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Nothingの7万円を切る個性派スマホが日本上陸、iPhoneのライバルとなるか

ロンドンに拠点を置く新鋭のエレクトロニクスブランド、Nothingが初のスマートフォン「Phone (1)」を正式発表した。8月から日本でも発売を予定する。メモリとストレージの仕様により分かれる3機種のうち、ミドルクラスのモデルは税込6万9800円となる。価格も魅力的な新端末の注目すべきポイントを紹介する。

先進的でコスパも良いPhone (1)

NothingのCEO兼共同創設者であるCarl Pei(カール・ペイ)は、日本にはまだ上陸していない中国のモバイルブランドOnePlus(ワンプラス)の立ち上げに携わった人物だ。OnePlusは、日本でも人気のモバイルブランドであるOPPO(オッポ)の姉妹ブランドに位置づけられ、主にプレミアムクラスのスマートフォンを展開している。

そのOnePlusのDNAを継承するNothingは、2021年にブランド初のプロダクトとしてノイズキャンセリング機能を搭載するワイヤレスイヤフォン「ear (1)」を発売した。日本の販売価格は税込1万2650円。同等の機能を持つワイヤレスイヤフォンの中では安価な商品といえる。

「Nothing初のスマホ」は、今年の6月頃からメーカーのホームページなどによるティザーが展開され、その断片的に情報が伝えられてきた。本機の販売価格に寄せられる期待も膨らんでいたが、このほど7万円以下のモデルが揃うことが明らかになった。ネットやSNSの反応を見る限りファンからは歓迎されたようだ。

なお、現時点ですべてのモデルが日本で取り扱われるのかわからないが、メインメモリとストレージ容量の構成が異なる「8GB+128GB」「8GB+256GB」「12GB+256GB」の3種類がある。カラーはホワイトとブラックの2色展開だ。

スムーズな体験を重視したハードとOSのデザイン

Nothingは7月13日の日本時間深夜にPhone (1)のオンライン発表イベントを開催した。ペイ氏はPhone (1)が搭載するAndoridをベースにしたカスタムOSである「Nothing OS」の設計思想について「安心してスムーズに使えるユーザー体験をかなえるために、余計なプリインストールアプリを省くこと」を重視したと伝えた。フォントに壁紙、ウィジェットなどもハードウェアとの一体感が得られるようにデザインを統一する。

Phone (1)は6.55型のディスプレイを搭載する。曲げ加工が可能なフレキシブルOLEDを使って基板とのコネクタを背面にまで回り込ませることにより、ディスプレイの四方を均等にナローベゼル化した。フロントカメラ部の切り欠きは左肩にピンホールを配置している。

本体側面フレームの素材は100%リサイクルされたアルミニウム。筐体内部等に使うプラスチック素材は有機資源を原料とするバイオマスプラスチック、またはリサイクル素材とした。「本体の軽さに注目してほしい」とペイ氏が語るPhone (1)の質量は193.5g。参考まで、画面サイズが近い6.7インチのiPhone 13 Pro Maxの質量は238gだ。

映像の表示は最大輝度1200nitsまでサポートするHDR対応。動画等の滑らかな描画を実現する最大120Hzの可変リフレッシュレートに対応。タッチパネルのリフレッシュレートは240Hz対応としているので、ゲーミングスマホとしてもコアなユーザーから注目されそうだ。

個性を際立たせる光のUI

端末の個性を際立たせているのは、強化ガラスが保護する背面全体に広く配置した900個のLEDの明滅により、着信やアプリからの通知を知らせる独自の「Glyph Interface」だ。特定の連絡先からの着信、アプリの通知にひもづけて光のパターンをカスタマイズできる遊びの要素が含まれる。端末をデスクの上に画面を伏せて置いている間は、通知音をミュートしてLEDの明滅だけで着信等を知らせたり、LEDの明るさを設定する機能もある。

背面左肩には2つのレンズが縦に並ぶデュアルカメラを搭載する。複数のレンズユニットを搭載するスマホが流行している昨今のトレンドに対して、ペイ氏は「1つのカメラユニットだけに気合いを入れて、他のユニットが貧弱なようでは本末転倒。Phone (1)のデュアルカメラは2つのユニットともに本気」であると強調する。

デュアルカメラは広角と超広角、それぞれに画角の異なるレンズを搭載する。どちらも50メガピクセル(5000万画素)のイメージセンサーを積んだ。明るいレンズとデジタル手ブレ補正機能を搭載したことにより、暗い場所でも高画質な静止画・動画を安定して撮れるカメラであることも特徴にうたっている。

チップセットはクアルコムがモバイルのハイエンド端末向けとして提供する「Snapdragon 778G Plus」を搭載。5Gや高速充電、ワイヤレス充電などをサポートする。バッテリースペックはフル充電から約18時間の連続駆動に対応する。

テスラにも広がるNothing OSのエコシステム

独自のOSであるNothing OSは、デザインに基づいたシンプルなユーザー体験を提供することを目的にカスタマイズされたOSなので、おそらくはベースとするAndroid OSに対応するアプリやゲーム等をGoogle Playストアから入手して楽しめるようになるだろう。カスタムOSの互換性におけるノウハウは、先に「ColorOS」を展開するOPPOにより培われていると見ていい。

ペイ氏はNothing OSのユーザー体験をさらに豊かなものにするため、スマートフォンを中核とするさまざまなスマートデバイスとの連携拡大にも力を入れると述べた。先行して発売されたワイヤレスイヤフォンであるear (1)とのワンタッチペアリング機能はその先駆けだ。端末の発売後はテスラのEVと連携して、スマホからドアのロック解除、エアコンの操作、ヘッドライトを点滅させてクルマを探す遠隔操作機能などが使えるようになる。同機能がPhone (1)の発売後すぐ日本でも提供されるのか現時点ではわからない。

iPhoneなどライバルとの競争に勝つ要素とは

7月にアップルがiPhoneを含む自社製品の値上げを発表したことで、スマートフォンユーザーの関心は安価なミドルレンジクラスの良質な端末に向き始めた。NothingのPhone (1)は独創的なデザインや光のギミックに加えて、シンプルな操作性と比較的手頃な価格においても十分に魅力的だ。
日本は諸外国に比べて特にiPhoneユーザーが多い国だといわれている。iPhoneは端末の世代が異なっていてもiOSによる体験が共通であることから、話題のアプリや機能を仲間とシェアしたり、初めてスマートフォンを手にする家族に操作を教える時にも都合が良い。

日本の場合、充実したアフターサービスを用意する通信キャリアから端末を買い求めるユーザーも多いことから、おそらくはSIMフリーの形態で販売されるPhone (1)は、当初デジタルガジェットの使いこなしに長けたギークなファンの端末になるだろう。

また発売後も価格のメリットだけでシェアを拡大することは困難だ。先行するライバルと肩を並べるためには、Nothing OSのエコシステムに賛同するパートナーを広げて、独自に魅力ある世界観をつくることがライバルとの競争を勝ち抜くためにも欠かせない。