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iPadを生徒全員に導入した名門小、学校も驚く「学びの質の向上」

安倍首相が「学校で1人1台のパソコンは当然」と発言したことを受けて、学校へのIT機器やICT教育の導入が急速に進みそうな風向きになってきました。そのような状況に先駆けて、2018年に全校生徒にiPadを1人1台ずつ導入し、ほぼすべての授業で活用して成果を上げている小学校があります。iPadを介して生徒同士で学びを深める様子が見られるようになるなど、学校側が予想していなかった効果も実感できたそうです。

○2年生の2学期からiPadを自己負担で導入

今回取材したのは、神奈川県川崎市にある洗足学園小学校。進学校として知られている私立小学校です。同校の赤尾綾子教頭にお話を伺いました。

同校がタブレットの導入を検討したのは2016年のこと。教科書やノートなど日々持ち歩く荷物が増え、遠くから通っている生徒の負担を減らせるのでは…というのがタブレット導入を検討した最大の理由でした。進学校だけにカリキュラムが多く、タブレットを導入すれば授業をスマートに進められるのでは、という先生側のメリットも狙ったそうです。

検討の結果、2016年9月にまず学校側でiPad Proを45台導入し、全校生徒が共用で利用できるようにしました。タブレットのなかでもiPadに決めた理由は、説明書などを見なくてもすんなり扱えること。先生や生徒が端末やアプリの操作を習得するのに大切な時間を取られるのを避けたかったのです。

導入から1年ほど経ち、想定通りに使えると判断したことから、2018年4月に正式に導入することを決定。当時の新3年生が4月に進級したタイミングで、自己負担でiPad ProとApple Pencilを用意しました。機種をiPad Proにしたのは、Apple Pencilを利用したかったから。キーボードでの文字入力の手間が省ける点を評価したそうです。

1学年分のiPad ProとApple Pencilを新学期の4月までに用意するため、機材は1月中に発注を済ませました。しかし、発注後の3月にApple Pencilに対応したiPad(2018年モデル)が低価格で登場し、教職員の間で「Apple Pencil対応なのにこんなに安いiPadが出た!」と“アップルショック”が起こったそうです。

ちなみに、当初はiPadの導入は3年生になってからでよいと考えていましたが、3年生になった時点で生徒がiPadをバッチリ使いこなせている状態がベストだと判断したため、iPadの利用開始を2年生の2学期からに早めることに。2018年の9月には、2年生にも導入し始めました。iPadの導入を前倒しした同校ですが、1年生のうちは紙のノートと教科書に慣れさせたいという考えのため、iPadは週に何回か使うぐらいにとどめているそうです。

○iPadの導入による効果は想定以上

導入したiPadは、国語や算数、理科、社会など、ほぼすべての授業で利用しています。テキストがデジタル化されてiPadに収録されているため、授業には必須となるわけです。唯一使っていないのが漢字の授業。紙の辞書を引いて調べさせ、鉛筆でノートに書かせることを重視しているためです。

当初、予想していなかった効果として挙げたのが、生徒がiPadを通してお互いに学びを深めていくようになったこと。珍しいことをやっている生徒がいると、「その操作はどうやればいいの?」と聞きに行って生徒間で知識を共有するようになったといいます。また、進んでいる生徒が悩んでいる生徒のiPadに直接ヒントを書き込むこともあるそう。「紙のノートだと、他人のノートに勝手に書き込むことはためらわれるじゃないですか。iPadを導入してから気づいた想定外のメリットでした」と赤尾教頭は語ります。

ちなみに、授業で使っている先生と生徒のiPadには「クラスルーム」というアップル純正のアプリが導入され、生徒のiPadに表示されている画面が先生のiPadやMacBookで確認できるようになっています。生徒のiPadの画面をサムネイルで一覧表示することもでき、その状態でもリアルタイムに画面が更新されるのに驚かされました。課題がうまく進んでいない生徒をいち早く見つけてアドバイスに向かえるなど、授業をスムーズに進めるのに貢献していました。

意外な活用法として驚かされたのが、体育の授業でもiPadを使っていること。陸上競技の走行フォームやマット運動など、自分の動きを客観的に確認できるよう、iPadのカメラで撮影した動画を遅延させて再生する無料アプリ「はなまるフォーム」を走らせたiPadをグラウンドや体育館に設置。競技を終えた生徒がiPadの前にたどり着いたころに自分の動画が再生されるよう工夫しています。

○先生の負担が増えないようにする取り組みも

iPadの導入にあたって学校側が配慮したのが、先生の負担が増えないようにすることでした。

先生はパソコンの扱いや知識などITスキルの差が大きく、トラブル発生時はパソコンに詳しい先生ばかりに負担が偏るケースも少なくありません。そのような状況を回避するため、iPadや校内に設置したWi-Fiアクセスポイントなどに問題が発生した場合、すべて外部の専門業者に連絡して対処を一任するようにしているそう。お金はかかりますが、ただでさえ忙しい先生の時間を問題解決に取られることなく、授業に集中してもらうための方針だそうです。

先生自身も忙しいながらもITのスキルを向上する意欲を持っており、月に1度ぐらいの頻度で有志が集まる勉強会“ICTカフェ”を自主的に開いています。近ごろは、秋に名称を一新してバージョンアップした「iPadOS 13」で新たにできるようになったことを話し合ったそうです。

○プログラミング教育以外にも活躍するiPad

2020年には小学校でプログラミング教育が必修化されることもあり、学校へのIT機器の導入はどうしてもプログラミングの習得が目的になりがち。しかし、洗足学園では、iPadの導入で生徒の学びの質が高まったり、先生の授業の進め方がスムーズになったりと、プログラミング以外で好ましい効果を挙げていることが分かりました。

Apple Pencilに対応した最新のiPad(2019年モデル)は、Apple PencilだけでなくSmart Keyboardにも対応しただけでなく、価格を3万4800円(税別)まで引き下げるなど、教育市場での一括導入を狙った製品に仕上がっていると感じます。プログラミング以外にも効果がある情報端末として、2020年には多くの学校でiPadが活躍する姿が見られるかもしれません。