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Google Nest責任者に聞く「アンビエント・コンピューティング」への取り組み(西田宗千佳)

Googleは、スマートホーム製品である「Google Nest Mini」と「Nest Hub Max」を日本で11月22日に発売した。スマートスピーカーを軸にした「スマートホーム」だが、海外に比べ日本はまだ普及初期の段階である。

Googleはなぜスマートホーム製品に注力するのか? その理由は「アンビエント・コンピューティング」にある。そこで今回は、GoogleバイスプレジデントでNest事業を統括するジェネラルマネージャーでもあるRishi Chandra(リシ・チャンドラ)氏に、Googleの狙いを聞いた。

アンビエント・コンピューティングのために組織を改編。機器によらず「環境がコンピュータ」に

Googleは昨年、スマートホーム製品に関するブランド名を「Nest」に統一している。元々Nestは2010年に創業した独立系のスマートホーム機器メーカーだったが、2014年にGoogleが買収し傘下に収めた。そして、2018年にGoogleのハードウェア部門の一部となり、スマートホーム関連機器のブランド名となったわけである。

日本の場合、2017年に発売されたスマートスピーカー「Google Home」が製品として先にあり、それが昨年からリブランドされて「Google Nest Hub」となっている。それまでNestブランド製品が出ていなかったこともあり、「今はGoogle Nestですよ」と言われても、ちょっとピンと来ないかもしれない。

そうした戦略をとったのにももちろん理由がある。

チャンドラ氏:一年前にブランド名をリセットしたわけですが、それは簡単に言えば「もっと大きなことの準備をするため」。これからコンピューティングの世界に起きる変化のことを考えれば、統合してリセットすることが必要と考えたのです。

いきなりにしてなかなか大きな話になるが、その「もっと大きなこと」こそが「アンビエント・コンピューティング」なのだ。

チャンドラ氏:アンビエント・コンピューティングとは、PC・スマートフォンに続く新しい形です。ハードウェアに統合されたコンピューティングから、分散型のコンピューティングへの移行といってもいいでしょう。Googleはそれを実現するための技術をすべて持っています。

従来の、そして現在のコンピューティングは、時間の経過とともに機器が進化しました。要は(手に持ったスマホを指して)これの性能が上がっていくこと。CPUが速くなってGPUが速くなって、ディスプレイが大きくなる。1つのデバイスに搭載されるコンピュータとセンサーの進化が重要でした。

しかしアンビエント・コンピューティングでは変わります。家に取り付けた多数のカメラやセンサー、家電製品が連動し、相互に働きます。家の壁にスマホを貼り付けてもそれはアンビエント・コンピューティングではなくて、家中にある様々な場所にセンサーが分散するのがアンビエント・コンピューティングの重要な点です。

もうひとつ重要なのは、「ひとりが使うひとつのデバイス」ではなく、家族みんなが使うものであること。手元にある一つのデバイスに一人がアクセスするのではなく、4人が同時にデバイスにアクセスするようになります。

ひとりひとりが持っている機器が重要なのでなく、機器を持っていてもいなくてもその場でコンピュータの力が使えるのが「アンビエント・コンピューティング」である。「音楽かけて」と言えば音楽が聞こえてくるのも、部屋から部屋へ移った時に同じYouTubeのコンテンツをすぐに見られるのも、要は「コンピュータの能力が環境に溶ける」から。コンピュータが環境に溶けてしまうなら、ひとりひとりが持つ機器の性能向上よりも「家中にセンサーとなる機器が分散すること」や、「使っている人を機器の側が見分ける」能力が重要、ということになる。

Nestを介したGoogleアシスタントの利用では、声によってちゃんと家族のコマンドを聞きわけて、それぞれに適した反応ができるようになっているが、それはこうした理想実現のためだ。

チャンドラ氏:そうなると、重要なのはいかに「行動からコンテキストを知るか」ということが重要です。あなたの行動がどういういう意味をもっているのか、家族にとってどういう意味を持つかを理解し、あなたたちの行動を助けてくれなければいけません。当然そのためには、非常に強力なAIの助けが必要です。その時には、もちろん、プライバシーモデルを進化させる必要もあるでしょう。

「スマートホーム」という言い方をしますが、「人々がスマートホームを求めている」と考えるのは、あまりにテクノロジー指向的です。人々が求めているのはあくまで「生活の中での課題の解決」。安全で快適な生活をしたい、というニーズは、アメリカであろうがインドであろうが日本であろうが変わりません。そのためになにをすべきかを考える必要があります。