昨年12億ドルの損失を計上しており、損失額は2020年の8億8700万ドルから拡大している。

「当社の投資は、長期的な価値を創造するためのものだと信じている」と、GMのバーラは述べている。

クルーズのヴォグトCEOは、1月のフォーブスの取材で、来年から同社のロボタクシーサービスにオリジンを追加し、ラッシュアワーのピーク時には自動運転タクシーとして用い、需要の低下時には食料品や食品のデリバリーを行うなど、1日を通して活用することで収益を最大化できると考えていると述べていた。

ヴォグトは18日の声明で「クルーズは今後も、GMと柔軟なパートナーシップを保つ独立した企業として、運営を続けていく」と述べた。