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「タイムトラベル」「瞬間移動」「ブラックホール」について、科学が今説明できること

近代科学はタイムトラベルとテレポーテーションについて、どう考えているのだろうか。いつの日か実現する可能性はあるのだろうか。

イギリスの理論物理学者ジム・アル・カリーリが監修した書籍『未来はどのような姿になるか(原題:What The Future Looks Like』(英語版2018年出版、日本語未訳)のロシア語翻訳版が、ロシアの出版社アリピナから2019年11月に出版された。

本書では、アル・カリーリを筆頭とする多数の科学者たちが、人類の未来はどうなるかという問いに挑んでいる。気候変動はどうなるか。交通手段はどうなるか。人工知能(AI)が普及したら、どんなふうになるのか。遺伝子を利用した治療薬でうつ症状を軽減したり健康を回復したりするのか。どんな目覚ましい技術発展がこの先に待っているのか。日常生活にはどんな革新があるのか。

そして最後には遠い未来を見遥かし、タイムトラベルやテレポーテーション(瞬間移動)の実現性について答えを出そうと試みている。以下に抜粋して紹介したい。

「瞬間移動」の概念はどこから来たか?

テレポーテーションの基本的発想は、何かをある場所から別の場所へ、その2点の間に物理的に存在する空間を横切ることなく移動させることである。SF小説、映画、ビデオゲームでよく描かれるが、実は、あなたが思っているよりも早くから可能にはなっているのだ。

テレポーテーション装置に最初に言及したのは、知られている限りでは、アメリカの短編作家エドワード・ペイジ・ミッチェルが1877年に発表した小説「身体のない男(Man Without a Body)」(未訳)である。

この作品では、科学者が人間の身体を生きたまま原子に分解する機械を発明する。その原子を、電流を流すように電線を通して送り、受信した機械が人間として再結合する。何より興味深いのは、この作品が電子の発見(1897年)よりも前に書かれていた点だ。原子の性質についても、まだ理路整然とした説明が付いていない時代だったのである。

そこから半世紀ほど時間を早送りして、1929年になると、イギリスの推理小説家アーサー・コナン・ドイルが「分解機」という短編を発表する(龍口直太郎訳、創元SF文庫『毒ガス帯』に収録)。モノを小さなかけらに分解し、再び元の形に形成できる機械の話だ。登場人物のひとりは、「有機物である人間が(中略)徐々に消えていき、それから逆回しでもう一度姿が現れるという、そんなプロセスが想像できるか?」と問いかけている。

この作品の2年後には、アメリカの作家チャールズ・フォートが、人間やモノが姿を消して別の場所で現れるという不可思議な現象を説明する用語として、「テレポーテーション」という造語を編み出した。フォートの定義によれば、テレポーテーションは神秘現象や超常現象と同じく、科学的な世界観で受け入れられている枠組みでは説明が付かない例外的な事象だ。フォートが超常現象を熱心に調べていたので、理屈の付かない不思議な出来事は「フォート現象」とも呼ばれた。

現在のようなテレポーテーション装置のイメージが広まったのは、1958年公開のホラー映画『ハエ男の恐怖』がきっかけである。科学者が自ら装置に入ったとき、その中に入り込んだハエの遺伝子と自分の遺伝子が混ざってしまうというストーリーだった。