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好きなことが入り口 メタバースで活躍するアーティストは新しい舞台をどう感じているのか

一般社団法人Metaverse Japan(以下、メタバースジャパン)は、2022年7月14日に初の大規模カンファレンス「Metaverse Japan Summit 2022」を開催。渋谷ストリームホールを会場に2つのステージでは合計19のセッションが行われ、実機やサービスを体験できる展示ブースとあわせて、にぎわいを見せていた。

メインステージで行われた「Web3メタバースが生み出すアーティストエンパワメント」と題したセッションでは、メタバースジャパンの代表理事を務めている長田新子氏(一般社団法人渋谷未来デザイン理事・事務局長)を司会に、HIKKY COO/CQOのさわえみか氏、カヤック メタバース専門部隊 事業部長/カヤックアキバスタジオCXOの天野清之氏、そしてVRアーティストのせきぐちあいみ氏が登壇。せきぐち氏はオンラインでの登壇となったが、現在のメタバース関連でのアーティスト活動などについてのディスカッションが行われた。

好きなことがメタバースにつながっていた

メタバースでのアーティスト活動をスタートするきっかけについて、さわ氏は「もともとヘアメイクをしていて絵が好きで、そこからクリエイティブ業界に入っていった。そこからソーシャルゲームやeスポーツなど新しいモノが好きで、時代の流れといっしょにいろいろな表現の方向から、いろんなモノを作ってきた。そこから2017年末頃から、現実空間でやっている撮影とか映像を撮ったりすることをバーチャルでできないかと始めた」とのこと。

天野氏は「もともと映像監督とかもやっていて、2015年くらいにインタラクティブでやるブームがちょこちょこ出てきたとき、自分も独学でプログラムとかやってみたら結構相性が良くて。そこからカヤックに入ったのですが、昔は(こういった作品づくりは)コミュニティでやっていて、そういったものを作るのが結構珍しかった」と話し、企業からの映像制作依頼などをうけて数々の作品を世に出してきたという。

せきぐち氏は「VR空間に作るアート制作や、ライブペイントといったパフォーマンスを国内外で披露していた。それが2020年くらいまでで、2021年からはNFTを使って作品の販売をスタート」しており、2021年4月には約1300万円で即日落札されたというニュースは記憶に新しい。

メタバースで活躍するアーティスト3人に共通しているのは「好きなことを楽しんでいったら、いつの間にか自分たちが楽しんでいる世界がメタバースだった」(せきぐち氏)ということ。さわ氏も「繋がりがありますね。自分の好きなものとか、そこから今のメタバースにつながっている。美容師なりメイクなり、デジタルの空間なのか、髪の上なのか、顔の上なのかって表現をするという意味では、そんなに変わらないと思う」と話す。

「個人」がさまざまな活動の単位になる

せきぐち氏は、今後アーティストがメタバースで活動することについて、「私のように個人で活動をしていく」ケースが増えていくと指摘する。その一方で個人からいろいろなところを巻き込みながらプロジェクトを進めていくというのが、おそらくこれからの時代すごくたくさん増えてくる」と話す。

さわ氏は個人同士がつながる上で、メタバース特有の距離感について「3年くらいに前なるが、メタバース店舗というのを作って、せきぐちさんにも接客のお仕事をお願いした。そこから初めて顔を合わせてあったのが1年くらい前。そのときに初めてあった気がしなかった。アバターで交流できていたから、もう何回も会ったことがある友だちみたいな感じ」とメタバース空間と現実空間に境目がないと話している。

さらに天野氏は「個人が企業に所属しなくてもい時代になっている」と指摘する。「作り方も変わってきていて、企業でも一部のシステムを請け負って、それを組み合わせてすすめる。本当に自由になった」とこと。大きな企業がすべてを作るのではなく、個人や小さいグループなどが、自分の得意とすることを持ち寄ってプロジェクトを進めていくというシステムがメタバースでは現在一般的になっているわけだ。

また、さわ氏は表現の方法もこれから大きく変わってくると話しており「何かを作って発表する場合、もの自体は100%作れるけど、発表するときに自分の体自体が邪魔になったとかで理想が100%そのまま伝えられない。それがデジタルの空間を活用すると、どういう場所でどういう姿でどういう声で届けるかというところまで作ることができる。これがめちゃくちゃ大きい」とのこと。つまり発表する「もの」だけでなく、発表する「こと」も合わせて、トータルで制作できるというわけだ。

さわ氏は「それによって表現の幅も変わるし、自分ひとりでできなかったこと、リアルな世界にできなかったことが、今デジタルやメタバースを使えばできるようになる。(発表会を)会場から作るとか無理。でもアーティストがいたらそれができちゃう」とも話している。

スピードが早いからこそ追いすぎてはいけない

天野氏も「iPhoneは誰が作ったかもわからない。ジョブスが作ったというのは間違いないが、デザイナーの成果なのか? エンジニアの成果だったのか? プロダクトの成果なのかわからない。アメーバのようにクリエイティブが絡まってできたおもちゃですよね。(iPhoneみたいな)ああいうものってもっと存在していると思っています。作るという点でいえばそこに個人アーティストとして関わりやすくなった」と解説していた。

しかし、せきぐち氏は「個人的にはあらゆる面ですごいチャンスも広がったが、移り変わりがすごい激しいタイミング。そのトレンドを追いすぎて、何かを崩してしまうのも良くない」と指摘。さらに「タイミングをつかむことは大事だが、アーティストや守るべき大きなIPがある企業とかは、自分達が何をするべきなのかとか、何をしていくのかを大事にしながら、この目まぐるしさに流されていかないよう気をつけなければいけない」と話していた。