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EV電池リサイクルの米レッドウッド社、4800億円で新工場建設へ

テスラの共同創業者で元CTOのJB・ストラウベルが設立したバッテリーリサイクル会社「レッドウッド・マテリアルズ(Redwood Materials)」は、35億ドル(約4780億円)を投じて、電気自動車(EV)用バッテリーの主要材料を製造する工場をネバダ州に建設する。このような工場は米国で初めてで、同社は初期段階で年間100万台のEVに材料を供給する能力を持つ予定という。

ネバダ州カーソンに拠点を置くレッドウッドは昨年、10億ドルの施設を建設すると発表していたが、場所は特定されていなかった。同社の広報担当者は、ネバダ州スパークスにあるテスラのギガファクトリーの近くの175エーカーの土地で、最初の工場の建設を開始したと述べている。新工場では、2025年までに年間100ギガワット時のバッテリーを製造するために十分な量のアノード(陽極)を生産する予定という。

レッドウッドは今後数年のうちに米国内で他の工場も開設し、最終的には最大500ギガワット時のバッテリーに十分な材料を生産する計画だ。同社はこれまでに約10億ドルを調達しているが、追加資金の調達元についてはコメントを避けた。

テスラの主要バッテリーパートナーであるパナソニックは、レッドウッドが製造するアノードの主要な顧客となる予定だ。

「当社は今年、アノード用の銅箔の生産を開始し、2024年にはカソード(陰極)の生産を開始し、2025年には両方とも100ギガワット時まで増産する。現在、これらのパーツは米国で生産されておらず、バッテリーセル工場の材料費のほぼ全額を占めている」と同社の広報担当のAlexis Georgesonは述べた。

現在、EVのバッテリーや材料の大半は、中国、韓国、日本で生産されている。しかし、バイデン政権は国内生産を優先し、超党派のインフラ法で31億ドルの予算を計上した。過去1年で、GMやフォード、ヒュンダイ、パナソニックなどの企業が、リチウムイオン電池を製造する新工場への数十億ドルの投資を発表し、GMは3月に韓国のポスコケミカルとカナダでアノードを生産すると発表した。

レッドウッドは、ニッケルやコバルト、マンガンなどの原材料を、自社のリサイクル施設とパートナー企業から調達すると述べている。

環境に配慮したバッテリー製造

同社は、これらの原材料が世界的に供給不足であることと、鉱物資源の採掘が環境に悪影響を及ぼすことを考慮し、サステナブルな方法でバッテリーの製造を可能にしようとしている。同社は先日、使用済みバッテリーパックから材料を回収するために、フォルクスワーゲンおよびアウディと提携した。また、トヨタやフォード、ボルボ、プロテラとも同様の提携を結んでいる。さらに、アマゾンやパナソニック、北米最大の電子廃棄物処理業者のERIともリサイクルプログラムを実施している。

ストローベルは、20年近く前にイーロン・マスクと共に創業期のテスラに参画し、CTOとしてバッテリーパックと電気モーターの開発を主導した。彼は、2019年に同社を去るまでギガファクトリーを監督していた。

レッドウッドは昨年、フォードやフィデリティ、ビル・ゲイツのBreakthrough Energy Ventures、アマゾンのClimate Pledge Fundから7億7500万ドルを調達した。同社は未上場で、収益の詳細を明らかにしていない。