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コンクリートのひび割れ、AIが80%精度で検出 高速道路など点検効率化

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、人工知能(AI)技術を使い、コンクリートのひび割れを検出するシステムを開発したと発表した。表面が汚れた状態でも、幅0.2ミリ以上のひび割れを80%以上の精度で見つけ出すという。高速道路や橋などの点検作業の効率化が狙い。

調べたい場所をスマートフォンやデジタルカメラで撮影し、画像をクラウド上のシステムに送ると、AIがひび割れを検出。画像のどこにひび割れがあるかを記録するという。従来の技術では12%程度の検出率だったが、新技術は実用化の目安となる80%以上の精度を実現したとしている。

NEDO ロボット・AI部の竹内さんは「これまでの方法では、撮影したデータを白黒画像にして色の濃淡で境目があるところを判定していた。だが、この方法だと乾いたところとぬれたところの境目、木の板の合わせ目なども、ひび割れと認識してしまうことがあった」と話す。新技術は、実際にひび割れが映った画像約600枚をAIに学習させ、検出精度を高めたとしている。

 2018年末まで、点検事業者向けに無料提供し、有用性を検証。目視・手作業と比べて点検時間を10分の1に(約300分から約30分に)短縮させるのを目指す。

 技術開発には、首都高技術、産業技術総合研究所、東北大学が協力した。

 「高速道路などインフラの老朽化、少子高齢化による点検作業員の不足をどう解決するかが問題。それらに対処するプロジェクトの一環で取り組んだ」と竹内さん。「利用者の反響をフィードバックし、機能の追加やビジネス化につなげていく」