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final最上位イヤフォン「A8000」 - 極薄ベリリウム振動板で音質追求

SNEXTは、自社ブランドfinalの新フラッグシップイヤフォン「A8000」を12月13日に発売する。「トランスペアレントな音」を追求し、振動板に極薄ベリリウム箔(トゥルーベリリウム)を採用しているのが特徴。価格(税込)は198,000円。型番は「FI-A8DSSD」。

A8000は、finalブランドの新しい「Aシリーズ」のイヤホン。クラシック音楽の録音で最も重視されてきた「トランスペアレントな音」を追求したシリーズで、finalはこの音について「立ち上がりが速く、空間に音が浮かぶような感覚の音で、遠くに定位する音が明瞭な音」と説明している。

A8000はダイナミック型ドライバーユニットを搭載しており、極薄ベリリウム箔(トゥルーベリリウム)を成形した振動板を採用しているのが特徴。ベリリウムの比重は1.85と軽く、かつ伝播速度が12,900m/sとダイヤモンドに次いで速く、振動板として理想的な特長を持つ。

「(トゥルーベリリウムの採用は)時間応答の改善につながり、トランスペアレントな音に大きく貢献する。音の立ち上がりの鋭さや、消えてゆく音の余韻が明確に感じられ、音と音との間の静けさをも感じられるようになる」と説明している。感度は102dB/mw、インピーダンスは16Ω。

ハウジングはステンレス削り出しで、既存のイヤホン「Bシリーズ」の開発で確立した設計技術を元に、圧迫感の無い装着感を追求した。自社製MMCXコネクタの採用によりケーブル交換ができる。

トゥルーベリリウムドライバーの動きは非常に繊細で、内部空間の影響を大きく受ける。A8000ではその動きを最適化するために、ドライバー前室と、二重構造となっているドライバー後室、MMCXコネクター部分の四つに分かれる「テトラチャンバー構造」を採用した。前室にはドライバーをダイレクトにマウントしており、不要振動を抑えることで音の輪郭が明瞭になる設計とした。また、4つのチャンバーで量感とタイトさと両立した低域を実現。音漏れを防ぐ効果も持たせた。

トランスペアレントな音を実現するために、finalは独自の評価法「PTM」(Perceptual Transparency Measurement)を開発。従来の周波数特性だけではわからなかった時間応答の評価・改善を行った結果、A8000ではトゥルーベリリウムを振動板に採用することになったという。

なお、従来ベリリウム振動板とされてきたものは、蒸着という手法でベリリウムを樹脂フィルムの表面にきわめて薄くコートするものが多く、「フィルムの特性が支配的であり、振動板の材質をトゥルーベリリウムとした際の音や特性とは全く異なる」としている。

ハウジングは特殊工具を用いての分解も可能で、メーカー修理が容易になっており、「長期間使われることを考慮した」だという。表面は鏡面仕上げ。重さは41g。OFCシルバーコートケーブルのほか、アルミ製キャリーケース、MMCX ASSIST、イヤーフックを同梱。左右軸色違いのオリジナルイヤーピース5サイズも付属する。