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宇宙に行くより地球に住み続けたい。「Yanekara」が仕掛けるエネルギー革命とは

東大発スタートアップ企業「Yanekara」は4月下旬、太陽光によるEV充放電システムの実証実験を成功させた。太陽光発電でつくった電力をEV(電気自動車)に充電、さらに、その電気を建物へ放電する実験だ。

Yanekaraは、東京大学大学院工学系研究科に在籍中の松藤圭亮(代表取締役CEO)と、吉岡大地(代表取締役COO)が、2020年6月に設立。

「いますぐアクションを起こさないと手遅れになる」と環境問題に危機感を持ち続けてきた彼らは、「再生可能エネルギー100%の未来へ」を掲げ、この充放電システムを開発した。

現在約30人のメンバーが集まり、圧倒的なスピードでソフトウェアとハードウェアの双方の独自開発を進めているYanekara。創業者の2人に、起業の経緯や夢を聞いた。

──環境問題、特に脱炭素社会の実現に興味を持ったきっかけは。

吉岡: 私は幼少からアウトドア好きの父の影響で、夏は登山、冬はスキーと、自然に触れて遊んできたこともあり、環境問題に興味を持つようになりました。

中学生の頃から、将来は環境問題について先進国のドイツで学ぶと決めて、ドイツのなかでも先駆的なフライブルク大学へ進学しました。

松藤:私も子どものころから環境問題に関心がありました。親の話によると、6歳でノートに「地球温暖化を止める」と書いていたそうなので、そのころからですかね。

自分で覚えているのは、小学6年生のときに自由研究でソーラークッキングをやったこと。太陽光でお湯を沸かしてゆで卵をつくったり、コーヒーを淹れたりしました。そのときに、「人は太陽光だけでも暮らせるんじゃないか」と思ったんです。

そして「太陽光と電気が温暖化を解決するカギになるだろう」と、電気について学ぶため、東京大学に進学しました。

──お二人の出会いは?

松藤:大学のゼミの後輩から、「同じビジョンを持っている人がいる」と紹介されたんです。そこから、ドイツにいる吉岡とリモートで日本のエネルギーについての勉強会をするようになりました。

吉岡:そんな中、ある授業で、国連の関連機関であるIPCCが発表した気候変動に関するレポートを読む機会がありました。そこに「2030年までにアクションを起こさなければ、2050年には1.5度〜2度の気温上昇が現実になってしまう」と書かれていて、衝撃を受けたんです。

そこで松藤に「このままでは手遅れになる。自分たちができることをやってみないか?」と電話しました。この時に、「再生可能エネルギー自給率100%」を目指して、太陽光によるEV充電システムをつくるという、Yanekaraの構想が生まれました。

──そのビジネスアイデアがIPA 独立行政法人 情報処理推進機構の「2020年度 未踏アドバンスト事業」に採択され、2020年6月に会社を設立しましたね。

松藤:私は大学で研究者になりたいと思っていたのですが、研究者として温暖化にアプローチする新たな原理を発見しても、社会実装される保証はないということに歯がゆさを感じていました。

大学で起業という選択肢を知り、社会実装するなら起業しかないな、と思うようになりました。

吉岡: 松藤とはお互い同じビジョンを共有でき、スキルも補完し合える。この人と一緒だったら起業できるなと感じました。

松藤:吉岡はチームビルディングが得意で、私は技術力に強みがあるので、良いパートナーですね。

──Yanekaraのビジネスアイデアは、どのようにして生まれましたか。

松藤:Yanekaraのミッションは「地球に住み続ける」です。

日本では太陽光パネルを設置するために山を切り拓くという、環境保全と逆のことが起こっているケースもみられます。一方で屋根に目を向けると、太陽光パネルが設置されているのは日本の全世帯の10%以下とも言われています。

社名の「Yanekara(やねから)」には、遠くの山を切り拓くのではなく、まず私たちが暮らす「屋根から」エネルギーを自給するという想いを込めました。

吉岡:そして太陽光によるEV充電システム開発にたどり着き、「市場の大きさ」「いま攻めるべき市場か(タイミング)」「顧客が明確なペイン(課題)を持っているか」、という3つの条件に照らし合わせて、ブラッシュアップしてきました。

会社設立前から大手企業30社以上をまわり、顧客(法人)が抱えている課題のヒアリングを重ねてきました。事業の着想は、そうした現場での課題から生まれたもので、それらをプロダクトに反映させてきています。

──具体的にどのような課題がありましたか。

松藤:既存の充放電器は「一度に多くのEVを充放電できない」という課題です。

そこでYanekaraでは1基で最大4台のEVを充放電できる充放電器をつくり、「拡張性」を武器にしました。何基も設置する必要がないので、従来の充放電器より確実に導入コストが落とせます。