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iPhone 14は「自撮りのオートフォーカス」に対応の見通し

アップルが今年発売するiPhone 14シリーズの価格は、大幅に上昇する見通しだが、その理由の一つが明らかになった。

韓国のテック系ニュースサイトET Newsは5月23日、今年のiPhoneが史上初めて韓国企業が製造したフロントカメラを搭載すると報じた。このカメラは自撮りの画質の大幅な向上をもたらすが、大幅なコストの増加にもつながるという。

匿名の関係筋がET Newsに語ったところによると、アップルは当初、iPhone 14シリーズに中国メーカーのカメラを使用する計画だったが、クオリティの問題の発生を受けて、その計画を変更し、本来は来年のiPhone 15向けに用意していた韓国のLG Innotekのカメラを搭載することにしたという。

ET Newsは、このカメラの導入で、iPhoneのフロントカメラに初めてオートフォーカス機能が加わると述べている。著名アナリストのミンチー・クオは、4月のレポートでiPhone 14の全てのモデルのフロントカメラがオートフォーカスに対応し、レンズのf値が前モデルのf2.2からf1.9に改良されると述べていた。

これにより、「被写界深度の浅い、よりボケ味のある写真が撮影可能になり、オートフォーカスの搭載によりFaceTimeでのビデオ通話や自撮りの動画のフォーカスが鮮明になる」という。

しかし、このカメラの欠点はコストの高さだ。「iPhone 14のフロントカメラのコストは、以前のモデルの3倍近くになる」とET Newsは伝えているが、これは筆者が記憶している中で最大のコンポーネントの価格上昇だ。

これまでのiPhoneの、デュアルカメラからトリプルカメラへの移行や、高リフレッシュレートのディスプレイの採用などは、すべてコスト増につながったが、特定のモジュールのコストが3倍に上昇するという例は、これまで無かった。

これらの理由から、アップルは今年のiPhone 14の価格を大きく引き上げることになる。米国では、iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxの価格がそれぞれ1099ドルと1199ドルになると予想されており、これは13シリーズよりも100ドル高い価格だ。さらに、699ドルのiPhone 13 Miniの代わりに投入される6.7インチの大画面端末のiPhone 14 Maxは、前モデルから少なくとも200ドルの値上げになりそうだ。

一方で、前向きなニュースとしては、これまでの報道で単なるiPhone 13の焼き直しに過ぎないと考えられていた標準モデルのiPhone 14にも、フロントカメラの画質の向上がもたらされることで、この端末の魅力が大きく増すことが考えられる。ビデオ通話やライブストリーミングの利用が増える中で、自撮りの画質の向上は大きな意味を持つ。

アップルは、2023年のiPhoneをUSB-Cに切り替えると報じられており、今年の最新モデルには手を出すべきではないという考え方もある。しかし、今年の買い替えを決意した人たちにとって、状況は少し良くなっている。