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アップル、ロシアでのApple Pay停止の抜け穴になっていた国産クレカ「ミール」を封じる

今なお続くロシアのウクライナ侵攻を受けて、2月末にApple Payはロシア国内で利用停止となったはずでした。Apple Payに紐付けられた現地の主要銀行口座が経済制裁の対象となったほか、Visaやマスターカードなどのクレジットカードが現地で使えなくなったため、結果的に利用が封じられた格好でした。

しかし、その後もロシア独自の決済カードシステム「ミール」が抜け穴になっていたため、これも塞がれたと報じられています。

米Reutersによると、NSPK(ロシア中央銀行の子会社でミールを運営)はアップルから「Apple Payにおけるミールのサポートを一時停止している」と通知したとのこと。3月24日以降はApple Payに新たなミールカードを追加できなくなるとともに、今後数日以内に、以前に追加しードのオペレーションもすべて停止すると発表されています。

ロイターに対し、ロシア銀行最大手のズベルバンクは、アップルがアクセスを制限したことにより、「Apple Payでミールカードは利用できなくなる」と答えています。

当初、影響を受けた銀行はVTBグループ、ソブコムバンク、ノビコムバンク、プロムスヴィヤズバンク、オトクリティの5つでした。これら5つの銀行が発行するカードがApple PayおよびGoogle Payで使えなくなっていたわけですが、そこにミールカードも加わったかっこうです。

ロシアでのApple Payは2016年からサービス開始されましたが、それから6年後にウクライナ侵攻を受けて事実上、サービス停止となりました。記事執筆時点では、アップルがいつロシアでApple Payを復活させるかは不明です。

またGoogleも同様の措置をとっており、Google Payとミールカードの接続を一時停止したと発表しています。Google広報はThe Wall Street Journalに「Google Payは、当社の管理外の決済サービスの混乱により、ロシアでの決済関連サービスを一時停止しています」と述べています。

なお、ロシアの顧客がロシア国内にて物理的なカードを使って非接触決済を行うことは可能です。もっとも、Apple PayとGoogle Payというスマートフォンの代表的な決済手段を失ったことで、現地の人々は相当な不便を余儀なくされることになりそうです。