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ソニーがついにPCゲーミング市場進出 培ってきた「高画質・高音質」で挑む

ソニーがPCゲーミングギアの新ブランド「INZONE(インゾーン)」を立ち上げた。ソニーといえば、すでに世界的な成功を収めているPlayStationのゲーミングコンソールがあまりにも有名だが、インゾーンは「PCゲーミング」に特化する方向で新たな若いソニーファンの獲得を目指す。

インゾーンのブランドを冠する第1弾の製品ラインナップは液晶モニターが2機種とヘッドセットが3機種。一部製品を除き、国内では7月8日から順次販売を開始する。モニターは日中欧米、ヘッドセットは世界各地にも広く展開する。

インゾーンはPCゲーミングに特化した新ブランド

新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの最中は、家の中で快適に過ごすための生活手段を求める人々による「巣ごもり需要」が高まり、家族で楽しめるゲーミングコンソールやモバイルゲームが脚光を浴びた。

かたや、ハイスペックなPCとアクセサリーを揃えて、オンラインゲームにのめり込むコアなゲーマーと、彼らの活躍をeスポーツ大会のオンライン配信等を通じて応援するオーディオエンスは、10〜20代の若年層を中心にパンデミックの影響を受けることなく毎年堅調に伸び続けている。

ソニーはよりストイックに「没入」と「勝利」の体験を探求するPCゲーミングのファンに狙いを定めてインゾーンを展開する。

ソニーの名前はエレクトロニクスのブランドとして世界中に広く浸透しているが、ゲーミングギア業界では初参入のニューカマーだ。先を行く強力なライバルも少なくない。先駆者の背中を追いかける立場となるソニーは、オーディオビジュアルの分野で培ってきたハイクオリティな「画質」と「音質」を実現するテクノロジーを足がかりに差別化を図る。インゾーンが狙うポジションは「ゲーミングギアのプレミアムブランド」だ。

「勝利」を呼び込む高画質・高音質

筆者はソニーのオフィスで上位のゲーミングモニター「INZONE M9」を実際に視聴した。本機はソニーの4Kテレビ「ブラビア」の上位モデルも搭載する、高精度な液晶パネルのバックライト制御技術を搭載する。

明暗部のディティールを引き出すパフォーマンスがとても高い。並みのゲーミングモニターであれば「黒つぶれ」する映像の暗部に、隠れている敵や障害物が鮮やかに見える。対戦形式のシューティングゲームで勝利を収めたり、あるいは複数のユーザーどうして同じゲーム空間を共有するロールプレイングゲームを楽しむ際に、インゾーンのモニターは明らかな違いをつくり出せるだろう。

ゲーミングヘッドセットの上位モデル「INZONE H9」にも、ソニーがオーディオヘッドフォンの開発により培ってきた音響技術が活きている。ソニーの豊かな経験値の差を、最も強く感じられる部分が「音づくり」の巧みさだ。音の温かみやつながりの滑らかさが求められるオーディオヘッドフォンに対して、INZONE H9が描き出す音場は息を吞むほどクリアに澄み渡っている。

ゲームサウンドのディティールがグンと勢いよく浮かび上がり、背後から忍び寄る敵の足音は方向までもがよくわかる。視覚と聴覚の両方が究極まで研ぎ澄まされるような体験だった。「この画音一体の上質なゲーミング体験を提供できるブランドはインゾーンの他にない」とソニーの担当者は強く言い切る。

ゲーム大会への協賛、インフルエンサーマーケティングの両側から攻める

インゾーンはこれから、ゲーミングギアの性能にもシビアにこだわるコアなゲーマーの関心を大いに惹きつけるだろう。ただ、インゾーンのラインナップはライバルが展開する商品よりも価格が数段も高い。ソニーの技術力に裏打ちされた「勝てる」パフォーマンスを、本気のPCゲーマーたちに証明する体験の場が必要だ。

ソニーもその必要性を十分に認識しており、オフラインとオンラインの両側からファンとのコミュニケーションを深めるマーケティング戦略を練っている。

オフラインではeスポートの大きな大会への協賛、ブースの出展に力を入れる。昨年、2021年にグループ会社のソニー・インタラクティブエンタテインメントがRTSと共同で買収したEVOをはじめDOTA 2、Valorant Champions、CROSS FIREなど人気の大会とのコラボレーションが検討に上がっているという。

オンラインではYouTubeなどの動画配信プラットフォームを活用したインフルエンサーマーケティングをスタートした。影響力を持つ人気のプロゲーマーがインゾーンのパフォーマンスにお墨付きを与えれば、ECサイトでゲーミングギアを買い求めるファンの購買意欲を刺激しそうだ。

実際に支えるのは「古くからのソニーファン」?

ソニーはインゾーンをPCゲーミングのブランドとして立ち上げることに全力を注ぐ構えだが、一方ではPlayStationのユーザーを強かに獲得することも狙っている。モニター、ヘッドセットの上位製品には、最新のPlayStation 5と接続した時に映像や音の設定を自動で最適化する機能を設けている。実際に、インゾーンのデビューは献身的な「PlayStationゲーマー」たちに支えるのではないか。

画質と音質に優れるインゾーンのデバイスはさまざまな用途に「つぶしがきく」と筆者は感じた。例えばモニターはデジタルカメラで撮影した写真や動画の編集作業にも向いているし、クリアな通話音声ができるボイスチャット用マイクを搭載するヘッドセットはリモートワークにも重宝しそうだ。ソニーの狙いとは裏腹に、筆者が属する40〜50代を中心とするソニーというブランドに強い憧れを抱く層が、気前よくインゾーンのハイクオリティなギアを買い求める姿も目に浮かぶ。