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無届け再生医療、看護師らも関与か 共同研究先幹部が被験者紹介

大阪医科大学(大阪府高槻市)の男性元講師(52)が在職中、脂肪幹細胞を人に投与する再生医療を無届けで行った問題で、元講師が部下の助教や看護師2人に作業を手伝わせていたことが5日、関係者への取材で分かった。共同研究する医療関連会社幹部が、元講師に細胞を提供する被験者を紹介していたことも判明。大阪府警は再生医療安全性確保法違反容疑での立件に向け、投与の目的や元講師以外の関与の程度などを慎重に調べている。

同医大や関係者によると、元講師は今年3月、部下の男性助教のほか、同細胞でアンチエイジングに取り組んでいた福岡市のクリニックの男性元院長とその知人女性、医療関連会社の男性幹部の計4人から脂肪幹細胞を採取。培養して女性に点滴投与したとされる。

同社は約2年前から元講師と共同研究をしており、幹部が窓口役だった。幹部は今年初め、仕事で知り合った元院長や女性と医大の研究室を訪れ、元講師を紹介。3人で脂肪幹細胞の効果を増強する独自技術についてマウス実験の結果を聞いた後、元院長が投与を依頼したところ、元講師が了承したという。

3人は3月に研究室を再訪して細胞を提供。このとき、元院長は幹部から言われ、後に1人10万円を元講師側に振り込んだという。助教もこれ以前に細胞を提供しており、最終的に培養が順調だった女性のみが脂肪幹細胞の点滴投与を受けた。

細胞採取に必要な手術は、元講師が研究室前の廊下に置いた簡易ベッドで実施。培養や点滴は助教や女性看護師2人も手伝ったという。看護師らは元講師の要望で一時、別の共同研究先の製薬会社に籍を置いていたが、同社は一連の作業について一切報告を受けていないとしている。医療関連会社幹部も3月に退職しているといい、同社は「社としては問題を全く把握していない」としている。

幹細胞の投与は再生医療にあたり、実施には厚生労働省への届け出が必要。細胞の培養も施設ごとに届け出や許可が必要だが、元講師はこうした手続きを一切行わなかったとされ、厚労省が立ち入り調査を行ったほか、府警も9月に同容疑で医大などを捜索した。

■根拠乏しい再生医療も 自由診療に懸念

さまざまな組織のもとになる幹細胞を移植するなどし、機能不全に陥った体の組織や臓器の働きを元に戻す再生医療。幹細胞には人工的につくるiPS細胞(人工多能性幹細胞)のほか、体内にもともと存在する脂肪幹細胞などの体性幹細胞があり、比較的手軽に扱えることからクリニックでの利用も増えている。美容やアンチエイジング目的での投与や化粧品への応用も多いが、今回の大阪医科大での問題のように無届けで行われれば、健康被害や事故につながる恐れもあり、専門家は警鐘を鳴らす。

日本ではこれまで、基礎研究で世界をリードしても医薬品承認に時間がかかり、国内で最先端の薬が使えない「ドラッグ・ラグ」が課題とされてきた。しかし、再生医療については新産業の柱にすることを目指す国の方針もあり、平成26年に再生医療安全性確保法などが施行され、安全性に配慮しつついち早く実用化しようとする流れができている。

研究環境は整備されてきたが、懸念されるのが、患者にとって身近な選択肢になっている民間クリニックでの自由診療だ。厚生労働省によると、再生医療の提供計画は今年10月末までに約4千件届けられ、多くが民間クリニックからだった。

自由診療はかつて、実態すら分からなかったが、同法により届け出制になったことで、提供段階での安全性については一定の監視ができるようになった。ただ、現行法のもとでは本当に効果がある治療かまでは担保されず、それが次の課題となっている。

研究者の間では、科学的根拠が乏しい高額な自由診療が横行しているのが現状だという批判も多い。再生医療の第一人者のひとり、東海大医学部の佐藤正人教授は「患者自身が届け出を確認し、周囲に意見を求めた上で判断してほしい」として、安易に再生医療に飛びつかないよう注意を呼びかける。

再生医療学会も情報発信を強めるとともに、診療結果をデータベース化する取り組みを始めた。大阪医科大の元講師による無届け再生医療問題は、産官学が一体となって再生医療の信頼性を高めようとする中、支えるべき立場の研究者が引き起こした形だ。

大阪大医学部教授で再生医療学会の澤芳樹理事長は「研究者が法を犯すのは考えられない。患者に被害を与える可能性があることを無届けで行ったということは人体実験であり、倫理面での問題も大きい」と非難している。(西山瑞穂)大阪医科大学(大阪府高槻市)の男性元講師(52)が在職中、脂肪幹細胞を人に投与する再生医療を無届けで行った問題で、元講師が部下の助教や看護師2人に作業を手伝わせていたことが5日、関係者への取材で分かった。共同研究する医療関連会社幹部が、元講師に細胞を提供する被験者を紹介していたことも判明。大阪府警は再生医療安全性確保法違反容疑での立件に向け、投与の目的や元講師以外の関与の程度などを慎重に調べている。

同医大や関係者によると、元講師は今年3月、部下の男性助教のほか、同細胞でアンチエイジングに取り組んでいた福岡市のクリニックの男性元院長とその知人女性、医療関連会社の男性幹部の計4人から脂肪幹細胞を採取。培養して女性に点滴投与したとされる。

同社は約2年前から元講師と共同研究をしており、幹部が窓口役だった。幹部は今年初め、仕事で知り合った元院長や女性と医大の研究室を訪れ、元講師を紹介。3人で脂肪幹細胞の効果を増強する独自技術についてマウス実験の結果を聞いた後、元院長が投与を依頼したところ、元講師が了承したという。

3人は3月に研究室を再訪して細胞を提供。このとき、元院長は幹部から言われ、後に1人10万円を元講師側に振り込んだという。助教もこれ以前に細胞を提供しており、最終的に培養が順調だった女性のみが脂肪幹細胞の点滴投与を受けた。

細胞採取に必要な手術は、元講師が研究室前の廊下に置いた簡易ベッドで実施。培養や点滴は助教や女性看護師2人も手伝ったという。看護師らは元講師の要望で一時、別の共同研究先の製薬会社に籍を置いていたが、同社は一連の作業について一切報告を受けていないとしている。医療関連会社幹部も3月に退職しているといい、同社は「社としては問題を全く把握していない」としている。

幹細胞の投与は再生医療にあたり、実施には厚生労働省への届け出が必要。細胞の培養も施設ごとに届け出や許可が必要だが、元講師はこうした手続きを一切行わなかったとされ、厚労省が立ち入り調査を行ったほか、府警も9月に同容疑で医大などを捜索した。

■根拠乏しい再生医療も 自由診療に懸念

さまざまな組織のもとになる幹細胞を移植するなどし、機能不全に陥った体の組織や臓器の働きを元に戻す再生医療。幹細胞には人工的につくるiPS細胞(人工多能性幹細胞)のほか、体内にもともと存在する脂肪幹細胞などの体性幹細胞があり、比較的手軽に扱えることからクリニックでの利用も増えている。美容やアンチエイジング目的での投与や化粧品への応用も多いが、今回の大阪医科大での問題のように無届けで行われれば、健康被害や事故につながる恐れもあり、専門家は警鐘を鳴らす。

日本ではこれまで、基礎研究で世界をリードしても医薬品承認に時間がかかり、国内で最先端の薬が使えない「ドラッグ・ラグ」が課題とされてきた。しかし、再生医療については新産業の柱にすることを目指す国の方針もあり、平成26年に再生医療安全性確保法などが施行され、安全性に配慮しつついち早く実用化しようとする流れができている。

研究環境は整備されてきたが、懸念されるのが、患者にとって身近な選択肢になっている民間クリニックでの自由診療だ。厚生労働省によると、再生医療の提供計画は今年10月末までに約4千件届けられ、多くが民間クリニックからだった。

自由診療はかつて、実態すら分からなかったが、同法により届け出制になったことで、提供段階での安全性については一定の監視ができるようになった。ただ、現行法のもとでは本当に効果がある治療かまでは担保されず、それが次の課題となっている。

研究者の間では、科学的根拠が乏しい高額な自由診療が横行しているのが現状だという批判も多い。再生医療の第一人者のひとり、東海大医学部の佐藤正人教授は「患者自身が届け出を確認し、周囲に意見を求めた上で判断してほしい」として、安易に再生医療に飛びつかないよう注意を呼びかける。

再生医療学会も情報発信を強めるとともに、診療結果をデータベース化する取り組みを始めた。大阪医科大の元講師による無届け再生医療問題は、産官学が一体となって再生医療の信頼性を高めようとする中、支えるべき立場の研究者が引き起こした形だ。

大阪大医学部教授で再生医療学会の澤芳樹理事長は「研究者が法を犯すのは考えられない。患者に被害を与える可能性があることを無届けで行ったということは人体実験であり、倫理面での問題も大きい」と非難している。(西山瑞穂)